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ドリーム・アーツ Research Memo(1):ノーコード開発ツール「SmartDB」で成長を加速

注目トピックス 日本株
*13:31JST ドリーム・アーツ Research Memo(1):ノーコード開発ツール「SmartDB」で成長を加速
■要約

ドリーム・アーツ<4811>は、「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」をミッションに掲げ、大企業向けノーコード※1開発ツール「SmartDB(R)(スマートデービー)」(以下、「SmartDB」)をはじめとしたSaaS※2プロダクトを提供するクラウドサービスベンダーである。「デジタルの民主化」をコンセプトに掲げ、ITの専門知識を持たない現場部門のビジネス系人材を巻き込んだクラウド時代の業務デジタル化を推進する。なお、東京と広島の2本社体制を敷いている。

※1 ノーコード開発:アプリケーション開発に必須であったプログラミング言語によるソースコードをパーツとしてビジュアル化し、欲しいパーツを直感的に配置することで開発できるツールを利用した開発のこと。
※2 SaaS:Software as a Serviceの略。クラウド上に構築されたソフトウェア・アプリケーションをインターネット経由で利用するサービス。従来のようなパッケージ・ソフトウェアを購入し、ハードウェアにインストールするなどの必要はなく、インターネットでアクセスするだけで利用できる仕組み。


1. 2023年12月期の業績概要
2023年12月期の連結業績は、売上高4,440百万円(前期比21.0%増)、営業利益577百万円(同207.9%増)、経常利益563百万円(同210.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益424百万円(同233.8%)と増収・大幅な増益となった。主力のホリゾンタルSaaS※1(提供ツール「SmartDB」「InsuiteX(R)(インスイートエックス)」(以下、「InsuiteX」))は、導入企業数の増加により売上高が同46.5%増となり成長をけん引した。オンラインイベントやセミナーの開催で認知度が向上したことや、既存顧客へのアップセルが好調に推移したことが功を奏した。特に、「SmartDB」の拡張性、基幹システムや他社SaaSとの連携性が高く評価されているようだ。バーティカルSaaS※2(提供ツール「Shopらん(R)」(以下、「Shopらん」))の売上高も、同15.8%増と順調に推移した。オンプレミス※3事業も含めたストック売上高比率は82.8%(同3.9ポイント上昇)、そのうちクラウド事業は70.4%(同7.2ポイント上昇)となり、安定した収益基盤が整ったと言える。損益面においては、変動費であるインフラコストが増加したが、売上総利益は55.3%(同3.2ポイント上昇)となった。販管費は人件費などが増加したが適切なコントロールを継続した結果、各利益は大幅な増益となった。

※1 ホリゾンタルSaaS(Horizontal SaaS):業界を問わず特定の部門や機能に特化したSaaS。企業組織に共通する業務課題を解決するために利用される。
※2 バーティカルSaaS(Vertical SaaS):特定の業界に特化したSaaS。業界特有の業務課題を解決するために利用される。
※3 オンプレミス(on-premises):プレミス(premise)は「構内」「店内」などを意味する。サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設内に設置して運用すること。


2. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高4,800百万円(前期比8.1%増)、営業利益580百万円(同0.4%増)、経常利益578百万円(同2.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益400百万円(同5.6%減)と、増収・各利益は前期並みを見込む。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に賃上げ税制に伴う税額控除27百万円を計上したが、2024年12月期は同控除を見込んでいない。クラウド事業については、「SmartDB」の積極的なプロモーション活動を継続することで、同8.1%増収を計画している。一方、オンプレミス事業は、メンテナンスの解約が進むことから同17.4%減収としている。売上総利益率は前期と変わらず55.3%を見込む。販管費は従業員のベースアップによる人件費の増加、広告販促費の増加などにより同10.5%増としている。売上・利益ともに2023年12月期の成長率と比べるとやや保守的な計画に見えるが、ビジネスモデル転換に伴う一時的な売上成長の鈍化が想定されるため、十分意欲的な目標水準であると弊社では判断している。なお、新しい試みとして「ドリーム・アーツ 認定パートナープログラム」を2024年2月から開始しており、コンサルティング企業やシステムインテグレーターなどの戦略パートナーによる「SmartDB」の利活用がさらに加速することを期待したい。

3. 中長期の成長戦略
今後の成長戦略として、主力製品「SmartDB」の拡販を成長ドライバーとして顧客基盤を拡充し、アップセル、クロスセルによるオーガニックな成長、そして戦略パートナーを拡大し、「SmartDB」を扱える人材の創出を通じて成長を図る方針だ。アップセル及びクロスセルについては、製品のオプションは継続的に開発、追加されていることもあり、それらを背景として順調に進んでいくと見られる。戦略パートナーの拡大については、2024年2月からスタートさせた「SmartDB認定パートナープログラム」を中核として、人材創出、開発基盤としての利用促進、業種特化ソリューション開発の3層に分けて展開する方針である。

■Key Points
・大企業向けノーコード開発ツール「SmartDB」などの顧客基盤が拡大
・2023年12月期の売上高は前期比21.0%増、営業利益は同207.9%増に成長
・2024年12月期はクラウド事業へのビジネスモデル転換の仕上げの年

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)



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