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No.1 Research Memo(1):2024年2月期は先行費用をこなしながらも、増収・営業増益で着地

注目トピックス 日本株
*15:21JST No.1 Research Memo(1):2024年2月期は先行費用をこなしながらも、増収・営業増益で着地
■要約

1. 会社概要
No.1<3562>は、「日本の会社を元気にする一番の力へ。」を経営理念に掲げ、全国の中小・零細企業を主な対象として、情報セキュリティ機器の企画開発・製造・販売及び保守事業や、OA関連商品の販売及び保守・メンテナンス事業などを手掛けている。創業来、複合機やビジネスフォン、PCなどOA機器販売や保守・メンテナンス事業を軸として日本各地に営業拠点を開設し、業容を拡大してきた。フローとストックの両軸型のビジネスモデルであるが、最近では顧客接点を生かしたストック型ビジネスの比重を高めるため、月額課金によるコンサルティングサービスの強化に注力している。また、2020年7月にグループインした情報セキュリティ機器の企画開発・製造を手掛ける(株)アレクソンとのシナジー創出により、マーケットイン型の商品提供にも強みを有する。

2024年4月12日に長期ビジョン及び新中期経営計画「Evolution 2027」を公表した。100年企業にふさわしい企業体の形成を目指し、確固たる経営基盤の確立に取り組む。すでに販路開拓のための資本業務提携や新しい事業領域への進出を目的とするM&Aを相次いで実現しており、事業拡大及び構造改革に向けた動きがいよいよ活発化してきた。

2. 2024年2月期の業績
2024年2月期の連結業績は、売上高が前期比1.1%増の13,452百万円、営業利益が同6.7%増の1,227百万円と増収・営業増益となった。売上高はわずかな伸びにとどまったが、その点は想定内である。DX進展に伴う情報セキュリティ機器の販売や「No.1ビジネスサポート」の積み上げが増収に寄与した。KPI(単体ベース)についても、アクティブユーザー数及び1社当たりの平均単価がそれぞれ順調に伸び、複合販売比率※1、長期契約比率※2も高水準を維持した。利益面では、高付加価値商材の伸びやストック収益の積み上げにより売上総利益率が改善し、販管費については、事業拡大に向けた先行費用(人件費や活動費、システム導入など)が増加したものの、売上総利益の伸びで吸収し営業増益を実現した。

※1 2種以上の複合契約が発生している企業の割合。
※2 アクティブユーザーのうち、初回契約日が6年以上前の企業の割合。


3. 新中期経営計画の公表
同社は、2030年のありたい姿「Vision 2030」及び新中期経営計画「Evolution 2027」(2025年2月期〜2027年2月期)を公表した。新中期経営計画では「さらなる進化に向けて」をテーマに、持続的成長・企業価値向上に向け、1) 経営基盤、事業基盤の再強化、構造改革、2) 事業領域拡大に向けた積極投資、3) 収益構造の安定化、4) サステナビリティ経営・人的資本経営の推進に取り組む考えだ。2027年2月期の業績目標として、最終年度の売上高168億円、営業利益18.3億円(営業利益率10.9%)を目指すとともに、長期ビジョンで掲げる5年後の売上高240億円、営業利益34億円(営業利益率14.2%)、時価総額300億円の実現に向けた基盤づくりを進めていく考えだ。

4. 2025年2月期の業績予想
新中期経営計画初年度となる2025年2月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比4.8%増の14,100百万円、営業利益を同24.3%減の930百万円と増収減益を見込んでいる。引き続き好調な情報セキュリティ機器の販売や「No.1ビジネスサポート」の積み上げに取り組むとともに、業務提携先との連携(販路開拓等)によるWeb制作やクラウドサービス「デジテラス」の伸びも増収に寄与する。一方、利益面で一旦減益となるのは、人財・システム・新規事業・M&Aへの積極投資が理由であり、この1年間を成長加速に向けた助走期間として位置付け、企業価値向上に向けた基盤づくりに取り組む考えだ。また、年間配当については、新たな株主還元方針(下限配当の設定)に基づき、前期比2円増配となる1株当たり35円を予想している(35周年記念配当1円を含む)。

■Key Points
・2024年2月期は増収・営業増益となり、中期経営計画の最終年度目標をおおむね達成
・情報セキュリティ機器の販売や「No.1ビジネスサポート」の積み上げが業績の伸びをけん引
・長期ビジョン及び新中期経営計画を公表。100年企業を見据えて事業基盤の再強化や構造改革に取り組む
・2025年2月期は積極投資の影響により増収減益を見込むも、2円増配予想(記念配当1円を含む)

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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