レンティア Research Memo(5):売上高は前期比18.2%増で初の300億円超。営業利益は微増だが想定内
[24/04/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:25JST レンティア Research Memo(5):売上高は前期比18.2%増で初の300億円超。営業利益は微増だが想定内
■業績動向
1. 2023年12月期の業績概要
コーユーレンティア<7081>の2023年12月期の連結業績は、売上高30,960百万円(前期比18.2%増)、営業利益2,443百万円(同0.5%増)、経常利益2,478百万円(同2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,604百万円(同28.4%増)、EBITDA4,271百万円(同7.3%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益の伸び率が高いのは、特別利益に投資有価証券売却益を計上(前期は特別損失に投資有価証券評価損を計上)したことが主な要因だ。
売上高は、既存事業が各分野とも堅調に推移したことに加えて、2022年4月に子会社化したジービーエス等3社(現イノテックスビジネスソリューションズ)の売上高が通期(前期は9ヶ月)寄与したことなどから初めて300億円の大台を超えた。一方で、売上総利益率は40.5%(前期43.9%)と前期比で低下したが、レンタル資産増に伴う償却原価の増加、棚卸資産の評価損の計上、比較的利益率が高いBPO(Business Process Outsourcing)案件の減少、利益率が低い物販の売上比率の上昇などによる。ただし、増収により売上総利益は前期比9.0%増となった。販管費は、主にICTを中心に将来の拡大を見込んで人員を積極的に増やしたことなどから、前期比11.3%増となった。その結果、営業利益は前期比0.5%増に留まった。
営業利益の増減要因を分析すると、ICT事業を除いた増収による増益が1,795百万円、ICT事業の増収による増益が394百万円、ICT事業以外の備品償却増による減益が178百万円、ICT事業の備品償却増による減益が90百万円、ICT事業ののれん償却による減益が20百万円、ジービーエス等3社の販管費増(3ヶ月分)による減益が639百万円、売上総利益率の低下による減益が793百万円、人件費の増加による減益が391百万円、棚卸資産の評価損による減益が65百万円であった。
人件費の増加は、既存事業の営業力強化や新規事業の展開に伴う人材採用に加えて、ジービーエス等3社の連結化を含めたICT事業強化とそれに伴う人件費の増加による。同社では以前から「ICT事業においては、まずは売上高の増加を優先する方針なので、これらの費用増は、将来の事業拡大に向けた投資と捉えており、全く問題はなく想定内である」と述べている。
2. セグメント別状況
(1) レンタル関連事業
売上高は前期比10.9%増の18,361百万円、営業利益は同2.4%減の1,777百万円、営業利益率は9.7%(前期11.0%)となった。大型案件の受注が順調に進んだことから売上高は大幅増となったが、投資増に伴う償却増や利益率の高いBPO案件の減少により営業利益は減少した。ただし、減益は当初から予想されていたことであり、結果は予想を上回る着地となった。
建設向けの売上高は9,619百万円(前期比13.9%増)となった。大型開発案件や設備投資関連が稼働したことなどから増収となり、全体をけん引した。イベント向けの売上高は3,596百万円(同29.0%増)と堅調に推移した。G7サミット等の大型案件を獲得したことに加え、レギュラー案件も復調してきたことから売上高は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)前の水準に回復した。オフィス向けの売上高は3,564百万円(同12.6%減)と減収となったが、主にコロナ禍の収束でBPO案件が減少したことによる。
2023年12月末時点の稼働率は81.1%となり、ほぼ適正レンジ(75%〜80%)内に収まっている。
(2) ICT事業
売上高は前期比29.0%増の3,912百万円、営業利益は同13.1%減の413百万円、営業利益率は10.6%(前期は15.7%)となった。M&Aや企業再編により獲得した顧客基盤を拡大したことから売上高は計画どおり大幅増となったが、利益面では先行投資に伴う償却増や人件費を含む販売経費増などから利益率が低下し、営業減益となった。ただし、期初から売上拡大を優先する方針であったことから、この減益は想定の範囲内であった。
サブセグメント別売上比率は、ICTレンタル44%(前期43%)、ドキュメントサービス32%(同33%)、販売15%(同16%)、施工9%(同8%)であった。
(3) スペースデザイン
売上高は前期比14.9%増の4,983百万円、営業利益は同27.3%増の179百万円、営業利益率3.6%(前期は3.2%)となった。マンション市場は縮小傾向にあるものの、高単価、高付加価値商品の拡充により売上高・利益が拡大した。また新規事業のオフィスリノベーションも堅調に推移した。
サブセグメント別売上比率は、設計・施工40%(前期39%)、ファーニチャーレンタル24%(同24%)、オプション販売29%(同31%)、リノベーション7%(同6%)であった。
(4) 物販
売上高は前期比64.3%増の3,702百万円、営業利益72百万円(前期は9百万円の損失)、営業利益率1.9%となった。新紙幣に対応した金銭機器の更改需要に加え、官公庁市場の再編・移転に伴うFF&Eの受注が堅調に推移して売上・利益拡大に寄与した。 民間企業向けのオフィス移転サービスも好調に推移し、事業全体で黒字に転換した。
