ナック Research Memo(1):住まいと生活に関わる分野における多角化経営で成長
[24/07/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*15:41JST ナック Research Memo(1):住まいと生活に関わる分野における多角化経営で成長
■要約
ナック<9788>は、「暮らしのお役立ち」を基本戦略として、ダスキン<4665>のフランチャイズ加盟店を主力とした「レンタル事業」のほか、宅配水「クリクラ」や浄水型ウォーターサーバー「feel free」、次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」の製造販売をする「クリクラ事業」を柱に、「建築コンサルティング事業」「住宅事業」「美容・健康事業」など、住まいと暮らしに関わる分野における多角化経営によって発展してきた企業である。ストックビジネスで収益基盤を築いたうえで、他の事業への投資を積極的に行っているほか、新たな成長エンジンの構築かつ多角化によって、リスク分散も行っている。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上高54,433百万円(前期比4.6%減)、営業利益2,298百万円(同28.9%減)、経常利益2,390百万円(同26.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,436百万円(同28.2%減)となった。期初計画に対しては売上高が9.3%減、営業利益は34.3%減、経常利益は31.7%減、親会社株主に帰属する当期純利益は34.7%減での着地だった。売上高については、主力事業の1つであるクリクラ事業が、2023年夏の猛暑や消費促進施策を背景とした1顧客当たり消費量の増加や、クリクラボトルの値上げ効果、並びに新規に販売開始した小型の浄水型ウォーターサーバー「putio(プティオ)」における順調な顧客獲得もあり、前期比3.4%の増収を記録した。一方、レンタル事業においては、子会社の(株)アーネストが手掛けていたコロナ関連事業の受注減少により同6.7%の減収となった。建築コンサルティング事業については、建築原価の高騰やコロナ対策融資の返済開始を背景とした地場工務店の経営改善に向けた投資意欲の低下を原因として、同16.2%の減収となった。損益面を概観すると、売上総利益が前期比808百万円減(同2.9%減)となっており、その要因は売上総利益率の高い建築コンサルティング事業やレンタル事業の大幅な減収が背景である。営業利益の減益については、前期比126百万円増(同0.5%増)の販管費の影響もあるが、売上総利益の減少が大きく響いたと言える。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高65,500百万円(前期比20.3%増)、営業利益4,000百万円(同74.1%増)、経常利益4,000百万円(同67.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,550百万円(同77.5%増)を見込む。2025年3月期は中期経営計画の最終年度であり、その達成に向けて2ケタ成長と強気な業績予想を打ち出した。売上高については、クリクラ事業及びレンタル事業においては前期比微増だが、その他の事業では大幅な増収を計画している。建築コンサルティング事業においては2024年3月期第4四半期受注分の売上計上による業績押し上げ効果が期待されるほか、コンサルティング部門ではDXや省エネ化を推進する新商品の販売を促進し、ナックハウスパートナー(株)においてはコンサルティング部門との協業による省エネ関連商材の受注比率向上や新サービスの共同開発を進めることで、前期比59.0%増と大幅な増収を見込む。住宅事業では(株)ケイディアイにおけるエリア戦略と用地仕入の強化、(株)ジェイウッドにおける商品ラインアップの拡充や、バリアフリー対策で需要の高まる平屋住宅や店舗併用住宅の受注拡大により、前期比15.4%増を見込んでいる。美容・健康事業では、(株)JIMOSや(株)ベルエアーにおける商品リニューアルからの新規顧客獲得、(株)アップセールにおけるワイン直販の推進(2024年2月に子会社化した巴ワイン・アンド・スピリッツ(株)との連携)、(株)トレミーにおける医薬部外品を対象としたODM商品の開発や協力工場との連携強化による新規受注増などにより、前期比19.7%増を見込んでいる。
3. 中期経営計画
2021年3月期から2025年3月期を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画を推進しており、目標として売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げている。損失計上が続き収益圧迫要因となっていた100%子会社の(株)レオハウスを2021年3月期にヤマダ電機(現 ヤマダホールディングス<9831>)へ譲渡したことにより、住宅事業を再建し、グループ全体として利益を生み出す筋肉質な組織構造となった。これまでは事業ごとに縦割り傾向があったものの、今後は約90万人の顧客基盤を生かし、グループシナジーを生む横串を通すようなビジネス展開を目指す。中期経営計画の最終年度である2025年3月期については、計画値に対しては下回るものの、前期比では増収増益を確保する予定だ。
■Key Points
・2024年3月期は減収減益で着地
・クリクラ事業、ダスキン事業は、ストックビジネスとして安定的な収益を計上
・ダスキンと事業拡大・成長のための共同プロジェクトを新たに発足
・中期経営計画の最終年度である2025年3月期においては、計画値に対しては下回るものの、前期比では増収増益
