スパークス G Research Memo(1):2024年3月期はマーケット好調の追い風も受けながら大幅な増収増益
[24/07/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:41JST スパークス G Research Memo(1):2024年3月期はマーケット好調の追い風も受けながら大幅な増収増益
■要約
1. 会社概要
スパークス・グループ<8739>は、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニーになる」というビジョンの下、1988年に設立された独立系アクティブ運用会社のパイオニアである。今ではファンド業界で当たり前の手法となった「ロング・ショート戦略※」を運用手法として日本で初めて導入するなど、独自の運用手法を確立してきた。2001年にJASDAQ市場に上場、2019年には、日本の独立系運用会社としては日本初となる東京証券取引所市場第1部への上場を果たし、アクティブ運用会社として業界をリードし続けている。2022年4月の同市場区分見直しにより、現在はプライム市場に上場している。
※値上がりが期待できる割安な銘柄を買うとともに値下がりが予想される割高な銘柄を空売りすることによって、株式相場が下落してもリターンを確保する手法。
同社グループの事業は、日本株式に投資・運用する「日本株式」、韓国及びその他のアジア地域の株式に投資・運用する「OneAsia」、再生可能エネルギー発電所などに投資・運用する「実物資産」、ベンチャー企業投資(未公開株式投資)を目的としたファンドを組成・運用する「プライベート・エクイティ」の4本柱である。これらを成長実現のための注力事業と設定し、2026年3月までに運用資産残高を2021年3月期末比2倍の3兆円に増加させることを目指している。「マクロはミクロの集積である」という独自の投資哲学に則り、徹底的な個別企業調査を行い、投資対象を選定することで、「安定性」と「高収益」を両立できる投資運用会社である点が同社の強みだ。
2. 業績動向
2024年3月期の連結業績は、営業収益が前期比23.5%増の16,498百万円、営業利益が同31.1%増の7,476百万円、経常利益が同28.6%増の8,090百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同44.2%増の6,519百万円で大幅な増収増益となった。マーケットの環境が総じて好調に推移するなか、日本株式をけん引役に運用資産残高が順調に増加し、残高報酬が同12.0%増の14,258百万円に拡大した。加えて、好調なマーケット環境の追い風を受け、成功報酬が同463.8%増の2,054百万円と急伸したことも営業収益の拡大に寄与した。営業収益が拡大するなか、人件費などのコストを適切な水準にコントロールした結果、営業利益は売上を上回る伸びを見せた。こうしたなか、持続的かつ安定的な収益力を示す指標である「基礎収益※」に関しても、同5.7%増の6,348百万円と順調に増加した。基礎収益に関しては近年、右肩上がりで成長してきており、2024年3月期は過去最高を更新した。
※基礎収益は「手数料控除後の残高報酬-固定費などの経常的経費」と定義される。成功報酬など、変動の大きい要素が含まれていないため、投資運用会社の収益の安定性を見るうえで重要な指標となる。
2025年3月期の業績予想については、主事業である投信投資顧問業は業績が経済情勢や相場環境によって大きな影響を受けるため将来の業績予想は難しいと認識し、開示していない。ただし、2024年4月の月末運用資産残高が1兆8,933億円と過去最高水準でスタートしたことに加えて、マーケット環境も堅調な見通しであることから、残高報酬が引き続き高い水準で推移すると弊社は見ている。
3. 中長期成長戦略
中長期成長戦略としては、4本柱である「日本株式」「OneAsia」「実物資産」「プライベート・エクイティ」の運用資産残高を着実に増加させながら、2026年3月までに2021年3月期末の1兆5,356億円から2倍の3兆円に増加させる目標を掲げている。同時に、新事業領域の育成にも注力する。高い成長性が期待できる「エネルギー(水素を含む)」「医療」「フィンテック」を成長領域として定め、経営資源を効率的に配分することで、新たな事業領域を育成しながら全社の資本収益性も高めていく方針だ。4本柱の運用資産残高増大とROEの向上を追求しながら、中長期的には営業利益100億円、時価総額1,000億円を目指す。
弊社では、同社グループの強みである「徹底した企業調査」→「優れた投資仮説の構築」→「仮説に基づく徹底した投資対象調査」というサイクルによって、投資家が気付いていない、新しい投資価値のある領域を見つけ出せると考えている。加えて、徹底した企業調査から導き出される仮説は斬新かつ説得力があることから、投資家からの資金も十分に集められるだろう。また、最近の日本株式市場の好調さも考慮すると、2026年3月までに運用資産残高3兆円に増加させる目標は十分に達成可能であると弊社では見ている。
■Key Points
・「マクロはミクロの集積である」を投資哲学とする独立系アクティブ運用会社
・2024年3月期はマーケット好調の追い風も受けながら大幅な増収増益
・期末運用資産残高が過去最高水準のなか、事業の持続的かつ安定的基盤となる収益力を示す基礎収益も過去最高を更新
