Aoba-BBT Research Memo(8):2025年3月期の業績目標達成に向けた施策は順調に進捗(1)
[24/01/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*14:48JST Aoba-BBT Research Memo(8):2025年3月期の業績目標達成に向けた施策は順調に進捗(1)
■今後の見通し
2. 中期経営計画
Aoba-BBT<2464>は2022年6月に「中期経営計画2022-24」を発表し、最終年度となる2025年3月期の業績目標として、売上高100億円、営業利益10.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益7.0億円を掲げた。変革する時代に対応した新しいコンテンツを発信しつづけ、1歳以上のすべての年齢層を対象に生涯にわたる学びを提供することで、ミッションである「世界で活躍するリーダーの育成」に取り組み、業績目標の達成を目指す。
初年度となる2023年3月期の業績は、University事業系の伸び悩みと積極的な先行投資を実施したことで、期初計画(売上高7,806百万円、営業利益518百万円)に対して売上高7,257百万円、営業利益329百万円と下振れて着地した。ただし、成長戦略は順調に進んでおり、先行投資の効果も今後顕在化することから、2025年3月期の業績目標は達成可能な水準と同社では見ている。事業セグメント別の売上高で見ると、リカレント教育事業は2023年3月期の3,521百万円から2025年3月期は5,500百万円、プラットフォームサービス事業は同様に3,655百万円から4,500百万円を目指す。年平均成長率ではリカレント教育事業が25%、プラットフォームサービス事業が11%となる計算で、プラットフォームサービス事業については順調な進捗となっている。今後、リカレント教育事業の成長が加速するかどうかが、中期業績目標の達成の鍵を握る。
(1) 重点5分野の成長戦略
a) University事業系
University事業系では、BBT大学/大学院、BOND-BBT MBAの受講生徒数を増やすことで、2025年3月期に売上高1,425百万円、営業利益455百万円(2022年3月期比売上高1.39倍、営業利益1.68倍)を目指す。
売上高の5割弱を占めるBBT大学では、生徒獲得施策としてオンライン説明会の実施に加えて、1) PR担当チームを配置し、SNS運用などメディア露出の強化による認知度向上、2) 多様性の高い学生を獲得するための奨学金制度の充実、3) 修了生からの紹介制度や法人派遣制度の充実、などを推進する。また、新たな取り組みとしてランチセミナー「BBT Lunch Talk」(1回30名程度)も開始した。無料メールマガジン「Aoba-BBT BUSINESS REVIEW」の登録会員約17万人に対して開催案内を配信するなど、実績としては4回の開催で約120人を集客した。既述のとおり、コロナ禍の終息で本科生の入学者数が低迷しているが、短期集中講座を強化することでカバーする考えだ。
BBT大学大学院における生徒獲得施策としては、1) デジタルマーケティング機能の強化による潜在顧客の獲得と育成、2) 法人研修市場における単科生コースの販売強化、3) ポストコロナ時代に適した最先端の講義・教材の開発、並びにAIやEdTech領域への投資などに取り組む。マーケティング施策については、従来までリスティング広告や説明会などによる顕在層向けの施策を重点的に実施してきたが、今後はマーケティング・オートメーションツールやホワイトペーパー、SNSの活用、紹介制度の強化、トライアルプログラムの導入等によって、準顕在層や潜在層の獲得にも注力する。
BOND-BBT MBAの生徒獲得施策については、1) アジア・パシフィック地域での広告宣伝強化、2) BOND大学の知名度を長期的に向上させるため、同大学と連携したイベント開催やWebサイト、SNSでの情報発信、オンライン広告等の実施、3) 在学生及び修了生のネットワーク強化による紹介生の獲得などに取り組む方針だ。
