CSSHD Research Memo(4):主力のスチュワード事業をはじめ、全事業で増収増益を確保
[24/07/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:24JST CSSHD Research Memo(4):主力のスチュワード事業をはじめ、全事業で増収増益を確保
■CSSホールディングス<2304>の業績動向
2.事業セグメント別動向
(1) スチュワード事業
売上高は4,200百万円(前年同期比35.9%増)、営業利益は321百万円(同133.2%増)、営業利益率は7.7%(同3.2ポイント上昇)と、全体の好業績をけん引した。国内観光客及びインバウンド観光の需要が2023年9月期に続き高い水準を維持し、ホテルの客室及びレストランが高稼働を継続したことによる。外資を中心に超高級・宿泊特化型ホテルの開業も多く、同社への業務委託の引き合いも堅調で、上期の新規受託数は7件となった。急激な稼働率の上昇と新規事業所開業に対して安定的な提供品質や労働環境の安全を維持することの重要性が増しており、同社は密な実地点検や情報共有及びエスカレーション(問題や案件につき、上位者や専門家に判断・支持を仰ぐこと)といった対応を強化している。2024年4月1日に35名の新卒社員が入社し、首都圏のみならず関西・東海・九州エリアへの配属を予定している。
売上高規模別取引先数構成比の推移を見ると、同事業のコロナ禍前と比べて2023年9月期及び2024年9月期は12百万円以下の割合が低くなり、それ以上の規模のホテルの割合が高くなっている。ホテル需要の急回復に対して、大規模ホテルでは人手が不足していることを示している。
なお第2四半期開始時に令和6年能登半島地震により同社の受託先も被災した。全体の業績に対する影響は軽微であるが、従業員の雇用の復調に向け、取引先と密に情報交換をしている。
(2) フードサービス事業
売上高は1,877百万円(前年同期比24.4%増)、営業利益は54百万円(同6.2%増)、営業利益率は2.9%(同0.5ポイント低下)となった。国内客観光及びインバウンド観光の需要が前期以来の高い水準を維持し、さらに拡張トレンドにあることで朝食レストランの受託サービスを中心に業績が大幅に拡大した。同社への業務委託の引き合いも着実に増加しており、上期における新規受託数は8件となった。食材高騰に対応するため、コスト面のマネジメントは従来以上に注視しており、価格転嫁を進めている。2024年4月1日に17名の新卒社員が入社し、首都圏・関西・東海・中国エリアへの配属を予定している。なかでも首都圏では、ライフケア領域の強化に重点を置いて、顧客提供価値の多様化に向けて継続的に取り組んでいる。
サービス形態別の取引先数構成比を見ると、コロナ禍以前の2018年にはコントラクト(社員食堂の受託)が7割以上を占めていたが、アフターコロナの2024年にはレストランが全体の半分にまで増加した。近年は宿泊特化型のホテルが増加しており、ホテル側では朝食で差別化したいというニーズがあるようだ。
(3) 空間プロデュース事業
売上高は3,062百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は263百万円(同94.9%増)、営業利益率は8.6%(同3.8ポイント上昇)となった。コロナ禍の収束に伴い機会を着実に増やしており、施工会社との連携、展示会やデモ視聴といった大規模商談、メーカーミーティングや研修会などの同社のアップデート頻度が、具体的な商談・案件として実現した。また、執務環境の刷新やグループ内人事によって内部的にも執行環境を変更した。過去案件の収益貢献を勘案し、トップラインよりも最終的な収益確保に重点を置いたマネジメントや社内の議論が進んで収益性が大きく改善した。ただ、同事業では3月決算の顧客が多く、第2四半期に収益ピークを迎えるため、下期の売上・利益は少ない。
東洋メディアリンクスにおいて、金融機関・法人施設ともに監視カメラを中心としたIVT(監視カメラ)関連の設備更新需要は堅調である。グリーンや照明など、新たな空間プロデュースソリューションを外部会社との連携を広げたことで、施工会社とのコミュニケーションが強化された。音響特機におけるプロ仕様の音響機器取り扱いは、興行の活性化に準じて案件を増やしている。外資企業がグローバル標準のテレコミュニケーション設備を、同社が専任で取り扱う海外ブランド品指定で施工するケースが増加している。Mood Media Japanにおいてはホテル・観光・レジャー業界での施工品質の評価に加え、業界の活況に伴って紹介やセミナー・勉強会といった機会の引き合いからの商談・施工が増えている。
3. 財務状況と経営指標
2024年9月期第2四半期末の財務状況は、資産合計は前期末比758百万円増加の6,459百万円となった。主な増減要因は、流動資産が763百万円の増加となった。受取手形、売掛金及び契約資産691百万円の増加等によるものである。また、固定資産については5百万円の減少となった。投資有価証券が30百万円増加した一方で、繰延税金資産31百万円の減少、その他7百万円の減少等によるものである。
