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フォーバル Research Memo(1):2024年3月期通期は過去最高の売上高、営業利益を更新

注目トピックス 日本株
*13:31JST フォーバル Research Memo(1):2024年3月期通期は過去最高の売上高、営業利益を更新
■要約

フォーバル<8275>は、中小企業の「ESG経営を可視化伴走型で支援する次世代経営コンサルタント集団」を基本戦略として事業を展開している。IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングを得意とし、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングを行う。

1. 事業概要
同社の売上・利益は、主にフォーバルビジネスグループとフォーバルテレコムビジネスグループで構成されている。事業の柱であるフォーバルビジネスグループでは、中小・小規模企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取り次ぎなどを手掛ける。

2. 業績動向
2024年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比6.7%増の63,527百万円、営業利益が同32.4%増の3,235百万円、経常利益が同27.3%増の3,459百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.7%増の2,011百万円となり、売上高、営業利益、経常利益で過去最高を更新した。売上高では、中小・小規模企業や自治体におけるDX推進の機運の高まりを受けて可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)など各種サービスが順調に拡大したことに加え、自家消費ニーズの高まりを受けて太陽光発電システムが増加したこと、新たに連結に加わったグループ会社の寄与などにより増収となった。利益面では、売上総利益が、可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)の拡大、前期に電力サービスの仕入価格上昇の影響を受けた反動などにより伸びた一方で、販管費の伸びを抑えたことで増益となった。

2025年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比5.5%増の67,000百万円、営業利益が同11.3%増の3,600百万円、経常利益が同7.0%増の3,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.4%増の2,100百万円と、売上高・各利益ともに増収増益予想である。全事業セグメントで事業環境及び社内体制が良好であり、足元の進捗も順調である。さらに進行期の2024年5月には2件(売上規模で約17億円)のM&Aを行っていることから業績の上積みも確実視される。

3. 成長戦略・トピック
中小企業経営のための情報分析プラットフォーム「きづなPARK」は、財務データだけでなく、DXやGX、知的財産や人的資本などESGに関連する非財務データも含めたビッグデータが集まる点で、唯一無二の機能を有している。具体的には、DXスタート診断、DX推進度診断、中小企業版ESG判定、知財活用診断、人的資本判定などのメニューがあり、自社の状態や課題が客観的に把握できる。同社は、中小企業のESG経営の可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)を中長期の最重要テーマとしており、「きづなPARK」のメニューの拡大やデータの質・量が優位性の源泉になると考えられる。同社では、このほかに中小企業がESG経営を目指しやすいようにESGマークの取得を推進し、選ばれる企業になることを後押ししている。同社内には、ESGアドバイザー資格取得者601名(2024年6月7日現在)がおり、同分野のリーディングカンパニーとして体制が整う。

4. 株主還元策
同社は、配当による株主への利益還元を重要な経営課題の1つとして認識している。今後の事業計画や財務状況など、中長期的観点から内部留保と安定した成果配分、双方のバランスに配慮して配当金を決定するとしており、配当性向は公約していない。同社は、安定的な利益成長を背景に増配を続けており、過去10期の配当金は増配または同額、配当性向は30%前後以上の実績がある。2024年3月期は、好調な業績により、配当金28.00円(前期比1.00円増配)、配当性向35.8%を実施した。2025年3月期は、配当金30.00円(同2.00円増配)、配当性向37.4%を予想する。

■Key Points
・2024年3月期通期は過去最高の売上高、営業利益を更新。可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)の拡大、電力サービスの収益回復、環境ビジネス関連の収益改善が増益に寄与
・2025年3月期は売上高67,000百万円、営業利益3,600百万円を予想。全事業セグメントの足元も順調
・ESG経営支援の可視化ツールとして「きづなPARK」が進化。(株)タニタヘルスリンク、エフピーステージ(株)を子会社化

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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