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ユミルリンク Research Memo(8):チャネルの拡充とプラットフォーム化で持続的成長を追求

注目トピックス 日本株
*13:08JST ユミルリンク Research Memo(8):チャネルの拡充とプラットフォーム化で持続的成長を追求
■中期成長戦略

中期成長戦略の方針として、ユミルリンク<4372>はメッセージングチャネルの拡充とプラットフォーム化をさらにすすめ、SaaS事業の領域拡大により企業価値と株主価値を持続的に高める方針を掲げている。

具体的には、成長過程にあるメール配信サービス、SMS配信サービス市場でのシェアを高めながら、新たなメッセージングチャネルの開発・拡充により顧客のデジタルマーケティングを支援する新たなサービスを創出し、成長を加速させる方針だ。この方針のもと、2022年12月期〜2023年12月期にかけて技術者の増員を行い、新たなメッセージングチャネルの開発に取り組んできた。2024年中には、新たなチャネルとしてWebプッシュ機能をリリースする予定である。

営業面においては引き続き大規模顧客であるエンタープライズ顧客の獲得に注力する。なかでも相対的に浸透率が低い顧客層への販売に注力し、メールサービス、SMSサービスのシェア拡大に注力する。既に浸透率の高い「Core30」に属する顧客へは、Web広告の強化によりリード数を増やすほか、営業人員を増員することにより新規顧客の獲得を加速させる。また、Web広告などプロモーション活動を強化し、顧客からの引き合いの増加も目指す。さらに「Cuenote(R) FC」「Cuenote(R) SMS」を導入した顧客へのクロスセルにも注力し、顧客当たりの契約金額を押し上げることにより、全社の売上拡大の実現を目指す。

同社の中期成長戦略の方針は、妥当な方向性であると弊社は考えている。総務省「令和3年版情報通信白書」によると20〜29歳の90.4%がSNSを利用している。SNSがデジタルマーケティングの手段として重要になっており、SNS対応のサービスを市場に投入すれば同社の魅力はより高まると考えられる。また、メール・SMS配信で培った大規模・高速・正確・効率を可能にする技術をSNSに応用することが同社サービスの優位性につながると弊社は見ている。

中期成長戦略は順調に進捗している。顧客企業の新規獲得という観点では、「Cuenote(R)」シリーズの2023年12月期末時点の契約数は前期末から200件程度増加し2,200件を超えた。上場企業で同シリーズを導入している企業数も258社まで拡大している。また、メールサービスにおける同社のプレゼンスも着実に高まっている。実際、2021年12月期のメール配信市場における同社のシェアは8.2%に拡大し、2017年12月期から1.4ポイント拡大した。SMSに関しても同社のプレゼンスが高まることが期待される。

また、同社のメッセージングプラットフォームの競争力向上のために、他社との連携も積極的に模索していく。具体的には、BI(ビジネスインテリジェンス)、DMP(データマネジメントプラットフォーム)、レコメンド、AI(人工知能)などの機能強化を目的に他社サービスとの連携を推進する。この点に関しても弊社は評価したい。すべてを内製化するのではなく、外部の力を借りることでよりスピーディーにサービスを展開できるためだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)



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