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IC Research Memo(5):成長投資を継続しながらも増益を見込む

注目トピックス 日本株
*16:15JST IC Research Memo(5):成長投資を継続しながらも増益を見込む
■今後の見通し

1. 2024年9月期の見通し
IC<4769>の2024年9月期の業績は、売上高で前期比5.4%増の9,023百万円、営業利益で同4.1%増の421百万円、経常利益で同5.3%増の501百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同19.6%減の299百万円を見込んでいる。引き続き戦略的成長投資を実行しつつ、既存事業の成長に加えて、新規ITサービスや企画提案型ソリューションの推進によって事業領域を継続的に拡大させながら売上を伸ばし、増益を達成していく構えだ。ITソリューション事業に関しては、顧客企業のIT投資に対する意欲は旺盛である。外部環境が好調ななか、パートナー企業をしっかりと増大させながら、機会損失を最小限にし、旺盛な需要をしっかりと業績に取り込んでいく。また、高付加価値の企画提案型ソリューションの確立に引き続き注力しながら、同時に受託開発体制を強化することにより、同社サービスの提供品質をさらに向上させていく方針だ。ITサービス事業に関しては、引き続きインサイドセールスを中心に「チケット for LINE Hybrid」の導入企業数を拡大させながら、カスタマーサクセスの強化によって導入後の利用率を高めていく。加えて、新規サービスである「らくらく入場サービス HINORI」と「iDEP」の拡販に注力していく。

2024年9月期も中期経営計画の基本戦略が順調に実行されると弊社は見ている。特に収益性向上のカギとなる新規ITサービスの創出と企画提案型ソリューションの確立は、2023年9月期においてもしっかりと実績を残しており、2024年9月期においても新たなサービスの誕生に期待がかかる。

2. 中長期の成長戦略
同社は2022年10月、2031年9月期を最終年度とする長期ビジョン「VISION 2031」及びその実現に向けたファーストステップである新中期経営計画「co-creation Value 2025(2023年9月期〜2025年9月期)」を策定した。

(1) 長期ビジョン「VISION 2031」
「ITで感動社会へナビゲート」をビジョンとし、最終年度である2031年9月期に売上高10,950百万円、営業利益1,140百万円、営業利益率10.5%の達成や、顧客が抱える潜在的な課題を顕在化し解決することによって、新たな価値を創造する価値創造型IT企業グループへの変貌を目指す。具体的には、社会課題解決に資する新規ITサービスと顧客課題の解決に資する企画提案型ソリューションを提供することによって、収益性をさらに高めていく。新規ITサービスの創出に向けては、グループ間シナジーや外部との連携を積極的に活用し、2031年9月期の営業利益に占める新規事業の割合を3割程度まで拡大することを目指す。

(2) co-creation Value 2025
「共創を牽引する経営基盤の構築」という基本方針の下に社会、顧客、従業員という3つの観点から各種戦略を実行していく。基本戦略「社会」では、「社会課題解決につながるサービスを創出する」をテーマに、(1) 研究開発体制の強化、(2) 営業機能の強化、(3) M&A・アライアンス戦略の策定と推進に注力する。基本戦略「顧客」では、「顧客エンゲージメントを高めることで、共創価値の拡大につなげる」をテーマに、(1) 企画提案型ソリューションの確立、(2) 受託開発体制の強化及びプロジェクト管理・品質管理の強化、(3) 営業機能の強化に重点的に取り組む。基本戦略「従業員」では、「共創を支える価値創造型人材を育成する」をテーマに、(1) DX人材の育成強化、(2) 次世代マネジメント層の育成強化、(3) タレントマネジメントの戦略的活用に取り組む。これらの各種取り組みにより、経営基盤の強化・再構築と企業価値の最大化を実現する方針だ。

既述のとおり、「らくらく入場サービス HINORI」や「iDEP」の市場投入、建設会社向けDX推進支援サービスの始動、DX人材育成強化など、基本戦略は順調に進捗し、経営基盤の強化・再構築が進行している。さらに最近では、介護者の負担を軽減するような「見守り支援システム、装置、方法及びプログラム」の特許出願も行っている。今後は、自治体との実証実験などを通じてサービス化に向けたフィージビリティスタディを実施していく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)



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