テラスカイ Research Memo(10):2025年2月期は2ケタ増収増益、営業利益と経常利益は過去最高更新へ
[24/06/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*15:10JST テラスカイ Research Memo(10):2025年2月期は2ケタ増収増益、営業利益と経常利益は過去最高更新へ
■今後の見通し
1. 2025年2月期の業績見通し
テラスカイ<3915>の2025年2月期の連結業績は売上高で前期比25.5%増の24,024百万円、営業利益で同73.3%増の905百万円、経常利益で同52.7%増の1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同88.6%増の565百万円と2ケタ増収増益を見込み、営業利益と経常利益は4期ぶりに過去最高を更新する見通しだ。
企業における情報システムのクラウドシフトが続くなかで、Salesforce関連を中心とするクラウドインテグレーションの新規並びに追加開発案件の増加に伴い「mitoco」を中心とした自社製品の販売も伸長していくものと見ている。また、子会社のBeeXでもSAPのクラウド移行案件に加えて、AWSの導入支援案件も企業・官公庁向けに拡大していくものと予想される。
成長の鍵を握る人的リソースについては、グループ人員で前期末比31.4%増の1,640名を計画しており、増加分の約半分はテラスカイ・テクノロジーズでの増員となる。2024年春の新卒採用数はグループで前年の94名から103名と増加しており、引き続き中途採用の強化と定着率向上に取り組む。従業員の離職率については、2024年2月期で1ケタ台前半の%水準まで低下している。新卒初任給のアップに伴い2〜3年目社員の給与もアップしたことや、人事評価を実績重視の評価体系により見直したこと、社員寮の整備や資格取得などのスキルアップ支援制度の充実に取り組んだ成果が出始めているものと考えられる。
事業セグメント別では、ソリューション事業で2ケタ増収増益を見込む一方で、製品事業は2ケタ増収となるものの、「mitoco ERP」の開発投資が続くこともあり、若干の損失が続くものと見ている。ソリューション事業に関しては、新たなマーケットを開拓すべく、2024年4月に資本業務提携を発表したNTTデータと協業しながら、地域金融機関のSalesforce導入ニーズを開拓していく。地域金融機関についてはまだSalesforceの導入が進んでいないが、CRM分野の強化が経営課題となっていることから、同領域でトップシェアであるSalesforceの潜在ニーズは大きいと見ている。NTTデータは地域金融機関の多くを顧客としていることもあり、協業することで売上高も着実に拡大していくものと期待される。
子会社の事業についても好調な市場環境を背景に、それぞれ順調な拡大が見込まれる。前期に減収減益となったCuonについては増収増益に転じる見通し。ただ、Quemixとタイの子会社についてはまだ先行投資段階にあり、損失が続くものと見ている。海外事業の取り組みとして、タイ子会社を中心にして東南アジア市場でSalesforceやmitocoの導入を促進していくほか、MSP事業(クラウドサービスの保守・運用・監視)におけるオフショア拠点としての体制構築を進めている。タイ子会社の人員計画については2025年2月期の10名から5年後に100名体制まで拡大することを目標としている。
一方、製品事業では「mitoco会計」のうち2024年3月にリリースした財務会計及び債務管理機能に続いて、2024年内に債権管理機能を追加し、完成版としてリリースする予定となっている。また、SalesforceとMicrosoftのAzure OpenAI Serviceの機能を組み合わせ、Salesforce内に格納されたデータから適切な回答を導き出す新サービス「mitoco AI」の提供を2024年4月より開始した。「mitoco ERP」と組み合わせることで、「ヒト・モノ・カネ・顧客情報」すべてのデータに横断的にアクセスでき、意思決定に必要となるデータの利活用を手軽に行えるようになり、業務効率の向上と生産性向上を実現するサービスとして期待される。Salesforce内の業務データについてはMicrosoft Azure上の生成AIに渡すことがないため、セキュリティ面でも担保されている。同社では2029年までの5年間で300社の導入を目標としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■今後の見通し
1. 2025年2月期の業績見通し
テラスカイ<3915>の2025年2月期の連結業績は売上高で前期比25.5%増の24,024百万円、営業利益で同73.3%増の905百万円、経常利益で同52.7%増の1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同88.6%増の565百万円と2ケタ増収増益を見込み、営業利益と経常利益は4期ぶりに過去最高を更新する見通しだ。
企業における情報システムのクラウドシフトが続くなかで、Salesforce関連を中心とするクラウドインテグレーションの新規並びに追加開発案件の増加に伴い「mitoco」を中心とした自社製品の販売も伸長していくものと見ている。また、子会社のBeeXでもSAPのクラウド移行案件に加えて、AWSの導入支援案件も企業・官公庁向けに拡大していくものと予想される。
成長の鍵を握る人的リソースについては、グループ人員で前期末比31.4%増の1,640名を計画しており、増加分の約半分はテラスカイ・テクノロジーズでの増員となる。2024年春の新卒採用数はグループで前年の94名から103名と増加しており、引き続き中途採用の強化と定着率向上に取り組む。従業員の離職率については、2024年2月期で1ケタ台前半の%水準まで低下している。新卒初任給のアップに伴い2〜3年目社員の給与もアップしたことや、人事評価を実績重視の評価体系により見直したこと、社員寮の整備や資格取得などのスキルアップ支援制度の充実に取り組んだ成果が出始めているものと考えられる。
事業セグメント別では、ソリューション事業で2ケタ増収増益を見込む一方で、製品事業は2ケタ増収となるものの、「mitoco ERP」の開発投資が続くこともあり、若干の損失が続くものと見ている。ソリューション事業に関しては、新たなマーケットを開拓すべく、2024年4月に資本業務提携を発表したNTTデータと協業しながら、地域金融機関のSalesforce導入ニーズを開拓していく。地域金融機関についてはまだSalesforceの導入が進んでいないが、CRM分野の強化が経営課題となっていることから、同領域でトップシェアであるSalesforceの潜在ニーズは大きいと見ている。NTTデータは地域金融機関の多くを顧客としていることもあり、協業することで売上高も着実に拡大していくものと期待される。
子会社の事業についても好調な市場環境を背景に、それぞれ順調な拡大が見込まれる。前期に減収減益となったCuonについては増収増益に転じる見通し。ただ、Quemixとタイの子会社についてはまだ先行投資段階にあり、損失が続くものと見ている。海外事業の取り組みとして、タイ子会社を中心にして東南アジア市場でSalesforceやmitocoの導入を促進していくほか、MSP事業(クラウドサービスの保守・運用・監視)におけるオフショア拠点としての体制構築を進めている。タイ子会社の人員計画については2025年2月期の10名から5年後に100名体制まで拡大することを目標としている。
一方、製品事業では「mitoco会計」のうち2024年3月にリリースした財務会計及び債務管理機能に続いて、2024年内に債権管理機能を追加し、完成版としてリリースする予定となっている。また、SalesforceとMicrosoftのAzure OpenAI Serviceの機能を組み合わせ、Salesforce内に格納されたデータから適切な回答を導き出す新サービス「mitoco AI」の提供を2024年4月より開始した。「mitoco ERP」と組み合わせることで、「ヒト・モノ・カネ・顧客情報」すべてのデータに横断的にアクセスでき、意思決定に必要となるデータの利活用を手軽に行えるようになり、業務効率の向上と生産性向上を実現するサービスとして期待される。Salesforce内の業務データについてはMicrosoft Azure上の生成AIに渡すことがないため、セキュリティ面でも担保されている。同社では2029年までの5年間で300社の導入を目標としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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