休学/退学率の抑制施策としては、1) 「BioLa」で学習進捗状況の分析と事前予測を行い、進捗が遅れているようであれば改善策を提案するなどの学習支援体制を強化する、2) 学生支援担当者のコーチングスキルを向上する、3) 全科目、全受講生を対象としたアンケート実施により課題を抽出し、プログラムの満足度向上につなげるPDCAサイクルの構築と高速化、などに取り組む方針だ。「Biola」による学習状況の分析によって、個々の生徒に最適な学習コンテンツを映像ライブラリの中からリコメンドする機能も近々提供する予定で、AI/DXの積極活用によるサービス品質の向上により差別化を図る。
b) 法人向け人材育成事業系
法人向け人材育成事業系では、2025年3月期に売上高2,228百万円(2022年3月期比1.94倍)を目指す。なお、同分野に関しては販売チャネル別の売上高となるため(プロダクト部門ではない)、営業利益の計画はない。
国内の法人向け研修市場は年間5,000億円強でここ数年の成長率は年率1%前後と決して高くはないものの、同社が強みを持つeラーニング市場に関しては10%強の成長が続いている。競合企業が多いなか、同社はサービスメニューの拡充や営業体制の強化、販売提携戦略を推進することで顧客数を2倍に拡大し高成長を実現する考えだ。また、パッケージ型プログラムの販売比率を高めることで、営業の生産性向上も図る。具体的には、階層別研修では1人ひとりのニーズに合ったカリキュラムを作成・提供する「BBTパーソナライズ」、選別型研修(次世代リーター向け)では「BBT経営塾」、テーマ別研修ではニーズの高いテーマをパッケージ化して映像講義とライブ研修のブレンディング型サービスを提供していく。同社ではこれら取り組みを推進することで、法人研修市場のリーディングカンパニーを目指す。
なお、「BBTパーソナライズ」に関しては、ChatGPTのAPIを利用して、AIが受講者の学習ニーズと職業目標を把握することで最適なカリキュラムを提案する「BBTパーソナライズAI」を2023年10月にリリースした。従来は担当者と面談後、カリキュラムの提供まで1〜2週間を要していたが、新サービスは2〜3営業日で提供できる。受講価格は5.4万円(税別)、受講期間は3ヶ月間である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■今後の見通し
2. 中期経営計画
Aoba-BBT<2464>は2022年6月に「中期経営計画2022-24」を発表し、最終年度となる2025年3月期の業績目標として、売上高100億円、営業利益10.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益7.0億円を掲げた。変革する時代に対応した新しいコンテンツを発信しつづけ、1歳以上のすべての年齢層を対象に生涯にわたる学びを提供することで、ミッションである「世界で活躍するリーダーの育成」に取り組み、業績目標の達成を目指す。
初年度となる2023年3月期の業績は、University事業系の伸び悩みと積極的な先行投資を実施したことで、期初計画(売上高7,806百万円、営業利益518百万円)に対して売上高7,257百万円、営業利益329百万円と下振れて着地した。ただし、成長戦略は順調に進んでおり、先行投資の効果も今後顕在化することから、2025年3月期の業績目標は達成可能な水準と同社では見ている。事業セグメント別の売上高で見ると、リカレント教育事業は2023年3月期の3,521百万円から2025年3月期は5,500百万円、プラットフォームサービス事業は同様に3,655百万円から4,500百万円を目指す。年平均成長率ではリカレント教育事業が25%、プラットフォームサービス事業が11%となる計算で、プラットフォームサービス事業については順調な進捗となっている。今後、リカレント教育事業の成長が加速するかどうかが、中期業績目標の達成の鍵を握る。
(1) 重点5分野の成長戦略
a) University事業系
University事業系では、BBT大学/大学院、BOND-BBT MBAの受講生徒数を増やすことで、2025年3月期に売上高1,425百万円、営業利益455百万円(2022年3月期比売上高1.39倍、営業利益1.68倍)を目指す。
