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エリアリンク Research Memo(2):コンテナ収納・トランクルームの「ハローストレージ」シリーズで成長

注目トピックス 日本株
*12:42JST エリアリンク Research Memo(2):コンテナ収納・トランクルームの「ハローストレージ」シリーズで成長
■会社概要

1. 会社概要
エリアリンク<8914>は、東証スタンダード市場に上場するストレージ業界のリーディングカンパニーで、“世の中に便利さと楽しさと感動を提供する”を企業理念としている。レンタル収納スペース(トランクルーム)を「ハローストレージ」のブランドで全国展開しており、同社の主力事業となっているほか、土地権利整備事業、オフィス事業、アセット事業なども展開している。

同社は、創業者である現 代表取締役会長(2023年3月に代表取締役社長を退任し、会長に就任)の林尚道(はやしなおみち)氏と、2023年3月に就任した現 代表取締役社長の鈴木貴佳(すずきよしか)氏の強い指導力の下、環境変化に対応した柔軟な経営戦略によって、以下の3つの強みを発揮することで、景気に左右されない堅実な成長を続けている。

第1の強みは、同社のストレージ事業は全国47都道府県で展開し、市場シェア約17%を占める業界トップ企業である点だ。ストレージ業界は、市場シェアが1%に満たない小規模会社が圧倒的多数を占めている。また、先行する米国でのストレージ利用者数は約1,350万室、世帯総数の10.6%を占めるのに対し、日本ではストレージ供給数約60万室、世帯総数の約1.1%に留まっている。近年は首都圏を中心に収納に対するニーズが高まっていることからも、ストレージ市場は大きな成長が見込まれる。同社では、安定的に収益を生み出すストレージ運用を中心に、中期的に市場シェア50%達成を目指している。

第2の強みは、同社が健全な財務体質を有している点である。2023年12月期末の自己資本比率は50.4%で、2023年3月期東証プライム・スタンダード・グロース市場における不動産業平均の33.0%を大きく上回るが、中期的には50%台の維持を目指しているようだ。また、同社は個人向けストレージ事業を行う数少ない上場会社のひとつであることも強みと言えよう。同社は、こうした優良な財務体質を武器に、有利な条件でビジネス展開をしている。

第3の強みは、同社の高い収益性だ。具体的には、従業員数は2023年12月末現在で80名(役員、臨時従業員、派遣社員を除く)と少人数経営で本部費用が少ない点が挙げられる。また、2023年12月期のROAは8.5%、ROEは11.7%と、2023年3月期東証プライム・スタンダード・グロース市場における不動産業平均の4.2%、8.7%をそれぞれ上回っている。同社では、中期経営計画の推進により、一層の収益拡大と収益性向上を目指している。

2. 沿革
同社は1995年、異業種交流ステーション「ウェルズ21」の受注事業を目的に、林会長により株式会社ウェルズ技研として千葉県船橋市に設立された。

創立の翌年(1996年)には貸地ビジネスや時間貸しコインパーキング事業の「ハローパーキング」事業を開始し、不動産事業へ進出した。その後、「ハローパーキング」に続き、収納スペースの「ハローコンテナ」や「ハロートランク」などの「ハローストレージ」や、マンスリーマンションの「ハローマンスリー」、レンタルオフィスの「ハローオフィス」等を次々とリリースし、業容を拡大した。

「ハローストレージ」を全国展開してきた同社では、2016年には人気キャラクターのハローキティとのコラボレーション物件の展開に向けてライセンス契約を締結した。

幅広い「ハローシリーズ」を展開してきた同社であったが、ニッチ市場という立ち位置で競合が少なく、非居住系でランニングコストが低いといった利点があるストレージ事業(コンテナ収納とトランクルーム)を事業の中核に据え、「シェア・質の“圧倒的No.1”」をスローガンに、事業の拡大・強化を図ってきた。一方で、事業環境の変化に伴い、売買(流動化)に依存した成長戦略を見直し、ストレージ運用を中心に安定成長を図るべく方向転換している。2022年2月には「中期経営計画22-24」を発表したものの、2年目の業績が計画を大きく上回ったことに加え、ストレージ事業を中心とする成長戦略への切り替えのため、2023年2月に「中期経営計画23-25」を発表した。

なお、証券市場には2003年8月に東証マザーズに上場し、2020年5月には東証2部への昇格を果たした。また、東証の市場区分見直しに伴い、2022年4月からはスタンダード市場へ移行している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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