ギグワークス Research Memo(6):2023年10月期は日本直販の子会社化等により過去最高売上高を達成
[24/01/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*15:36JST ギグワークス Research Memo(6):2023年10月期は日本直販の子会社化等により過去最高売上高を達成
■業績動向
1. 2023年10月期の業績概要
ギグワークス<2375>の2023年10月期の連結業績は、売上高が前期比15.3%増の26,432百万円、営業利益が同74.9%減の111百万円、経常利益が同76.6%減の111百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が718百万円(前期は232百万円の利益)となった。デジタルマーケティング事業(通販等)のM&Aにより過去最高売上高を更新したものの、オンデマンドエコノミー事業の減益等が影響し減益となった。
主力のオンデマンドエコノミー事業では、ユニークワーカー5,689名(前期は7,170名)が日本全国で稼働した。自治体や行政におけるコロナ対策業務や経済復興関連業務が終了したのに加え、IT機器の設定設置業務やキッティング業務などが低調に推移した。一方で、EV充電器関連では現地調査業務を中心に稼働が始まった。また、政府が推進する働き方改革やAI テクノロジーを活用したコンタクトセンターの推進、企業のDXによる業務効率向上への動き、インボイス制度への対応などを背景に、ヘルプデスクやサービスデスク関連のニーズは引き続き高い水準を維持した。自社運営するコンタクトセンターは、東京都・大阪府・福岡県を中心に7拠点体制が整い、テクニカルサポート・通販関連の受注が拡大した。
デジタルマーケティング事業は、日本直販「悠遊生活」ブランドでの総合通販を主体としたサービスの提供を行っており、堅調に推移した。物販に加え、サービスを強化することを基本戦略としており、強みのフィールドサービス力とコンタクトセンターのコミュニケーション力を活用した「駆けつけサービス」や「デリバリーサービス」、ITテクノロジーを活用したオンライン店舗の出店など、M&Aのねらいである相乗効果を発揮する取り組みがさっそく開始されている。また、連結子会社化前は大幅な損失を計上していたため、カタログや広告宣伝、仕入れの共通化によるコスト削減努力などの収益構造の抜本的な改善策を進めており、損失幅は縮小している。
システムソリューション事業は売上高及びセグメント利益で過去最高を達成した。ITエンジニアによるプロフェッショナルサービスは、IT需要の増加やIT人材の不足を背景に需要が増加傾向にあるなか、ギグワーカーを含むビジネスパートナーとの連携を強化し、需要増加に対応した。また、エンジニア人件費の高騰に伴う顧客との契約単金やコスト見直しの影響もあり大幅な増益となった。自社開発商品のコールセンター向けCRMシステム「デコールCC.CRM3」の販売も、コロナ禍の投資抑制の影響が弱まり、販売は改善した。
シェアリングエコノミー事業は会員数が堅調に伸びた。運営するシェアオフィス(84拠点)に加え、利用提携先の施設を含めると700拠点以上となるオフィスネットワーク及びシェアオフィス利用会員数(15,497名)は、日本最大級である。特に(AA)会員の増加に注力した結果、9,886名(前期末比3,259名増加)と大きく伸長した。初期費用0円キャンペーン等の販促施策を行った効果やコロナ禍以前の日常へ戻ったことも影響し、シェアオフィスの稼働状況が改善し、セグメント利益で黒字化を達成した。
営業利益は前期比74.9%減、営業利益率は同1.5ポイント減の0.4%となった。オンデマンドエコノミー事業の大型案件縮小やIT関連フィールドサービスの低調、デジタルマーケティング事業への事業投資などにより、収益性は一時的に低下している。なお、2023年10月期において、デジタルマーケティング事業ののれん償却(379百万円)、シェアリングエコノミー事業などにおける固定資産減損損失(268百万円)、繰延税金資産取崩(97百万円)など特別損失・税金費用の計上を合計745百万円行ったが、これらは全額キャッシュの流出を伴わない損失である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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■業績動向
1. 2023年10月期の業績概要
ギグワークス<2375>の2023年10月期の連結業績は、売上高が前期比15.3%増の26,432百万円、営業利益が同74.9%減の111百万円、経常利益が同76.6%減の111百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が718百万円(前期は232百万円の利益)となった。デジタルマーケティング事業(通販等)のM&Aにより過去最高売上高を更新したものの、オンデマンドエコノミー事業の減益等が影響し減益となった。
主力のオンデマンドエコノミー事業では、ユニークワーカー5,689名(前期は7,170名)が日本全国で稼働した。自治体や行政におけるコロナ対策業務や経済復興関連業務が終了したのに加え、IT機器の設定設置業務やキッティング業務などが低調に推移した。一方で、EV充電器関連では現地調査業務を中心に稼働が始まった。また、政府が推進する働き方改革やAI テクノロジーを活用したコンタクトセンターの推進、企業のDXによる業務効率向上への動き、インボイス制度への対応などを背景に、ヘルプデスクやサービスデスク関連のニーズは引き続き高い水準を維持した。自社運営するコンタクトセンターは、東京都・大阪府・福岡県を中心に7拠点体制が整い、テクニカルサポート・通販関連の受注が拡大した。
デジタルマーケティング事業は、日本直販「悠遊生活」ブランドでの総合通販を主体としたサービスの提供を行っており、堅調に推移した。物販に加え、サービスを強化することを基本戦略としており、強みのフィールドサービス力とコンタクトセンターのコミュニケーション力を活用した「駆けつけサービス」や「デリバリーサービス」、ITテクノロジーを活用したオンライン店舗の出店など、M&Aのねらいである相乗効果を発揮する取り組みがさっそく開始されている。また、連結子会社化前は大幅な損失を計上していたため、カタログや広告宣伝、仕入れの共通化によるコスト削減努力などの収益構造の抜本的な改善策を進めており、損失幅は縮小している。
システムソリューション事業は売上高及びセグメント利益で過去最高を達成した。ITエンジニアによるプロフェッショナルサービスは、IT需要の増加やIT人材の不足を背景に需要が増加傾向にあるなか、ギグワーカーを含むビジネスパートナーとの連携を強化し、需要増加に対応した。また、エンジニア人件費の高騰に伴う顧客との契約単金やコスト見直しの影響もあり大幅な増益となった。自社開発商品のコールセンター向けCRMシステム「デコールCC.CRM3」の販売も、コロナ禍の投資抑制の影響が弱まり、販売は改善した。
シェアリングエコノミー事業は会員数が堅調に伸びた。運営するシェアオフィス(84拠点)に加え、利用提携先の施設を含めると700拠点以上となるオフィスネットワーク及びシェアオフィス利用会員数(15,497名)は、日本最大級である。特に(AA)会員の増加に注力した結果、9,886名(前期末比3,259名増加)と大きく伸長した。初期費用0円キャンペーン等の販促施策を行った効果やコロナ禍以前の日常へ戻ったことも影響し、シェアオフィスの稼働状況が改善し、セグメント利益で黒字化を達成した。
営業利益は前期比74.9%減、営業利益率は同1.5ポイント減の0.4%となった。オンデマンドエコノミー事業の大型案件縮小やIT関連フィールドサービスの低調、デジタルマーケティング事業への事業投資などにより、収益性は一時的に低下している。なお、2023年10月期において、デジタルマーケティング事業ののれん償却(379百万円)、シェアリングエコノミー事業などにおける固定資産減損損失(268百万円)、繰延税金資産取崩(97百万円)など特別損失・税金費用の計上を合計745百万円行ったが、これらは全額キャッシュの流出を伴わない損失である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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