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<AS>
■要約
ナック<9788>は、「暮らしのお役立ち」を基本戦略として、ダスキン<4665>のフランチャイズ加盟店を主力とした「レンタル事業」のほか、宅配水「クリクラ」や浄水型ウォーターサーバー「feel free」、次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」の製造販売をする「クリクラ事業」を柱に、「建築コンサルティング事業」「住宅事業」「美容・健康事業」など、住まいと暮らしに関わる分野における多角化経営によって発展してきた企業である。ストックビジネスで収益基盤を築いたうえで、他の事業への投資を積極的に行っているほか、新たな成長エンジンの構築かつ多角化によって、リスク分散も行っている。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上高54,433百万円(前期比4.6%減)、営業利益2,298百万円(同28.9%減)、経常利益2,390百万円(同26.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,436百万円(同28.2%減)となった。期初計画に対しては売上高が9.3%減、営業利益は34.3%減、経常利益は31.7%減、親会社株主に帰属する当期純利益は34.7%減での着地だった。売上高については、主力事業の1つであるクリクラ事業が、2023年夏の猛暑や消費促進施策を背景とした1顧客当たり消費量の増加や、クリクラボトルの値上げ効果、並びに新規に販売開始した小型の浄水型ウォーターサーバー「putio(プティオ)」における順調な顧客獲得もあり、前期比3.4%の増収を記録した。一方、レンタル事業においては、子会社の(株)アーネストが手掛けていたコロナ関連事業の受注減少により同6.7%の減収となった。建築コンサルティング事業については、建築原価の高騰やコロナ対策融資の返済開始を背景とした地場工務店の経営改善に向けた投資意欲の低下を原因として、同16.2%の減収となった。損益面を概観すると、売上総利益が前期比808百万円減(同2.9%減)となっており、その要因は売上総利益率の高い建築コンサルティング事業やレンタル事業の大幅な減収が背景である。営業利益の減益については、前期比126百万円増(同0.5%増)の販管費の影響もあるが、売上総利益の減少が大きく響いたと言える。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高65,500百万円(前期比20.3%増)、営業利益4,000百万円(同74.1%増)、経常利益4,000百万円(同67.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,550百万円(同77.5%増)を見込む。2025年3月期は中期経営計画の最終年度であり、その達成に向けて2ケタ成長と強気な業績予想を打ち出した。売上高については、クリクラ事業及びレンタル事業においては前期比微増だが、その他の事業では大幅な増収を計画している。建築コンサルティング事業においては2024年3月期第4四半期受注分の売上計上による業績押し上げ効果が期待されるほか、コンサルティング部門ではDXや省エネ化を推進する新商品の販売を促進し、ナックハウスパートナー(株)においてはコンサルティング部門との協業による省エネ関連商材の受注比率向上や新サービスの共同開発を進めることで、前期比59.0%増と大幅な増収を見込む。住宅事業では(株)ケイディアイにおけるエリア戦略と用地仕入の強化、(株)ジェイウッドにおける商品ラインアップの拡充や、バリアフリー対策で需要の高まる平屋住宅や店舗併用住宅の受注拡大により、前期比15.4%増を見込んでいる。美容・健康事業では、(株)JIMOSや(株)ベルエアーにおける商品リニューアルからの新規顧客獲得、(株)アップセールにおけるワイン直販の推進(2024年2月に子会社化した巴ワイン・アンド・スピリッツ(株)との連携)、(株)トレミーにおける医薬部外品を対象としたODM商品の開発や協力工場との連携強化による新規受注増などにより、前期比19.7%増を見込んでいる。
3. 中期経営計画
2021年3月期から2025年3月期を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画を推進しており、目標として売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げている。損失計上が続き収益圧迫要因となっていた100%子会社の(株)レオハウスを2021年3月期にヤマダ電機(現 ヤマダホールディングス<9831>)へ譲渡したことにより、住宅事業を再建し、グループ全体として利益を生み出す筋肉質な組織構造となった。これまでは事業ごとに縦割り傾向があったものの、今後は約90万人の顧客基盤を生かし、グループシナジーを生む横串を通すようなビジネス展開を目指す。中期経営計画の最終年度である2025年3月期については、計画値に対しては下回るものの、前期比では増収増益を確保する予定だ。
■Key Points
・2024年3月期は減収減益で着地
・クリクラ事業、ダスキン事業は、ストックビジネスとして安定的な収益を計上
・ダスキンと事業拡大・成長のための共同プロジェクトを新たに発足
・中期経営計画の最終年度である2025年3月期においては、計画値に対しては下回るものの、前期比では増収増益
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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