エリアリンク Research Memo(4):2023年12月期は売上高・利益ともに期初予想を上回って着地(1)
[24/03/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:44JST エリアリンク Research Memo(4):2023年12月期は売上高・利益ともに期初予想を上回って着地(1)
■業績動向
1. 2023年12月期の業績概要
エリアリンク<8914>の2023年12月期の業績は、売上高22,463百万円(前期比7.6%増)、営業利益4,155百万円(同11.1%増)、経常利益4,058百万円(同8.0%増)、当期純利益2,821百万円(同2.1%減)となった。少人数経営実践のための積極的な給与増実施に伴い増加した販管費3,397百万円(同14.2%増)を吸収して増益となった。なお、販管費の支払手数料に含む販売手数料は不動産売買時に紹介者に支払う仲介手数料(変動費)で、新規出店の急増により267百万円(同89.6%増)と急増している。また、営業外収益には、同社がテナントとして入居していた物件から撤退する際に、オーナーから受け取る移転補償金87百万円(同16.7%増)が含まれる。さらに、当期純利益のみが減益となったのは、前期に計上した法人税等還付額や投資有価証券清算益などの特殊要因が剥落したためである。以上の結果、期初予想に対しては、売上高は3.0%、営業利益は2.6%、経常利益は3.3%、当期純利益は8.5%上回って着地した。
セグメント別では、主力のストレージ運用が出店数の増加にもかかわらず高稼働率を維持するなど好調に推移した結果、ストレージ事業は増収増益となり同社の好業績をけん引した。土地権利整備事業は売上は順調に推移したものの、一部評価減により減益となった。また、その他運用サービス事業は、一部物件の解約等により増収減益となった。
事業セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) ストレージ事業
売上高は17,423百万円(前期比6.5%増)、セグメント利益は4,563百万円(同11.7%増)と好調に推移した。また、同事業の構成比は売上高で77.6%(前期は78.4%)、セグメント利益で85.2%(同83.0%)を占め、利益率は26.2%(同25.0%)に上昇するなど、コア事業として同社の業績を支えている。2019年12月期より、毎月収益が安定的に積み上がるストック型のストレージ運用を収益基盤とする方針を掲げており、この成果が表れている。
ストレージ事業では、事業の中心であるストレージ運用は、売上高16,668百万円(前期比6.0%増)、売上総利益6,227百万円(同13.0%増)であった。ストレージ事業の総室数は、2023年12月期末は101,379室(前期末比2,798室増)となった。これは、新規出店室数は計画の4,700室を大きく上回る5,800室に達したが、一方で閉店等により減少した結果である。人員体制が整ったことから、中期経営計画を前倒しで出店を進めている。新規出店数の82.9%は主力のコンテナが占めており、期末累計室数の内訳は、コンテナ77,612室(構成比76.6%)、ビルイントランク15,515室(同15.3%)、ストレージミニ8,252室(同8.1%)となっている。知名度のアップに伴い、地主、不動産業者、金融機関等から新規出店の候補地の情報が入ってきている。
また、ストレージ運用の稼働率は88.29%(同1.07ポイント低下)となり、引き続き高稼働率を維持した。稼働率の低下は、既存稼働率は91.10%(同0.37ポイント上昇)と改善を続けているものの、直近2事業年度内に出店した物件の新規稼働率が57.01%(同3.80ポイント低下)に留まったためであった。ただ、自社物件の増加に伴い、新規オープン後の稼働率は改善傾向にあり、年々早期に損益分岐点を超えるようになっている。稼働率向上の要因としては、データベースの精度向上、小規模物件の多店舗展開、リモートワーク定着による自宅整理需要、住宅価格上昇に伴う住宅面積の狭小化、PR活動への注力による商品・サービスの認知度向上などが挙げられる。
一方、ストレージ流動化は、売上高755百万円(前期比17.7%増)、売上総利益61百万円(同13.0%増)であった。通期で7物件を販売したことにより、増収増益となった。ただ、ストレージ事業に占める割合は小さく、同事業全体への影響は軽微であった。
(2) 土地権利整備事業
売上高は3,623百万円(前期比16.5%増)、セグメント利益は446百万円(同3.9%減)となった。また、同事業の構成比は売上高で16.1%(前期は14.9%)、セグメント利益で8.3%(同9.4%)となり、利益率は12.3%(同14.9%)であった。引き続き良質物件の仕入に注力し、在庫額は3,809百万円(同146百万円減)となった。売上は順調に推移したが、監査の結果、一部物件の評価減により減益となった。
(3) その他運用サービス事業
売上高は1,416百万円(前期比1.2%増)、セグメント利益は345百万円(同7.6%減)となった。また、同事業の構成比は売上高で6.3%(前期は6.7%)、セグメント利益で6.5%(同7.6%)となり、利益率は24.4%(同26.7%)であった。アセット事業は、借上げ物件の解約があったものの引き続き高稼働を維持したが、修繕費等の計上により減収減益となった。オフィス事業は、2022年に3件、及び2023年2月に2件新規オープンし、売上に寄与したものの、新規出店物件の出店費用や物件閉鎖の影響もあり、増収減益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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■業績動向
