いい生活 Research Memo(7):2024年3月期は売上原価が上昇するも、引き続き増収増益の見込み
[24/04/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*14:07JST いい生活 Research Memo(7):2024年3月期は売上原価が上昇するも、引き続き増収増益の見込み
■今後の業績見通し
1. 2024年3月期の業績見通し
いい生活<3796>の2024年3月期の期初予想は、売上高で前期比9.4%増の2,950百万円、営業利益で同28.1%増の300百万円、経常利益は同30.4%増の308百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同29.3%増の204百万円としていたものの、2024年4月の修正予想により、売上高は前期比4.2%増の2,810百万円、営業利益は同23.9%減の178百万円、経常利益は同10.4%減の211百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同6.2%減の148百万円に下方修正した。
売上原価や販管費などの経費は計画通りに進むも、売上高が計画よりも少なかったため、利益面も予想より低くなる見込みである。加えて、ソリューションの売り上げに影響するプロジェクトにおいて、顧客やプロジェクトの規模が大きく要求が複雑化しており、長期化している。進行中のいくつかのプロジェクトは一部分の納品や売上計上が進むも予定より遅れているため、2025年3月期以降にずれ込むプロジェクトが出てきた。その結果、ソリューションの売上も計画を下回る見込みである。
2. 2024年3月期の基本方針・成長戦略
2024年3月期の業績の拡大を目指し、同社は既存顧客のARPUの増加と新規顧客の開拓に注力すべく、基本方針・成長戦略について前期から掲げている5つの取り組みを推進していく。顧客に対し、SaaSのみの一元管理システムを導入し、SaaSへのシフト変換の支援を行い、「いい生活Square」へのユーザー登録にて見込み客となる不動産会社を囲い込み、個別ツールを複数導入したSaaS群により、顧客の業務の最適化につなげる。さらに大手企業への導入支援も推進し、連携サービスの拡大を目指す。
(1) 唯一のポジショニングを生かしてSaaSシフトを支援
同社は不動産賃貸管理・賃貸募集業務を、関連業務を含めて一元管理できるシステムをSaaS完結で提供できる独自のポジショニングを強みとしており、従来のオンプレミス型の個別システムを利用している不動産会社に対し、SaaSのメリットを訴求することでSaaSへの転換を進めていく体制を整え、オンプレミス型不動産関連システムの顧客層への浸透・提供拡大を進める。
(2) 「いい生活Square」での無料ユーザーの獲得
賃貸管理システム及び内見予約・入居申込サービスとリアルタイムで連携する賃貸業者間流通サイトであり、全国の不動産管理会社・賃貸仲介会社が、基本無料で物件情報の掲載や検索ができる(現在1万社超がアカウント登録済み)。空室募集から内見・申込・賃貸管理までの一連の業務をスムーズにつなげることで不動産会社のリーシング業務を支援している。入り口として利用しやすいサービスのため、このサービスをフックにして新規顧客の獲得を目指す。
(3) 全体最適のSaaS群の提案
あらゆる不動産業務に対応したサービスラインナップを揃え、各顧客の業務に合った機能をタイムリーに提供することができる強みを生かし、今までシステムを使いながらもデータの都度連携に労力を割かれていた顧客層に対して、個別の顧客ニーズに沿ったソリューションを提供していく。
(4) 大手企業への導入推進
規模感のある不動産事業者向けにマーケティング活動を展開しており、システムをオンプレミス(情報システムを自社の施設内に機器を設置して運用)で使用してきた顧客に対して、SaaSの導入を推進する体制が整備されている。また、法改正の流れに沿ってITの需要が高まってきていることもあり、同社のクラウド・SaaSの優位性を生かした大手の不動産会社への展開も進めている。
(5) 連携サービスの拡大
不動産業界の課題はデジタル社会への対応だ。2022年5月には宅地建物取引業法が改正され、重要事項説明書や賃貸借契約書などのハンコ廃止や電子化が認められるなど、法改正が進むなかで、電子化を推進する動きは社会的な潮流となっている。この課題に対して同社はGMOサイン、クラウドサインを代理販売することで、業務拡大のスピードを速めながら、汎用性のあるサービスを取り込んでいく計画である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