負債合計は前期末比466百万円増加し、3,820百万円となった。主な増減要因は、流動負債の456百万円の増加であった。支払手形及び買掛金236百万円の増加、短期借入金200百万円の増加、未払金74百万円の増加等によるものである。固定負債ついては9百万円の増加となった。退職給付に係る負債11百万円の増加等によるものである。純資産合計は前期末比292百万円増加し、2,638百万円となった。主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益323百万円の計上により増加した一方、剰余金の配当51百万円により減少したこと等によるものである。
以上の結果、借入金合計は前期末比200百万円増加の950百万円となった。長期借入金はなく、同社グループでは短期借入金で事業の運営ができている。安全性の指標である自己資本比率は40.8%で、2024年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する全産業平均の33.7%を上回る。また、同社が属するサービス業平均の6.2%を大きく上回っている。DEレシオも0.38倍と、有利子負債は自己資本を大きく下回っており、財務の健全性は極めて高いと評価できる。収益性の指標では、2023年9月期のROAは5.8%、ROEは10.2%で、2024年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する全産業平均の4.5%、9.5%や、サービス業平均の0.7%、6.7%を上回り、収益力も高いと評価できる。
2024年9月期第2四半期における現金及び現金同等物は、前期末より37百万円増加し、815百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益が520百万円となり、売上債権の増加691百万円、仕入債務の増加236百万円、賞与引当金の減少51百万円、未払消費税等の減少82百万円等によって、使用した資金は74百万円(前年同期は99百万円の取得)となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産取得による支出23百万円等により、使用した資金は27百万円(前年同期は15百万円の使用)となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加額200百万円、配当金の支払額51百万円等により、得られた資金は139百万円(前年同期は103百万円の使用)となった。
以上からフリー・キャッシュ・フローは102百万円の支出となり同社が生み出した利益の中で自由に使える資金が少ないことを示している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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■CSSホールディングス<2304>の業績動向
2.事業セグメント別動向
(1) スチュワード事業
売上高は4,200百万円(前年同期比35.9%増)、営業利益は321百万円(同133.2%増)、営業利益率は7.7%(同3.2ポイント上昇)と、全体の好業績をけん引した。国内観光客及びインバウンド観光の需要が2023年9月期に続き高い水準を維持し、ホテルの客室及びレストランが高稼働を継続したことによる。外資を中心に超高級・宿泊特化型ホテルの開業も多く、同社への業務委託の引き合いも堅調で、上期の新規受託数は7件となった。急激な稼働率の上昇と新規事業所開業に対して安定的な提供品質や労働環境の安全を維持することの重要性が増しており、同社は密な実地点検や情報共有及びエスカレーション(問題や案件につき、上位者や専門家に判断・支持を仰ぐこと)といった対応を強化している。2024年4月1日に35名の新卒社員が入社し、首都圏のみならず関西・東海・九州エリアへの配属を予定している。
売上高規模別取引先数構成比の推移を見ると、同事業のコロナ禍前と比べて2023年9月期及び2024年9月期は12百万円以下の割合が低くなり、それ以上の規模のホテルの割合が高くなっている。ホテル需要の急回復に対して、大規模ホテルでは人手が不足していることを示している。
なお第2四半期開始時に令和6年能登半島地震により同社の受託先も被災した。全体の業績に対する影響は軽微であるが、従業員の雇用の復調に向け、取引先と密に情報交換をしている。
(2) フードサービス事業
売上高は1,877百万円(前年同期比24.4%増)、営業利益は54百万円(同6.2%増)、営業利益率は2.9%(同0.5ポイント低下)となった。国内客観光及びインバウンド観光の需要が前期以来の高い水準を維持し、さらに拡張トレンドにあることで朝食レストランの受託サービスを中心に業績が大幅に拡大した。同社への業務委託の引き合いも着実に増加しており、上期における新規受託数は8件となった。食材高騰に対応するため、コスト面のマネジメントは従来以上に注視しており、価格転嫁を進めている。2024年4月1日に17名の新卒社員が入社し、首都圏・関西・東海・中国エリアへの配属を予定している。なかでも首都圏では、ライフケア領域の強化に重点を置いて、顧客提供価値の多様化に向けて継続的に取り組んでいる。
