フォーバル Research Memo(3):中小・小規模企業のDX・GXを支援するフォーバルビジネスグループが柱(1)
[24/07/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:33JST フォーバル Research Memo(3):中小・小規模企業のDX・GXを支援するフォーバルビジネスグループが柱(1)
■フォーバル<8275>の事業概要
1. フォーバルビジネスグループ
フォーバルビジネスグループでは、中小・小規模企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取り次ぎなどを手掛ける。主力事業は、経営コンサルティングである可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)と、創業以来手掛けているビジネスフォンの販売をはじめとする情報通信機器やOA機器の販売だ。情報機器や通信サービスでの接点から可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)、よろず経営相談へ導き、さらに次世代経営コンサルティングでより深い解決策を提案するという一連の流れで、中小・小規模企業の多様なニーズに対応する体制を整備している。同社のコンサルティングの特色は5分野(情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継)と3手法(売上拡大、業務効率改善、リスク回避)に整理される。前期に引き続き2024年3月期は、成長戦略として「中小企業のGDX化の伴走型アドバイザーとして確固たる地位の確立」を掲げ、人材投資を先行した。
2024年3月期通期の業績は、売上高が33,343百万円(前期比13.5%増)、セグメント利益は2,093百万円(同7.8%増)と、成長性・収益性がともに高い。
2. 可視化伴走型経営支援(アイコンサービス):定期訪問と遠隔サポートを組み合わせた効率的な中小企業支援が特徴
同社の最も注目すべき事業は、2008年に提供を開始した「可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)」だろう。「アイコン」の「アイ」は、information(情報)、imagination(想像力)、idea(アイデア)、identity(独自性)、intelligence(知力)、innovation(革新)などを示し、これらを起源とするコンサルティングサービスである。定期訪問と遠隔サポート・状態監視を組み合わせた効率的な支援が特徴である。
可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)の基本構成は、「よろず経営相談」サービス、定期訪問や通信技術を使った遠隔サポート、パソコン・ネットワーク状態監視サービス、各種アプリケーションの問い合わせサービス、顧客専用サイトとなっている。また、メニューとして、経営コンサルティング系、個人情報管理系、パソコン・ネットワーク系、スマートフォン・パッド系、ホームページ系、電話系、コピー系の幅広いサービスを提供する。現在の可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)の平均顧客単価は月額20,000円程度となっている。ほかのサービスへの入り口と位置付けているため、設定金額は低めである。同サービスは、従来は自社の“企業ドクター”が行うのが基本であったが、OEM展開(パートナーの販売会社によるサービス)が大きく伸びている。アイコンサービスの全顧客数47,681件(2024年3月期末時点)のうちOEM経由(子会社経由を含む)の顧客が33,003件(同)であり、自社販売の14,678件(同)を超える。なお、自社によるアイコンサービスの数を抑制しているのは、コンサルティングの質を追求するため対象を絞っているという背景がある。可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)はそれ自体が利益率の高いサービスであることに加え端末(パソコン、タブレット、携帯電話、プリンター、コピー機など)やネットワークの状態監視から得られたビッグデータから様々な改善提案を行うことにより関連商材が拡販できるという副次的効果が大きい。
可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)の一環としてリリースされたものには、スマートフォンから簡便かつ安価に勤怠管理を行えるクラウド型勤怠管理システム「HRMOS(ハーモス)勤怠 by FORVAL」や、業務フローの見直し・マニュアル化を行い、ペーパーレス化・標準化で業務の効率性を高めるコンサルティングサービス「PPLS(ププルス)」などがある。これらは、働き方改革を行う大前提となる勤務実態を見える化するとともに、より生産性の高い働き方への変革を支援する。追加メニューの増加は顧客単価の向上にもつながる。実際に1顧客当たり売上高(ARPU)は過去から年々上昇している。顧客件数と顧客単価の両方の伸びが重なり、アイコンサービスの売上高は7,216百万円(前期比15.2%増)と順調に成長している。
3. “中小・小規模企業DXアドバイザー”として第三者認定の取得
同社はこれまで、中小・小規模企業の経営及び情報化の支援を積み重ねており、顧客企業の満足度の高さからその支援の質には定評があった。2021年以降は複数の第三者認証を取得し、名実ともに“中小・小規模企業DXアドバイザー”の第一人者となっている。具体的には、同年3月に「DX認定制度 認定事業者」に認定された。これは、DX-Ready事業者を経済産業省が認定するものであり、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を、申請に基づいて国が認定しているものである。
また、同社は「DXマーク認証制度」における認証支援事業者として活動している。「DXマーク認証制度」は、DXを積極的に推進する企業を(一社)中小企業個人情報セキュリティー推進協会が認証するものである。同社は「DXマーク」を取得したい中小・小規模企業に対して、自社のDXアドバイザーを介して支援を行う。本格的に受付を開始してから間もないが500社近くの中小・小規模企業から認証取得のアドバイスを依頼されており(既に400社以上が認定取得)、“中小・小規模企業DXアドバイザー”としての活躍のフィールドが拡大している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<SO>