売上高の5割弱を占めるBBT大学では、生徒獲得施策としてオンライン説明会の実施に加えて、1) PR担当チームを配置し、SNS運用などメディア露出の強化による認知度向上、2) 多様性の高い学生を獲得するための奨学金制度の充実、3) 修了生からの紹介制度や法人派遣制度の充実、などを推進する。また、新たな取り組みとしてランチセミナー「BBT Lunch Talk」(1回30名程度)も開始した。無料メールマガジン「Aoba-BBT BUSINESS REVIEW」の登録会員約17万人に対して開催案内を配信するなど、実績としては4回の開催で約120人を集客した。既述のとおり、コロナ禍の終息で本科生の入学者数が低迷しているが、短期集中講座を強化することでカバーする考えだ。
BBT大学大学院における生徒獲得施策としては、1) デジタルマーケティング機能の強化による潜在顧客の獲得と育成、2) 法人研修市場における単科生コースの販売強化、3) ポストコロナ時代に適した最先端の講義・教材の開発、並びにAIやEdTech領域への投資などに取り組む。マーケティング施策については、従来までリスティング広告や説明会などによる顕在層向けの施策を重点的に実施してきたが、今後はマーケティング・オートメーションツールやホワイトペーパー、SNSの活用、紹介制度の強化、トライアルプログラムの導入等によって、準顕在層や潜在層の獲得にも注力する。
BOND-BBT MBAの生徒獲得施策については、1) アジア・パシフィック地域での広告宣伝強化、2) BOND大学の知名度を長期的に向上させるため、同大学と連携したイベント開催やWebサイト、SNSでの情報発信、オンライン広告等の実施、3) 在学生及び修了生のネットワーク強化による紹介生の獲得などに取り組む方針だ。
休学/退学率の抑制施策としては、1) 「BioLa」で学習進捗状況の分析と事前予測を行い、進捗が遅れているようであれば改善策を提案するなどの学習支援体制を強化する、2) 学生支援担当者のコーチングスキルを向上する、3) 全科目、全受講生を対象としたアンケート実施により課題を抽出し、プログラムの満足度向上につなげるPDCAサイクルの構築と高速化、などに取り組む方針だ。「Biola」による学習状況の分析によって、個々の生徒に最適な学習コンテンツを映像ライブラリの中からリコメンドする機能も近々提供する予定で、AI/DXの積極活用によるサービス品質の向上により差別化を図る。
b) 法人向け人材育成事業系
法人向け人材育成事業系では、2025年3月期に売上高2,228百万円(2022年3月期比1.94倍)を目指す。なお、同分野に関しては販売チャネル別の売上高となるため(プロダクト部門ではない)、営業利益の計画はない。
国内の法人向け研修市場は年間5,000億円強でここ数年の成長率は年率1%前後と決して高くはないものの、同社が強みを持つeラーニング市場に関しては10%強の成長が続いている。競合企業が多いなか、同社はサービスメニューの拡充や営業体制の強化、販売提携戦略を推進することで顧客数を2倍に拡大し高成長を実現する考えだ。また、パッケージ型プログラムの販売比率を高めることで、営業の生産性向上も図る。具体的には、階層別研修では1人ひとりのニーズに合ったカリキュラムを作成・提供する「BBTパーソナライズ」、選別型研修(次世代リーター向け)では「BBT経営塾」、テーマ別研修ではニーズの高いテーマをパッケージ化して映像講義とライブ研修のブレンディング型サービスを提供していく。同社ではこれら取り組みを推進することで、法人研修市場のリーディングカンパニーを目指す。
なお、「BBTパーソナライズ」に関しては、ChatGPTのAPIを利用して、AIが受講者の学習ニーズと職業目標を把握することで最適なカリキュラムを提案する「BBTパーソナライズAI」を2023年10月にリリースした。従来は担当者と面談後、カリキュラムの提供まで1〜2週間を要していたが、新サービスは2〜3営業日で提供できる。受講価格は5.4万円(税別)、受講期間は3ヶ月間である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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