日産東HD Research Memo(1):中期経営計画の営業利益目標を3年前倒して達成
[24/06/27]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
*14:41JST 日産東HD Research Memo(1):中期経営計画の営業利益目標を3年前倒して達成
■要約
1. 国内最大級の日産ブランド自動車ディーラーを擁する持株会社
日産東京販売ホールディングス<8291>は、日産自動車<7201>系の自動車販売会社などを傘下に持つ持株会社で、子会社の日産東京販売(株)は日産ブランドとルノーブランドの新車の販売や中古車の買取・販売、自動車整備などを行っている。同社は国内最大級の自動車ディーラーで、販売エリアは東京都の人口の約9割をカバー、総合モビリティ事業※のフロントランナーとして、カーライフに関わるすべてのサービスをワンストップで提供している。また、グループ内では周辺事業として、日産ブランドに依存しないオリジナルの事業も展開している。なお、2023年10月、自動車関連事業への集中などグループ内の経営資源を最適化する目的で、上場子会社の東京日産コンピュータシステム(株)(現 TCS(株)・現在非上場)の全株式を売却した。
※モビリティ事業:販売や整備だけでなく、自動車による移動や運搬をスムーズに行うためのサービスも含む。
2. EV販売、顧客基盤、店舗ネットワーク、「ベストプラクティス」に強み
先端技術の発展や環境問題などを背景に、自動車業界は100年に1度の大変革期の最中にあると言われている。こうした環境下に同社の自動車関連事業は、EV販売のパイオニア、顧客基盤35万件のストックビジネス、肥沃な東京都をドミナントする新車販売店舗108店舗(ルノー店5店舗含む)などの店舗ネットワーク、ノウハウや情報を速やかに共有し水平展開していく「ベストプラクティス」といった強みによって、総合モビリティ事業のフロントランナーとして優位性を発揮している。なかでも、他社に先駆けて展開した個人リースは成長を加速しており、早期買い替えや良質な中古車の確保といった面でシナジーも発揮している。オリジナルの車検事業である「車検館」も、定評ある価格とサービス、技術を背景に成長を続けている。
3. 新車販売が好調で2024年3月期営業利益は過去最高を更新
2024年3月期の業績は、売上高が148,972百万円(前期比8.2%増)、営業利益が8,709百万円(同36.1%増)と過去最高益を更新した。期初計画との比較では、売上高で1,028百万円の未達になったものの、営業利益で2,709百万円の過達となった。2024年3月期に入って、車両の供給不足が解消して電動車を中心に新車登録台数が増加したことに加え、車種ミックスの改善による新車の販売単価上昇、高収益の個人リースの拡大、それらに伴う収入手数料の増加などもあって、増収2ケタ営業増益となった。計画比では、当初想定していなかった東京日産コンピュータシステムの全株式売却によって売上高と営業利益が押し下げられたが、新車販売の好調や高額車比率の上昇などにより、売上高はカバーしきれなかったが、営業利益は大きく上振れることとなった。
4. 中期経営計画の営業利益目標をすでに達成、リバイズを検討へ
同社は2025年3月期の業績見通しに関して、売上高150,000百万円(前期比0.7%増)、営業利益7,500百万円(同13.9%減)と見込んでいる。新車登録台数は増加を見込むものの販売単価の上昇が一服するため、売上高は微増にとどまる見込みである。営業利益は、物価高に加えて人財や店舗設備など投資を強化するため減益予想となった。しかしながら、2027年3月期に売上高1,550億円、営業利益65億円を目指す中期経営計画に対して、営業利益は2024年3月期に3年前倒して達成、減益予想の2025年3月期もクリアする見込みで、売上高も目標達成を視野に入れた状況となった。加えて日産自動車が新中期経営計画を発表したこともあり、同社は中期経営計画のリバイズを検討している模様である。
■Key Points
・東京都の人口の約9割をカバーする国内最大級の日産系自動車ディーラー
・35万件の顧客基盤や店舗ネットワーク、「ベストプラクティス」などに強み
