EG Research Memo(1):2024年9月期第2四半期は、サイバーセキュリティ分野が伸長するも減収減益
[24/06/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:31JST EG Research Memo(1):2024年9月期第2四半期は、サイバーセキュリティ分野が伸長するも減収減益
■要約
イー・ガーディアン<6050>は、eコマース(EC)やSNS、ソーシャルゲームの運営者向けに、監視や顧客サポートなどを中心に、サイバーセキュリティからデバッグ、運用までをワンストップで提供する総合ネットセキュリティ企業である。2010年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズに上場してからは、人材派遣業、デバッグ事業、ネットセキュリティコンサルティング事業、クラウド型サイバーセキュリティ事業などをM&Aで獲得し、“総合ネットセキュリティ企業”としての基盤を確立した。海外展開においてはE-Guardian Philippines Inc.(2017年設立)が拡大中であり、2021年にはE-Guardian Vietnam Co.,Ltd.を設立。近年ではクラウド型セキュリティサービスの(株)グレスアベイルの子会社化(2019年)、ソフトウェア型WAF※の(株)ジェイピー・セキュアの完全子会社化(2020年)など、サイバーセキュリティ分野を強化している。2023年8月にはチェンジホールディングス<3962>と資本業務提携し、サイバーセキュリティ業界の再編をリードする体制を構築した。
※WAF:Web Application Firewallの略。Webアプリ向けの攻撃からWebサイトを保護するシステム。
1. 事業概要
売上高の主力はソーシャルサポートであり、2024年9月期第2四半期で売上高の58.0%を占める。ゲームサポート(同14.7%)、アド・プロセス(同12.3%)、サイバーセキュリティ(同8.3%)が続く。その他はハードウェアに対するデバッグなどである(同6.7%)。
2. 業績動向
2024年9月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.0%減の5,718百万円、営業利益が同6.6%減の878百万円、経常利益が同9.2%減の872百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同18.0%減の536百万円と減収減益となった。売上高に関しては、EC・フリマサイト向けのカスタマーサポートが堅調に推移し、脆弱性診断やWAFの拡販によりサイバーセキュリティが大きく伸長したものの、フィンテック関連の一部案件の需要が落ち着いたことや、既存案件の売上高の減少を新規案件の受注で補えなかったことが減収の要因である。事業別では、サイバーセキュリティ事業が増収だったものの、ソーシャルサポート事業、ゲームサポート事業などそれ以外の事業が減収となった。
2024年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比3.4%減の11,503百万円、営業利益が同1.2%減の1,758百万円、経常利益が同3.1%減の1,751百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.4%減の1,176百万円であり、上期の実績を反映して下方修正された。2024年9月期の方針としては、売上面では、新規案件の獲得で既存案件終了の影響をカバーできなかった反省の下、営業体制強化及びチェンジホールディングスとの顧客基盤の相互活用、エンタープライズ系デジタルBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)領域の強化などに取り組む。利益面では、低収益案件が発生したことの反省の下、センター体制の強化、採算性管理の強化など高生産性の追求に取り組む。
3. 成長戦略・トピック
同社はこれまで、エンターテインメント業界を主な対象にBPO業務を行ってきたが、チェンジホールディングスとの業務提携以降は、エンタープライズ(企業)向け及び自治体向けのBPOに事業領域を拡大する戦略である。2024年4月には、SaaSスタートアップ企業向けの「事業グロース支援パッケージ」、デジタル(データ)を活用した新規事業に取り組む企業向けの「新規事業開発のためのデジタル/BPO活用プログラム」、自治体及び自治体関連団体向けの「地方自治体向けWebセキュリティ対策パック」「ふるさと納税ポータル運用業務BPOサービス」がリリースされ、サービス提供の体制が整った。業務内容自体は、これまでエンターテインメント業界向けに培ってきた人材やITツール等による効率化ノウハウなどが活用できると考えられる。短期的には、チェンジホールディングスがグループ外に委託していた業務の受託を増やしつつ、中期的には共同での営業開拓により新規案件の獲得を目指す。
■Key Points
・2024年9月期第2四半期は、サイバーセキュリティ分野が伸長するも、既存案件縮小の影響を新規案件獲得でカバーできず減収減益
・2024年9月期通期は、売上高115億円、営業利益17億円を予想。新規案件やチェンジホールディングスとの相乗効果による業績上乗せに期待
・チェンジホールディングスとの連携によりエンタープライズ・自治体向けBPO・セキュリティの受託体制整う
・株主への利益還元を強化することを目的に配当方針を変更。配当性向の目安は30%に上昇。2024年9月期の配当金予想は年31.0円に上方修正