サブセグメント別売上比率は、郵政48%(前期39%)、官公庁35%(同37%)、民間17%(同24%)であった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<SO>
■業績動向
1. 2023年12月期の業績概要
コーユーレンティア<7081>の2023年12月期の連結業績は、売上高30,960百万円(前期比18.2%増)、営業利益2,443百万円(同0.5%増)、経常利益2,478百万円(同2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,604百万円(同28.4%増)、EBITDA4,271百万円(同7.3%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益の伸び率が高いのは、特別利益に投資有価証券売却益を計上(前期は特別損失に投資有価証券評価損を計上)したことが主な要因だ。
売上高は、既存事業が各分野とも堅調に推移したことに加えて、2022年4月に子会社化したジービーエス等3社(現イノテックスビジネスソリューションズ)の売上高が通期(前期は9ヶ月)寄与したことなどから初めて300億円の大台を超えた。一方で、売上総利益率は40.5%(前期43.9%)と前期比で低下したが、レンタル資産増に伴う償却原価の増加、棚卸資産の評価損の計上、比較的利益率が高いBPO(Business Process Outsourcing)案件の減少、利益率が低い物販の売上比率の上昇などによる。ただし、増収により売上総利益は前期比9.0%増となった。販管費は、主にICTを中心に将来の拡大を見込んで人員を積極的に増やしたことなどから、前期比11.3%増となった。その結果、営業利益は前期比0.5%増に留まった。
営業利益の増減要因を分析すると、ICT事業を除いた増収による増益が1,795百万円、ICT事業の増収による増益が394百万円、ICT事業以外の備品償却増による減益が178百万円、ICT事業の備品償却増による減益が90百万円、ICT事業ののれん償却による減益が20百万円、ジービーエス等3社の販管費増(3ヶ月分)による減益が639百万円、売上総利益率の低下による減益が793百万円、人件費の増加による減益が391百万円、棚卸資産の評価損による減益が65百万円であった。
人件費の増加は、既存事業の営業力強化や新規事業の展開に伴う人材採用に加えて、ジービーエス等3社の連結化を含めたICT事業強化とそれに伴う人件費の増加による。同社では以前から「ICT事業においては、まずは売上高の増加を優先する方針なので、これらの費用増は、将来の事業拡大に向けた投資と捉えており、全く問題はなく想定内である」と述べている。
2. セグメント別状況
(1) レンタル関連事業
売上高は前期比10.9%増の18,361百万円、営業利益は同2.4%減の1,777百万円、営業利益率は9.7%(前期11.0%)となった。大型案件の受注が順調に進んだことから売上高は大幅増となったが、投資増に伴う償却増や利益率の高いBPO案件の減少により営業利益は減少した。ただし、減益は当初から予想されていたことであり、結果は予想を上回る着地となった。
建設向けの売上高は9,619百万円(前期比13.9%増)となった。大型開発案件や設備投資関連が稼働したことなどから増収となり、全体をけん引した。イベント向けの売上高は3,596百万円(同29.0%増)と堅調に推移した。G7サミット等の大型案件を獲得したことに加え、レギュラー案件も復調してきたことから売上高は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)前の水準に回復した。オフィス向けの売上高は3,564百万円(同12.6%減)と減収となったが、主にコロナ禍の収束でBPO案件が減少したことによる。
2023年12月末時点の稼働率は81.1%となり、ほぼ適正レンジ(75%〜80%)内に収まっている。
(2) ICT事業
売上高は前期比29.0%増の3,912百万円、営業利益は同13.1%減の413百万円、営業利益率は10.6%(前期は15.7%)となった。M&Aや企業再編により獲得した顧客基盤を拡大したことから売上高は計画どおり大幅増となったが、利益面では先行投資に伴う償却増や人件費を含む販売経費増などから利益率が低下し、営業減益となった。ただし、期初から売上拡大を優先する方針であったことから、この減益は想定の範囲内であった。
サブセグメント別売上比率は、ICTレンタル44%(前期43%)、ドキュメントサービス32%(同33%)、販売15%(同16%)、施工9%(同8%)であった。
(3) スペースデザイン
売上高は前期比14.9%増の4,983百万円、営業利益は同27.3%増の179百万円、営業利益率3.6%(前期は3.2%)となった。マンション市場は縮小傾向にあるものの、高単価、高付加価値商品の拡充により売上高・利益が拡大した。また新規事業のオフィスリノベーションも堅調に推移した。
サブセグメント別売上比率は、設計・施工40%(前期39%)、ファーニチャーレンタル24%(同24%)、オプション販売29%(同31%)、リノベーション7%(同6%)であった。
(4) 物販
売上高は前期比64.3%増の3,702百万円、営業利益72百万円(前期は9百万円の損失)、営業利益率1.9%となった。新紙幣に対応した金銭機器の更改需要に加え、官公庁市場の再編・移転に伴うFF&Eの受注が堅調に推移して売上・利益拡大に寄与した。 民間企業向けのオフィス移転サービスも好調に推移し、事業全体で黒字に転換した。
サブセグメント別売上比率は、郵政48%(前期39%)、官公庁35%(同37%)、民間17%(同24%)であった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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