アドバンクリエ Research Memo(1):アバターによる接客が好評、生産性が向上し業績は再成長軌道に入る見通し
[24/07/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*15:51JST アドバンクリエ Research Memo(1):アバターによる接客が好評、生産性が向上し業績は再成長軌道に入る見通し
■要約
アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手である。「保険市場」サイトを通して問い合わせのあった見込み顧客に対して、非対面販売(通信販売、ネット完結型販売)や同社直営のコンサルティングプラザ、提携代理店、オンライン保険相談など最適なチャネルで保険商品を販売している。事業としては保険代理店事業のほか、ASP※事業、メディア事業(「保険市場」サイトによる広告収益)、メディアレップ事業、再保険事業を展開している。
※ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とは、インターネットを通して各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと。
1. 2024年9月期第2四半期累計業績の概要
2024年9月期第2四半期累計(2023年10月-2024年3月)の連結業績は、売上高で前年同期比22.5%減の5,005百万円、経常利益で同50.1%減の332百万円となった。保険代理店事業において、保険販売方針をより総合的な保険提案を行う方針に転換し、その教育に一定の時間を要したことやアポイント件数も全体的に減少したことで契約件数が減少したことが収益悪化要因となった。また前年同期に大型出稿案件のあったメディア事業が反動減で2ケタ減収と落ち込んだことも響いた。コールセンター人員の適正化などコスト削減に取組んだものの減収による売上総利益の減少をカバーしきれなかった。ただ、前下期に経常損失2,857百万円を計上していたことを考えると、収益の底は脱したものと考えられる。
2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期の連結業績は売上高で前期比18.0%増の12,000百万円、経常利益で1,500百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は経常利益で22.2%と低水準にとどまっているが、顧客とのファーストコンタクトでアバターを活用する営業施策と総合的な保険提案を行う取り組みが浸透し、申込ANP※が第3四半期に入って上向き始めていること、また固定費や変動費の削減も下期はさらに進むことから会社計画の達成は射程圏内にあると同社では見ている。アバターを活用した接客は、顧客の心理的障壁が低下し保険相談がスムーズに進み、2回目以降のアポイントや成約につながりやすくなるほか、顧客当たり申込ANPも上昇するといった効果が確認されており、同システムを積極活用することで生産性の一段の向上が期待される。
※ANP(Annualized New business Premium)とは新規契約分の年換算保険料のこと。例えば、月額保険料が5,000円の場合、ANPは6万円となる。
3. 成長戦略
同社はICTを駆使した先進的なマーケティング施策とアバター接客等の生産性の高い営業手法を組み合わせて「アポイント数×稼働率×人財」の3要素を強化することで、保険代理店事業の高成長を目指す。国内のリテール向け保険商品の年間販売額約20兆円のうち同社の販売シェアは1%未満であり、シェア拡大による成長余地は大きい。保険代理店事業を拡大することでメディア事業やメディアレップ事業、再保険事業も連鎖的に拡大するほか、アバター接客システムや顧客管理システムなどを外販するASP事業も高成長が期待できる。独立系保険代理店として保険に関するあらゆる収益機会にアプローチできる強みと先進的なマーケティング手法を駆使することで、業績は今後再成長局面に入る可能性が高いと弊社では見ている。同社は目標とする経営指標としてROE、売上高経常利益率でそれぞれ20%以上を掲げており、今後の動向が注目される。
■Key Points
・2024年9月期第2四半期累計業績は販売方針の変更もあって減収減益となったものの収益の底は脱する
・2024年9月期業績は期初計画を据え置き、下期に収益回復が鮮明となる見通し
・「OMO×FinTech」及び「ポートフォリオ戦略」の推進により売上高経常利益率、ROEで20%以上、自己資本比率80%以上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
■要約
アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手である。「保険市場」サイトを通して問い合わせのあった見込み顧客に対して、非対面販売(通信販売、ネット完結型販売)や同社直営のコンサルティングプラザ、提携代理店、オンライン保険相談など最適なチャネルで保険商品を販売している。事業としては保険代理店事業のほか、ASP※事業、メディア事業(「保険市場」サイトによる広告収益)、メディアレップ事業、再保険事業を展開している。
※ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とは、インターネットを通して各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと。
1. 2024年9月期第2四半期累計業績の概要
2024年9月期第2四半期累計(2023年10月-2024年3月)の連結業績は、売上高で前年同期比22.5%減の5,005百万円、経常利益で同50.1%減の332百万円となった。保険代理店事業において、保険販売方針をより総合的な保険提案を行う方針に転換し、その教育に一定の時間を要したことやアポイント件数も全体的に減少したことで契約件数が減少したことが収益悪化要因となった。また前年同期に大型出稿案件のあったメディア事業が反動減で2ケタ減収と落ち込んだことも響いた。コールセンター人員の適正化などコスト削減に取組んだものの減収による売上総利益の減少をカバーしきれなかった。ただ、前下期に経常損失2,857百万円を計上していたことを考えると、収益の底は脱したものと考えられる。
2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期の連結業績は売上高で前期比18.0%増の12,000百万円、経常利益で1,500百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は経常利益で22.2%と低水準にとどまっているが、顧客とのファーストコンタクトでアバターを活用する営業施策と総合的な保険提案を行う取り組みが浸透し、申込ANP※が第3四半期に入って上向き始めていること、また固定費や変動費の削減も下期はさらに進むことから会社計画の達成は射程圏内にあると同社では見ている。アバターを活用した接客は、顧客の心理的障壁が低下し保険相談がスムーズに進み、2回目以降のアポイントや成約につながりやすくなるほか、顧客当たり申込ANPも上昇するといった効果が確認されており、同システムを積極活用することで生産性の一段の向上が期待される。
※ANP(Annualized New business Premium)とは新規契約分の年換算保険料のこと。例えば、月額保険料が5,000円の場合、ANPは6万円となる。
3. 成長戦略
同社はICTを駆使した先進的なマーケティング施策とアバター接客等の生産性の高い営業手法を組み合わせて「アポイント数×稼働率×人財」の3要素を強化することで、保険代理店事業の高成長を目指す。国内のリテール向け保険商品の年間販売額約20兆円のうち同社の販売シェアは1%未満であり、シェア拡大による成長余地は大きい。保険代理店事業を拡大することでメディア事業やメディアレップ事業、再保険事業も連鎖的に拡大するほか、アバター接客システムや顧客管理システムなどを外販するASP事業も高成長が期待できる。独立系保険代理店として保険に関するあらゆる収益機会にアプローチできる強みと先進的なマーケティング手法を駆使することで、業績は今後再成長局面に入る可能性が高いと弊社では見ている。同社は目標とする経営指標としてROE、売上高経常利益率でそれぞれ20%以上を掲げており、今後の動向が注目される。
■Key Points
・2024年9月期第2四半期累計業績は販売方針の変更もあって減収減益となったものの収益の底は脱する
・2024年9月期業績は期初計画を据え置き、下期に収益回復が鮮明となる見通し
・「OMO×FinTech」及び「ポートフォリオ戦略」の推進により売上高経常利益率、ROEで20%以上、自己資本比率80%以上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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