■フォーバル<8275>の事業概要
1. フォーバルビジネスグループ
フォーバルビジネスグループでは、中小・小規模企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取り次ぎなどを手掛ける。主力事業は、経営コンサルティングである可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)と、創業以来手掛けているビジネスフォンの販売をはじめとする情報通信機器やOA機器の販売だ。情報機器や通信サービスでの接点から可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)、よろず経営相談へ導き、さらに次世代経営コンサルティングでより深い解決策を提案するという一連の流れで、中小・小規模企業の多様なニーズに対応する体制を整備している。同社のコンサルティングの特色は5分野(情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継)と3手法(売上拡大、業務効率改善、リスク回避)に整理される。前期に引き続き2024年3月期は、成長戦略として「中小企業のGDX化の伴走型アドバイザーとして確固たる地位の確立」を掲げ、人材投資を先行した。
2024年3月期通期の業績は、売上高が33,343百万円(前期比13.5%増)、セグメント利益は2,093百万円(同7.8%増)と、成長性・収益性がともに高い。
2. 可視化伴走型経営支援(アイコンサービス):定期訪問と遠隔サポートを組み合わせた効率的な中小企業支援が特徴
同社の最も注目すべき事業は、2008年に提供を開始した「可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)」だろう。「アイコン」の「アイ」は、information(情報)、imagination(想像力)、idea(アイデア)、identity(独自性)、intelligence(知力)、innovation(革新)などを示し、これらを起源とするコンサルティングサービスである。定期訪問と遠隔サポート・状態監視を組み合わせた効率的な支援が特徴である。
可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)の基本構成は、「よろず経営相談」サービス、定期訪問や通信技術を使った遠隔サポート、パソコン・ネットワーク状態監視サービス、各種アプリケーションの問い合わせサービス、顧客専用サイトとなっている。また、メニューとして、経営コンサルティング系、個人情報管理系、パソコン・ネットワーク系、スマートフォン・パッド系、ホームページ系、電話系、コピー系の幅広いサービスを提供する。現在の可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)の平均顧客単価は月額20,000円程度となっている。ほかのサービスへの入り口と位置付けているため、設定金額は低めである。同サービスは、従来は自社の“企業ドクター”が行うのが基本であったが、OEM展開(パートナーの販売会社によるサービス)が大きく伸びている。アイコンサービスの全顧客数47,681件(2024年3月期末時点)のうちOEM経由(子会社経由を含む)の顧客が33,003件(同)であり、自社販売の14,678件(同)を超える。なお、自社によるアイコンサービスの数を抑制しているのは、コンサルティングの質を追求するため対象を絞っているという背景がある。可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)はそれ自体が利益率の高いサービスであることに加え端末(パソコン、タブレット、携帯電話、プリンター、コピー機など)やネットワークの状態監視から得られたビッグデータから様々な改善提案を行うことにより関連商材が拡販できるという副次的効果が大きい。
可視化伴走型経営支援(アイコンサービス)の一環としてリリースされたものには、スマートフォンから簡便かつ安価に勤怠管理を行えるクラウド型勤怠管理システム「HRMOS(ハーモス)勤怠 by FORVAL」や、業務フローの見直し・マニュアル化を行い、ペーパーレス化・標準化で業務の効率性を高めるコンサルティングサービス「PPLS(ププルス)」などがある。これらは、働き方改革を行う大前提となる勤務実態を見える化するとともに、より生産性の高い働き方への変革を支援する。追加メニューの増加は顧客単価の向上にもつながる。実際に1顧客当たり売上高(ARPU)は過去から年々上昇している。顧客件数と顧客単価の両方の伸びが重なり、アイコンサービスの売上高は7,216百万円(前期比15.2%増)と順調に成長している。
3. “中小・小規模企業DXアドバイザー”として第三者認定の取得
同社はこれまで、中小・小規模企業の経営及び情報化の支援を積み重ねており、顧客企業の満足度の高さからその支援の質には定評があった。2021年以降は複数の第三者認証を取得し、名実ともに“中小・小規模企業DXアドバイザー”の第一人者となっている。具体的には、同年3月に「DX認定制度 認定事業者」に認定された。これは、DX-Ready事業者を経済産業省が認定するものであり、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を、申請に基づいて国が認定しているものである。
また、同社は「DXマーク認証制度」における認証支援事業者として活動している。「DXマーク認証制度」は、DXを積極的に推進する企業を(一社)中小企業個人情報セキュリティー推進協会が認証するものである。同社は「DXマーク」を取得したい中小・小規模企業に対して、自社のDXアドバイザーを介して支援を行う。本格的に受付を開始してから間もないが500社近くの中小・小規模企業から認証取得のアドバイスを依頼されており(既に400社以上が認定取得)、“中小・小規模企業DXアドバイザー”としての活躍のフィールドが拡大している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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