マイクロアド Research Memo(2):消費者行動を分析し、顧客企業のデジタルマーケティングの課題を解決(1)
[24/06/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:32JST マイクロアド Research Memo(2):消費者行動を分析し、顧客企業のデジタルマーケティングの課題を解決(1)
■会社概要
1. 会社概要
マイクロアド<9553>は、「Redesigning the Future Life(データとテクノロジーの力で未来を予測する)」というビジョンのもと、データとテクノロジーの力によって、マーケティングを変革し、人々の生活をより良いものに、より充実したものにすることを目指している。同社の強みは「膨大な消費者行動データを保有していること」「プライバシー保護に対応したデータ分析と商品開発力を有していること」「マネタイズ能力が高いこと」の3つに大別できる。これらの強みを有機的に結合することによって、大量のデータから価値ある内容を抽出し、顧客のデジタルマーケティングにおける課題を解決している。今後は、3rd Party Cookieのサポート停止が2025年1月以降に予定されるなど、インターネット広告市場に大きな変化が起こることが想定される。そうしたなかで同社の技術・ビジネスモデルの優位性を発揮しながらPostCookie時代のリーディングカンパニーへと変貌する方針だ。
2024年9月期第2四半期末時点において、MADS、(株)エンハンス、(株)coryを始めとする連結子会社11社の組織体制となっている。加えて、2024年3月に(株)UNCOVER TRUTHの子会社化を発表、同年4月には上海東犁文化?播有限公司との合弁会社(株)New Bを設立している。国内の事業所及び研究施設は、東京本社、大阪支社、福岡支社、名古屋支社、広島支社、京都研究所である(2024年4月には仙台支社を開設)。
2. 事業内容
同社はデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるものの、ビジネスモデルに応じた成長戦略を立案するために「データプロダクト」と「コンサルティング」の2つのサービスで事業展開している。
「データプロダクト」は、企業のマーケティング課題を解決するための、デジタル広告ソリューション群からなる。具体的には、消費者に関する膨大なデータの分析をもとに顧客ごとに最適な広告配信を実現する「UNIVERSE」、デジタルサイネージによる広告配信を一元管理する「MONOLITHS」を通じて提供される「デジタルサイネージサービス」が含まれる。
「コンサルティング」では、メディア企業向けプロダクト「MicroAd COMPASS」と子会社エンハンスによるサービス「Enhance」を提供する「メディア向けコンサルティングサービス」、海外を拠点にデジタルマーケティングを総合的に支援する「海外コンサルティングサービス」を行っている。
2つのビジネスモデルの収益性は、2024年9月期第2四半期時点で「コンサルティング」の売上総利益率が約27%なのに対して、「データプロダクト」の売上総利益率が約35%と高収益になっている。タクシーサイネージの契約更改を受けて「データプロダクト」の収益性がわずかながら低下したものの、依然高い水準であることに変わりはない。
なお、今後は「コンサルティング」の事業規模は維持しつつも、「データプロダクト」に注力する方針だ。自社開発のプロダクト販売によって、収穫逓増・高収益が見込めることが理由だ。
(1) データプロダクト
同サービスには、「UNIVERSE」と「デジタルサイネージサービス」が含まれる。
a) 「UNIVERSE」
「UNIVERSE」は業界や業種ごとに多種多様な消費者の好みや購買プロセスを分析し、そこから得られた知見を活用することによって顧客が抱えるマーケティング課題の解決を支援するサービスである。「UNIVERSE」は同社が開発した2つの独自プラットフォームにより構成されている。
・「UNIVERSE DATA PLATFORM」
消費者のライフスタイルの変化をとらえるデータ、消費者の性別・年齢等を推定したデモグラフィックデータなどの一般的なデータ群に加えて、業界・業種に特化した大量のデータが蓄積されている。具体的には、各種自動車関連のインターネットメディア閲覧履歴などが挙げられる。これらのデータは自動車購買までの消費者行動を分析するために活用される。2024年9月期第2四半期末時点で210社以上の外部データ保有企業・メディアからデータを収集・集約しており、これらの大量のデータを分析することによって消費者の複雑な購買行動を分析している。
・「UNIVERSE Ads」
同プラットフォームは「UNIVERSE DATA PLATFORM」が導き出したインサイトを活用し、顧客ごとに適切な広告配信を実現する広告主向けのプロダクトである。顧客のマーケティング課題を解決するフェーズで導入される。RTB(Real Time Bidding)という広告配信技術を用いて、顧客企業のマーケティング投資に対するリターンを最大化できる。鍵となるのが、同社のAIを活用した最適化アルゴリズムだ。AIによる分析においては、企業の製品・サービスのカテゴリ、掲載面の品質やコンテンツの内容、配信を行う時間、広告クリエイティブの種類(静止画・動画・ネイティブ広告等)など、広告の費用対効果を決定づける数十の変数を解析し、最適なアルゴリズムを構築している。このアルゴリズムを適用することによって、リアルタイムで最適な消費者に対して最適な価格での広告配信を実現している。また、多くのSSPに接続可能なことも適切なターゲットに広告を配信できる要因の1つである(配信先の数は月間2,000億超)。これにより、顧客が抱える「ターゲットに適切にリーチできているかわからない」「ターゲットの条件を絞ったら配信ボリュームが落ちた」「効率よく広告配信したいが適切なターゲットが見つからない」などの課題を解決している。
さらに、顧客にサービスを提供する際には、顧客が所属する業界に特化したプロダクトを提供している。業界に特化したデータ分析によって、より顧客のニーズに応えられプロダクトを提供し、顧客のKPI達成に貢献できる。業界特化型のプロダクトは現在、19業種まで拡大している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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■会社概要