・2024年3月期が好調で営業利益は中期経営計画目標を達成、リバイズを検討へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
■要約
1. 国内最大級の日産ブランド自動車ディーラーを擁する持株会社
日産東京販売ホールディングス<8291>は、日産自動車<7201>系の自動車販売会社などを傘下に持つ持株会社で、子会社の日産東京販売(株)は日産ブランドとルノーブランドの新車の販売や中古車の買取・販売、自動車整備などを行っている。同社は国内最大級の自動車ディーラーで、販売エリアは東京都の人口の約9割をカバー、総合モビリティ事業※のフロントランナーとして、カーライフに関わるすべてのサービスをワンストップで提供している。また、グループ内では周辺事業として、日産ブランドに依存しないオリジナルの事業も展開している。なお、2023年10月、自動車関連事業への集中などグループ内の経営資源を最適化する目的で、上場子会社の東京日産コンピュータシステム(株)(現 TCS(株)・現在非上場)の全株式を売却した。
※モビリティ事業:販売や整備だけでなく、自動車による移動や運搬をスムーズに行うためのサービスも含む。
2. EV販売、顧客基盤、店舗ネットワーク、「ベストプラクティス」に強み
先端技術の発展や環境問題などを背景に、自動車業界は100年に1度の大変革期の最中にあると言われている。こうした環境下に同社の自動車関連事業は、EV販売のパイオニア、顧客基盤35万件のストックビジネス、肥沃な東京都をドミナントする新車販売店舗108店舗(ルノー店5店舗含む)などの店舗ネットワーク、ノウハウや情報を速やかに共有し水平展開していく「ベストプラクティス」といった強みによって、総合モビリティ事業のフロントランナーとして優位性を発揮している。なかでも、他社に先駆けて展開した個人リースは成長を加速しており、早期買い替えや良質な中古車の確保といった面でシナジーも発揮している。オリジナルの車検事業である「車検館」も、定評ある価格とサービス、技術を背景に成長を続けている。
3. 新車販売が好調で2024年3月期営業利益は過去最高を更新
2024年3月期の業績は、売上高が148,972百万円(前期比8.2%増)、営業利益が8,709百万円(同36.1%増)と過去最高益を更新した。期初計画との比較では、売上高で1,028百万円の未達になったものの、営業利益で2,709百万円の過達となった。2024年3月期に入って、車両の供給不足が解消して電動車を中心に新車登録台数が増加したことに加え、車種ミックスの改善による新車の販売単価上昇、高収益の個人リースの拡大、それらに伴う収入手数料の増加などもあって、増収2ケタ営業増益となった。計画比では、当初想定していなかった東京日産コンピュータシステムの全株式売却によって売上高と営業利益が押し下げられたが、新車販売の好調や高額車比率の上昇などにより、売上高はカバーしきれなかったが、営業利益は大きく上振れることとなった。
4. 中期経営計画の営業利益目標をすでに達成、リバイズを検討へ
同社は2025年3月期の業績見通しに関して、売上高150,000百万円(前期比0.7%増)、営業利益7,500百万円(同13.9%減)と見込んでいる。新車登録台数は増加を見込むものの販売単価の上昇が一服するため、売上高は微増にとどまる見込みである。営業利益は、物価高に加えて人財や店舗設備など投資を強化するため減益予想となった。しかしながら、2027年3月期に売上高1,550億円、営業利益65億円を目指す中期経営計画に対して、営業利益は2024年3月期に3年前倒して達成、減益予想の2025年3月期もクリアする見込みで、売上高も目標達成を視野に入れた状況となった。加えて日産自動車が新中期経営計画を発表したこともあり、同社は中期経営計画のリバイズを検討している模様である。
■Key Points
・東京都の人口の約9割をカバーする国内最大級の日産系自動車ディーラー
・35万件の顧客基盤や店舗ネットワーク、「ベストプラクティス」などに強み
・2024年3月期が好調で営業利益は中期経営計画目標を達成、リバイズを検討へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>