<HH>
■今後の業績見通し
1. 2024年3月期の業績見通し
いい生活<3796>の2024年3月期の期初予想は、売上高で前期比9.4%増の2,950百万円、営業利益で同28.1%増の300百万円、経常利益は同30.4%増の308百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同29.3%増の204百万円としていたものの、2024年4月の修正予想により、売上高は前期比4.2%増の2,810百万円、営業利益は同23.9%減の178百万円、経常利益は同10.4%減の211百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同6.2%減の148百万円に下方修正した。
売上原価や販管費などの経費は計画通りに進むも、売上高が計画よりも少なかったため、利益面も予想より低くなる見込みである。加えて、ソリューションの売り上げに影響するプロジェクトにおいて、顧客やプロジェクトの規模が大きく要求が複雑化しており、長期化している。進行中のいくつかのプロジェクトは一部分の納品や売上計上が進むも予定より遅れているため、2025年3月期以降にずれ込むプロジェクトが出てきた。その結果、ソリューションの売上も計画を下回る見込みである。
2. 2024年3月期の基本方針・成長戦略
2024年3月期の業績の拡大を目指し、同社は既存顧客のARPUの増加と新規顧客の開拓に注力すべく、基本方針・成長戦略について前期から掲げている5つの取り組みを推進していく。顧客に対し、SaaSのみの一元管理システムを導入し、SaaSへのシフト変換の支援を行い、「いい生活Square」へのユーザー登録にて見込み客となる不動産会社を囲い込み、個別ツールを複数導入したSaaS群により、顧客の業務の最適化につなげる。さらに大手企業への導入支援も推進し、連携サービスの拡大を目指す。
(1) 唯一のポジショニングを生かしてSaaSシフトを支援
同社は不動産賃貸管理・賃貸募集業務を、関連業務を含めて一元管理できるシステムをSaaS完結で提供できる独自のポジショニングを強みとしており、従来のオンプレミス型の個別システムを利用している不動産会社に対し、SaaSのメリットを訴求することでSaaSへの転換を進めていく体制を整え、オンプレミス型不動産関連システムの顧客層への浸透・提供拡大を進める。
(2) 「いい生活Square」での無料ユーザーの獲得
賃貸管理システム及び内見予約・入居申込サービスとリアルタイムで連携する賃貸業者間流通サイトであり、全国の不動産管理会社・賃貸仲介会社が、基本無料で物件情報の掲載や検索ができる(現在1万社超がアカウント登録済み)。空室募集から内見・申込・賃貸管理までの一連の業務をスムーズにつなげることで不動産会社のリーシング業務を支援している。入り口として利用しやすいサービスのため、このサービスをフックにして新規顧客の獲得を目指す。
(3) 全体最適のSaaS群の提案
あらゆる不動産業務に対応したサービスラインナップを揃え、各顧客の業務に合った機能をタイムリーに提供することができる強みを生かし、今までシステムを使いながらもデータの都度連携に労力を割かれていた顧客層に対して、個別の顧客ニーズに沿ったソリューションを提供していく。
(4) 大手企業への導入推進
規模感のある不動産事業者向けにマーケティング活動を展開しており、システムをオンプレミス(情報システムを自社の施設内に機器を設置して運用)で使用してきた顧客に対して、SaaSの導入を推進する体制が整備されている。また、法改正の流れに沿ってITの需要が高まってきていることもあり、同社のクラウド・SaaSの優位性を生かした大手の不動産会社への展開も進めている。
(5) 連携サービスの拡大
不動産業界の課題はデジタル社会への対応だ。2022年5月には宅地建物取引業法が改正され、重要事項説明書や賃貸借契約書などのハンコ廃止や電子化が認められるなど、法改正が進むなかで、電子化を推進する動きは社会的な潮流となっている。この課題に対して同社はGMOサイン、クラウドサインを代理販売することで、業務拡大のスピードを速めながら、汎用性のあるサービスを取り込んでいく計画である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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