・2026年3月までに運用資産残高を2021年3月期末比2倍の3兆円に増加させることを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<SO>
■要約
1. 会社概要
スパークス・グループ<8739>は、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニーになる」というビジョンの下、1988年に設立された独立系アクティブ運用会社のパイオニアである。今ではファンド業界で当たり前の手法となった「ロング・ショート戦略※」を運用手法として日本で初めて導入するなど、独自の運用手法を確立してきた。2001年にJASDAQ市場に上場、2019年には、日本の独立系運用会社としては日本初となる東京証券取引所市場第1部への上場を果たし、アクティブ運用会社として業界をリードし続けている。2022年4月の同市場区分見直しにより、現在はプライム市場に上場している。
※値上がりが期待できる割安な銘柄を買うとともに値下がりが予想される割高な銘柄を空売りすることによって、株式相場が下落してもリターンを確保する手法。
同社グループの事業は、日本株式に投資・運用する「日本株式」、韓国及びその他のアジア地域の株式に投資・運用する「OneAsia」、再生可能エネルギー発電所などに投資・運用する「実物資産」、ベンチャー企業投資(未公開株式投資)を目的としたファンドを組成・運用する「プライベート・エクイティ」の4本柱である。これらを成長実現のための注力事業と設定し、2026年3月までに運用資産残高を2021年3月期末比2倍の3兆円に増加させることを目指している。「マクロはミクロの集積である」という独自の投資哲学に則り、徹底的な個別企業調査を行い、投資対象を選定することで、「安定性」と「高収益」を両立できる投資運用会社である点が同社の強みだ。
2. 業績動向
2024年3月期の連結業績は、営業収益が前期比23.5%増の16,498百万円、営業利益が同31.1%増の7,476百万円、経常利益が同28.6%増の8,090百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同44.2%増の6,519百万円で大幅な増収増益となった。マーケットの環境が総じて好調に推移するなか、日本株式をけん引役に運用資産残高が順調に増加し、残高報酬が同12.0%増の14,258百万円に拡大した。加えて、好調なマーケット環境の追い風を受け、成功報酬が同463.8%増の2,054百万円と急伸したことも営業収益の拡大に寄与した。営業収益が拡大するなか、人件費などのコストを適切な水準にコントロールした結果、営業利益は売上を上回る伸びを見せた。こうしたなか、持続的かつ安定的な収益力を示す指標である「基礎収益※」に関しても、同5.7%増の6,348百万円と順調に増加した。基礎収益に関しては近年、右肩上がりで成長してきており、2024年3月期は過去最高を更新した。
※基礎収益は「手数料控除後の残高報酬-固定費などの経常的経費」と定義される。成功報酬など、変動の大きい要素が含まれていないため、投資運用会社の収益の安定性を見るうえで重要な指標となる。
2025年3月期の業績予想については、主事業である投信投資顧問業は業績が経済情勢や相場環境によって大きな影響を受けるため将来の業績予想は難しいと認識し、開示していない。ただし、2024年4月の月末運用資産残高が1兆8,933億円と過去最高水準でスタートしたことに加えて、マーケット環境も堅調な見通しであることから、残高報酬が引き続き高い水準で推移すると弊社は見ている。
3. 中長期成長戦略
中長期成長戦略としては、4本柱である「日本株式」「OneAsia」「実物資産」「プライベート・エクイティ」の運用資産残高を着実に増加させながら、2026年3月までに2021年3月期末の1兆5,356億円から2倍の3兆円に増加させる目標を掲げている。同時に、新事業領域の育成にも注力する。高い成長性が期待できる「エネルギー(水素を含む)」「医療」「フィンテック」を成長領域として定め、経営資源を効率的に配分することで、新たな事業領域を育成しながら全社の資本収益性も高めていく方針だ。4本柱の運用資産残高増大とROEの向上を追求しながら、中長期的には営業利益100億円、時価総額1,000億円を目指す。
弊社では、同社グループの強みである「徹底した企業調査」→「優れた投資仮説の構築」→「仮説に基づく徹底した投資対象調査」というサイクルによって、投資家が気付いていない、新しい投資価値のある領域を見つけ出せると考えている。加えて、徹底した企業調査から導き出される仮説は斬新かつ説得力があることから、投資家からの資金も十分に集められるだろう。また、最近の日本株式市場の好調さも考慮すると、2026年3月までに運用資産残高3兆円に増加させる目標は十分に達成可能であると弊社では見ている。
■Key Points
・「マクロはミクロの集積である」を投資哲学とする独立系アクティブ運用会社
・2024年3月期はマーケット好調の追い風も受けながら大幅な増収増益
・期末運用資産残高が過去最高水準のなか、事業の持続的かつ安定的基盤となる収益力を示す基礎収益も過去最高を更新
・2026年3月までに運用資産残高を2021年3月期末比2倍の3兆円に増加させることを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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