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<AS>
■要約
イー・ガーディアン<6050>は、eコマース(EC)やSNS、ソーシャルゲームの運営者向けに、監視や顧客サポートなどを中心に、サイバーセキュリティからデバッグ、運用までをワンストップで提供する総合ネットセキュリティ企業である。2010年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズに上場してからは、人材派遣業、デバッグ事業、ネットセキュリティコンサルティング事業、クラウド型サイバーセキュリティ事業などをM&Aで獲得し、“総合ネットセキュリティ企業”としての基盤を確立した。海外展開においてはE-Guardian Philippines Inc.(2017年設立)が拡大中であり、2021年にはE-Guardian Vietnam Co.,Ltd.を設立。近年ではクラウド型セキュリティサービスの(株)グレスアベイルの子会社化(2019年)、ソフトウェア型WAF※の(株)ジェイピー・セキュアの完全子会社化(2020年)など、サイバーセキュリティ分野を強化している。2023年8月にはチェンジホールディングス<3962>と資本業務提携し、サイバーセキュリティ業界の再編をリードする体制を構築した。
※WAF:Web Application Firewallの略。Webアプリ向けの攻撃からWebサイトを保護するシステム。
1. 事業概要
売上高の主力はソーシャルサポートであり、2024年9月期第2四半期で売上高の58.0%を占める。ゲームサポート(同14.7%)、アド・プロセス(同12.3%)、サイバーセキュリティ(同8.3%)が続く。その他はハードウェアに対するデバッグなどである(同6.7%)。
2. 業績動向
2024年9月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.0%減の5,718百万円、営業利益が同6.6%減の878百万円、経常利益が同9.2%減の872百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同18.0%減の536百万円と減収減益となった。売上高に関しては、EC・フリマサイト向けのカスタマーサポートが堅調に推移し、脆弱性診断やWAFの拡販によりサイバーセキュリティが大きく伸長したものの、フィンテック関連の一部案件の需要が落ち着いたことや、既存案件の売上高の減少を新規案件の受注で補えなかったことが減収の要因である。事業別では、サイバーセキュリティ事業が増収だったものの、ソーシャルサポート事業、ゲームサポート事業などそれ以外の事業が減収となった。
2024年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比3.4%減の11,503百万円、営業利益が同1.2%減の1,758百万円、経常利益が同3.1%減の1,751百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.4%減の1,176百万円であり、上期の実績を反映して下方修正された。2024年9月期の方針としては、売上面では、新規案件の獲得で既存案件終了の影響をカバーできなかった反省の下、営業体制強化及びチェンジホールディングスとの顧客基盤の相互活用、エンタープライズ系デジタルBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)領域の強化などに取り組む。利益面では、低収益案件が発生したことの反省の下、センター体制の強化、採算性管理の強化など高生産性の追求に取り組む。
3. 成長戦略・トピック
同社はこれまで、エンターテインメント業界を主な対象にBPO業務を行ってきたが、チェンジホールディングスとの業務提携以降は、エンタープライズ(企業)向け及び自治体向けのBPOに事業領域を拡大する戦略である。2024年4月には、SaaSスタートアップ企業向けの「事業グロース支援パッケージ」、デジタル(データ)を活用した新規事業に取り組む企業向けの「新規事業開発のためのデジタル/BPO活用プログラム」、自治体及び自治体関連団体向けの「地方自治体向けWebセキュリティ対策パック」「ふるさと納税ポータル運用業務BPOサービス」がリリースされ、サービス提供の体制が整った。業務内容自体は、これまでエンターテインメント業界向けに培ってきた人材やITツール等による効率化ノウハウなどが活用できると考えられる。短期的には、チェンジホールディングスがグループ外に委託していた業務の受託を増やしつつ、中期的には共同での営業開拓により新規案件の獲得を目指す。
■Key Points
・2024年9月期第2四半期は、サイバーセキュリティ分野が伸長するも、既存案件縮小の影響を新規案件獲得でカバーできず減収減益
・2024年9月期通期は、売上高115億円、営業利益17億円を予想。新規案件やチェンジホールディングスとの相乗効果による業績上乗せに期待
・チェンジホールディングスとの連携によりエンタープライズ・自治体向けBPO・セキュリティの受託体制整う
・株主への利益還元を強化することを目的に配当方針を変更。配当性向の目安は30%に上昇。2024年9月期の配当金予想は年31.0円に上方修正
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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