1. 会社概要
マイクロアド<9553>は、「Redesigning the Future Life(データとテクノロジーの力で未来を予測する)」というビジョンのもと、データとテクノロジーの力によって、マーケティングを変革し、人々の生活をより良いものに、より充実したものにすることを目指している。同社の強みは「膨大な消費者行動データを保有していること」「プライバシー保護に対応したデータ分析と商品開発力を有していること」「マネタイズ能力が高いこと」の3つに大別できる。これらの強みを有機的に結合することによって、大量のデータから価値ある内容を抽出し、顧客のデジタルマーケティングにおける課題を解決している。今後は、3rd Party Cookieのサポート停止が2025年1月以降に予定されるなど、インターネット広告市場に大きな変化が起こることが想定される。そうしたなかで同社の技術・ビジネスモデルの優位性を発揮しながらPostCookie時代のリーディングカンパニーへと変貌する方針だ。
2024年9月期第2四半期末時点において、MADS、(株)エンハンス、(株)coryを始めとする連結子会社11社の組織体制となっている。加えて、2024年3月に(株)UNCOVER TRUTHの子会社化を発表、同年4月には上海東犁文化?播有限公司との合弁会社(株)New Bを設立している。国内の事業所及び研究施設は、東京本社、大阪支社、福岡支社、名古屋支社、広島支社、京都研究所である(2024年4月には仙台支社を開設)。
2. 事業内容
同社はデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるものの、ビジネスモデルに応じた成長戦略を立案するために「データプロダクト」と「コンサルティング」の2つのサービスで事業展開している。
「データプロダクト」は、企業のマーケティング課題を解決するための、デジタル広告ソリューション群からなる。具体的には、消費者に関する膨大なデータの分析をもとに顧客ごとに最適な広告配信を実現する「UNIVERSE」、デジタルサイネージによる広告配信を一元管理する「MONOLITHS」を通じて提供される「デジタルサイネージサービス」が含まれる。
「コンサルティング」では、メディア企業向けプロダクト「MicroAd COMPASS」と子会社エンハンスによるサービス「Enhance」を提供する「メディア向けコンサルティングサービス」、海外を拠点にデジタルマーケティングを総合的に支援する「海外コンサルティングサービス」を行っている。
2つのビジネスモデルの収益性は、2024年9月期第2四半期時点で「コンサルティング」の売上総利益率が約27%なのに対して、「データプロダクト」の売上総利益率が約35%と高収益になっている。タクシーサイネージの契約更改を受けて「データプロダクト」の収益性がわずかながら低下したものの、依然高い水準であることに変わりはない。
なお、今後は「コンサルティング」の事業規模は維持しつつも、「データプロダクト」に注力する方針だ。自社開発のプロダクト販売によって、収穫逓増・高収益が見込めることが理由だ。
(1) データプロダクト
同サービスには、「UNIVERSE」と「デジタルサイネージサービス」が含まれる。
a) 「UNIVERSE」
「UNIVERSE」は業界や業種ごとに多種多様な消費者の好みや購買プロセスを分析し、そこから得られた知見を活用することによって顧客が抱えるマーケティング課題の解決を支援するサービスである。「UNIVERSE」は同社が開発した2つの独自プラットフォームにより構成されている。
・「UNIVERSE DATA PLATFORM」
消費者のライフスタイルの変化をとらえるデータ、消費者の性別・年齢等を推定したデモグラフィックデータなどの一般的なデータ群に加えて、業界・業種に特化した大量のデータが蓄積されている。具体的には、各種自動車関連のインターネットメディア閲覧履歴などが挙げられる。これらのデータは自動車購買までの消費者行動を分析するために活用される。2024年9月期第2四半期末時点で210社以上の外部データ保有企業・メディアからデータを収集・集約しており、これらの大量のデータを分析することによって消費者の複雑な購買行動を分析している。
・「UNIVERSE Ads」
同プラットフォームは「UNIVERSE DATA PLATFORM」が導き出したインサイトを活用し、顧客ごとに適切な広告配信を実現する広告主向けのプロダクトである。顧客のマーケティング課題を解決するフェーズで導入される。RTB(Real Time Bidding)という広告配信技術を用いて、顧客企業のマーケティング投資に対するリターンを最大化できる。鍵となるのが、同社のAIを活用した最適化アルゴリズムだ。AIによる分析においては、企業の製品・サービスのカテゴリ、掲載面の品質やコンテンツの内容、配信を行う時間、広告クリエイティブの種類(静止画・動画・ネイティブ広告等)など、広告の費用対効果を決定づける数十の変数を解析し、最適なアルゴリズムを構築している。このアルゴリズムを適用することによって、リアルタイムで最適な消費者に対して最適な価格での広告配信を実現している。また、多くのSSPに接続可能なことも適切なターゲットに広告を配信できる要因の1つである(配信先の数は月間2,000億超)。これにより、顧客が抱える「ターゲットに適切にリーチできているかわからない」「ターゲットの条件を絞ったら配信ボリュームが落ちた」「効率よく広告配信したいが適切なターゲットが見つからない」などの課題を解決している。
さらに、顧客にサービスを提供する際には、顧客が所属する業界に特化したプロダクトを提供している。業界に特化したデータ分析によって、より顧客のニーズに応えられプロダクトを提供し、顧客のKPI達成に貢献できる。業界特化型のプロダクトは現在、19業種まで拡大している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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