1. 2023年12月期の業績概要
エリアリンク<8914>の2023年12月期の業績は、売上高22,463百万円(前期比7.6%増)、営業利益4,155百万円(同11.1%増)、経常利益4,058百万円(同8.0%増)、当期純利益2,821百万円(同2.1%減)となった。少人数経営実践のための積極的な給与増実施に伴い増加した販管費3,397百万円(同14.2%増)を吸収して増益となった。なお、販管費の支払手数料に含む販売手数料は不動産売買時に紹介者に支払う仲介手数料(変動費)で、新規出店の急増により267百万円(同89.6%増)と急増している。また、営業外収益には、同社がテナントとして入居していた物件から撤退する際に、オーナーから受け取る移転補償金87百万円(同16.7%増)が含まれる。さらに、当期純利益のみが減益となったのは、前期に計上した法人税等還付額や投資有価証券清算益などの特殊要因が剥落したためである。以上の結果、期初予想に対しては、売上高は3.0%、営業利益は2.6%、経常利益は3.3%、当期純利益は8.5%上回って着地した。
セグメント別では、主力のストレージ運用が出店数の増加にもかかわらず高稼働率を維持するなど好調に推移した結果、ストレージ事業は増収増益となり同社の好業績をけん引した。土地権利整備事業は売上は順調に推移したものの、一部評価減により減益となった。また、その他運用サービス事業は、一部物件の解約等により増収減益となった。
事業セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) ストレージ事業
売上高は17,423百万円(前期比6.5%増)、セグメント利益は4,563百万円(同11.7%増)と好調に推移した。また、同事業の構成比は売上高で77.6%(前期は78.4%)、セグメント利益で85.2%(同83.0%)を占め、利益率は26.2%(同25.0%)に上昇するなど、コア事業として同社の業績を支えている。2019年12月期より、毎月収益が安定的に積み上がるストック型のストレージ運用を収益基盤とする方針を掲げており、この成果が表れている。
ストレージ事業では、事業の中心であるストレージ運用は、売上高16,668百万円(前期比6.0%増)、売上総利益6,227百万円(同13.0%増)であった。ストレージ事業の総室数は、2023年12月期末は101,379室(前期末比2,798室増)となった。これは、新規出店室数は計画の4,700室を大きく上回る5,800室に達したが、一方で閉店等により減少した結果である。人員体制が整ったことから、中期経営計画を前倒しで出店を進めている。新規出店数の82.9%は主力のコンテナが占めており、期末累計室数の内訳は、コンテナ77,612室(構成比76.6%)、ビルイントランク15,515室(同15.3%)、ストレージミニ8,252室(同8.1%)となっている。知名度のアップに伴い、地主、不動産業者、金融機関等から新規出店の候補地の情報が入ってきている。
また、ストレージ運用の稼働率は88.29%(同1.07ポイント低下)となり、引き続き高稼働率を維持した。稼働率の低下は、既存稼働率は91.10%(同0.37ポイント上昇)と改善を続けているものの、直近2事業年度内に出店した物件の新規稼働率が57.01%(同3.80ポイント低下)に留まったためであった。ただ、自社物件の増加に伴い、新規オープン後の稼働率は改善傾向にあり、年々早期に損益分岐点を超えるようになっている。稼働率向上の要因としては、データベースの精度向上、小規模物件の多店舗展開、リモートワーク定着による自宅整理需要、住宅価格上昇に伴う住宅面積の狭小化、PR活動への注力による商品・サービスの認知度向上などが挙げられる。
一方、ストレージ流動化は、売上高755百万円(前期比17.7%増)、売上総利益61百万円(同13.0%増)であった。通期で7物件を販売したことにより、増収増益となった。ただ、ストレージ事業に占める割合は小さく、同事業全体への影響は軽微であった。
(2) 土地権利整備事業
売上高は3,623百万円(前期比16.5%増)、セグメント利益は446百万円(同3.9%減)となった。また、同事業の構成比は売上高で16.1%(前期は14.9%)、セグメント利益で8.3%(同9.4%)となり、利益率は12.3%(同14.9%)であった。引き続き良質物件の仕入に注力し、在庫額は3,809百万円(同146百万円減)となった。売上は順調に推移したが、監査の結果、一部物件の評価減により減益となった。
(3) その他運用サービス事業
売上高は1,416百万円(前期比1.2%増)、セグメント利益は345百万円(同7.6%減)となった。また、同事業の構成比は売上高で6.3%(前期は6.7%)、セグメント利益で6.5%(同7.6%)となり、利益率は24.4%(同26.7%)であった。アセット事業は、借上げ物件の解約があったものの引き続き高稼働を維持したが、修繕費等の計上により減収減益となった。オフィス事業は、2022年に3件、及び2023年2月に2件新規オープンし、売上に寄与したものの、新規出店物件の出店費用や物件閉鎖の影響もあり、増収減益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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