サービス形態別の取引先数構成比を見ると、コロナ禍以前の2018年にはコントラクト(社員食堂の受託)が7割以上を占めていたが、アフターコロナの2024年にはレストランが全体の半分にまで増加した。近年は宿泊特化型のホテルが増加しており、ホテル側では朝食で差別化したいというニーズがあるようだ。
(3) 空間プロデュース事業
売上高は3,062百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は263百万円(同94.9%増)、営業利益率は8.6%(同3.8ポイント上昇)となった。コロナ禍の収束に伴い機会を着実に増やしており、施工会社との連携、展示会やデモ視聴といった大規模商談、メーカーミーティングや研修会などの同社のアップデート頻度が、具体的な商談・案件として実現した。また、執務環境の刷新やグループ内人事によって内部的にも執行環境を変更した。過去案件の収益貢献を勘案し、トップラインよりも最終的な収益確保に重点を置いたマネジメントや社内の議論が進んで収益性が大きく改善した。ただ、同事業では3月決算の顧客が多く、第2四半期に収益ピークを迎えるため、下期の売上・利益は少ない。
東洋メディアリンクスにおいて、金融機関・法人施設ともに監視カメラを中心としたIVT(監視カメラ)関連の設備更新需要は堅調である。グリーンや照明など、新たな空間プロデュースソリューションを外部会社との連携を広げたことで、施工会社とのコミュニケーションが強化された。音響特機におけるプロ仕様の音響機器取り扱いは、興行の活性化に準じて案件を増やしている。外資企業がグローバル標準のテレコミュニケーション設備を、同社が専任で取り扱う海外ブランド品指定で施工するケースが増加している。Mood Media Japanにおいてはホテル・観光・レジャー業界での施工品質の評価に加え、業界の活況に伴って紹介やセミナー・勉強会といった機会の引き合いからの商談・施工が増えている。
3. 財務状況と経営指標
2024年9月期第2四半期末の財務状況は、資産合計は前期末比758百万円増加の6,459百万円となった。主な増減要因は、流動資産が763百万円の増加となった。受取手形、売掛金及び契約資産691百万円の増加等によるものである。また、固定資産については5百万円の減少となった。投資有価証券が30百万円増加した一方で、繰延税金資産31百万円の減少、その他7百万円の減少等によるものである。
負債合計は前期末比466百万円増加し、3,820百万円となった。主な増減要因は、流動負債の456百万円の増加であった。支払手形及び買掛金236百万円の増加、短期借入金200百万円の増加、未払金74百万円の増加等によるものである。固定負債ついては9百万円の増加となった。退職給付に係る負債11百万円の増加等によるものである。純資産合計は前期末比292百万円増加し、2,638百万円となった。主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益323百万円の計上により増加した一方、剰余金の配当51百万円により減少したこと等によるものである。
以上の結果、借入金合計は前期末比200百万円増加の950百万円となった。長期借入金はなく、同社グループでは短期借入金で事業の運営ができている。安全性の指標である自己資本比率は40.8%で、2024年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する全産業平均の33.7%を上回る。また、同社が属するサービス業平均の6.2%を大きく上回っている。DEレシオも0.38倍と、有利子負債は自己資本を大きく下回っており、財務の健全性は極めて高いと評価できる。収益性の指標では、2023年9月期のROAは5.8%、ROEは10.2%で、2024年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する全産業平均の4.5%、9.5%や、サービス業平均の0.7%、6.7%を上回り、収益力も高いと評価できる。
2024年9月期第2四半期における現金及び現金同等物は、前期末より37百万円増加し、815百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益が520百万円となり、売上債権の増加691百万円、仕入債務の増加236百万円、賞与引当金の減少51百万円、未払消費税等の減少82百万円等によって、使用した資金は74百万円(前年同期は99百万円の取得)となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産取得による支出23百万円等により、使用した資金は27百万円(前年同期は15百万円の使用)となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加額200百万円、配当金の支払額51百万円等により、得られた資金は139百万円(前年同期は103百万円の使用)となった。
以上からフリー・キャッシュ・フローは102百万円の支出となり同社が生み出した利益の中で自由に使える資金が少ないことを示している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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