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スカラ Research Memo(3):DX、人材・教育、EC、金融関連、インキュベーションの5つの事業を展開(1)

注目トピックス 日本株
*12:53JST スカラ Research Memo(3):DX、人材・教育、EC、金融関連、インキュベーションの5つの事業を展開(1)
■会社概要

2. 事業内容
スカラ<4845>は事業セグメントをDX事業、人材・教育事業、EC事業、金融関連事業、インキュベーション事業の5つに区分し、開示している。2024年6月期第1四半期より従来のIT/AI/IoT/DX事業及びカスタマーサポート事業を統合してDX事業としたほか、保険事業を金融関連事業に、投資・インキュベーション事業をインキュベーション事業にそれぞれ改称した。

2023年12月末時点における各事業セグメントを担うグループ会社を見ると、DX事業はSaaS/ASPサービスを主に展開する(株)スカラコミュニケーションズを中心に6社で構成されている。このうち、2022年に子会社化したエッグは、ふるさと納税システム※を初めて開発したパイオニアで、多くの自治体とのネットワークが強みとなっている(地方自治体の1/3にあたる680以上の自治体にふるさと納税システムの導入実績を持つ)。また、2018年に子会社化した(株)レオコネクトがカスタマーサポート(コールセンター運営など)のコンサルティング事業を展開している。

※寄附者情報や返礼品の管理、各種関連書類の作成などを、自治体職員が正確、簡単に行うことができるシステム。


人材・教育事業は2020年に子会社化した(株)アスリートプランニング、(株)スポーツストーリーズ、(株)フォーハンズの3社※及び2022年にスポーツストーリーズが子会社化した(株)ブロンコス20の合計4社で構成されている。そのほかEC事業は2017年に子会社化した(株)スカラプレイス、金融関連事業は2022年に子会社化した日本ペット少額短期保険がそれぞれ展開しており、インキュベーション事業についてはスカラパートナーズ、(株)ソーシャル・エックス、(同)SCLキャピタル、SCSV1号投資事業有限責任組合のほか、持株会社である同社本体が含まれる。

※これら3社は同社が2020年に子会社化したグリットグループホールディングス傘下にあったが、現在は同社の子会社となっており、グリッドグループホールディングスは2022年6月末に清算している。


2024年6月期第2四半期累計の事業セグメント別売上構成比は、DX事業が51.8%と過半を占め、EC事業が20.0%、人材・教育事業が15.4%、金融関連事業が10.7%、インキュベーション事業が2.2%と続いている。

(1) DX事業
DX事業では、Webや電話による問い合わせ、情報検索、申し込みなどのSaaS/ASPサービス(「i-シリーズ」)をはじめとした各種ITサービスの開発・提供、並びに各種ITシステムの受託開発、カスタマーサポート事業などで構成されている。SaaS/ASPサービスはストック型ビジネスとして安定収益基盤の役割を果たしている。

ここ数年は、DXをテーマとした新規事業や新規サービスの創出、既存事業の再定義などを加速するために、各業界、関連技術に精通したパートナーとの協業を積極的に進めている。一例を挙げると、提携先のxID(株)との協業によるデジタルIDを活用した公共施設予約システム、製薬会社、損害保険会社と共創する次世代デジタルヘルスケアサービスなどを開発し、サービス化に向けた取り組みを推進している。

今後は社会課題の解決につながる共創型の開発プロジェクトを多く手掛け、それを横展開していくことで成長を加速していく戦略を掲げている。SaaS/ASPサービスについても、これら共創案件の開発プロジェクトの1メニューとして提供するケースが増えていくものと予想される。SaaS/ASPサービスは月額10万円前後のサービス料金となるが、共創型プロジェクトになると月額200万円を超える大型のストック型ビジネスとなる。受注からサービス提供開始までのリードタイムが長くなるため収益化までには時間を要するものの、営業効率は向上するため共創型プロジェクトが増えてくれば、収益性の向上につながるものと予想される。

また、レオコネクトで展開するカスタマーサポート事業は、顧客企業のサービスや商品に対する問い合わせ受付から対応後のフォローアップまでを行うインバウンドコールセンターの運営に関するコンサルティング業務を行っており、光通信<9435>グループやその代理店などが主な顧客となっている。ここ数年、収益低迷が続いており今後も回復に時間を要しそうなことから、事業整理の対象となる可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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