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サイジニア Research Memo(2):さらなる利益成長へ向け、構造改革の仕上げに入る

注目トピックス 日本株
*14:02JST サイジニア Research Memo(2):さらなる利益成長へ向け、構造改革の仕上げに入る
■会社概要

1. 会社概要
サイジニア<6031>は、ECサイト内検索やリテールメディア広告などCX(顧客体験)改善サービスを事業領域に、ブランドやリテーラー※1といったEC事業者に対し、デジタルマーケティングサービスを提供している。EC全般にわたる一気通貫したハイエンドなサービスに強みがあり、顧客に大手小売企業が多いことや、小売にとって喫緊の課題であるECやOMO※2の強化を支援できることを特長としている。構造改革の一環として不採算のネット広告サービスを事業売却し、リテールメディア広告の成長が始まるタイミングで中期経営計画を策定したが、さらなる利益成長を目指し、子会社を吸収合併するなど構造改革の仕上げに入ったところである。

※1 ブランドやリテーラー:ブランドは自社商品(ブランド)を中心に扱っている小売、リテーラーは他社商品も扱う小売またはマーケットプレイスを指す。前者はメーカーのDtoC(メーカー直販)やアパレル、SPA型小売で、後者は品揃え型(編集型)小売やショッピングセンター、ECモールなどである。
※2 OMO(Online Merges with Offline):オンライン(EC)とオフライン(実店舗)を融合しユーザー中心の顧客体験を実現する店頭接客DXのこと。


ZETA経営統合を起点に構造改革を実行

2. 沿革
サイジニア<6031>は2005年、北海道大学大学院情報科学研究科の准教授だった吉井伸一郎(よしいしんいちろう)氏によって創業された。2007年にビッグデータ解析技術を用いたレコメンデーションなどCX改善サービスを開始、2014年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズに上場すると提携などにより業容拡大のピッチを上げ、2020年にはデクワスを子会社化してネット広告の分野にも進出した。一方、2006年に山崎徳之(やまざきのりゆき)氏によって創業されたZETAは、ECサイト内検索や商品レビュー、OMOなどハイエンド向けCX改善サービスを展開する高収益・高成長企業である。同社は、2021年にZETAを株式交換により完全子会社化して、ネット広告サービスとCX改善サービスを両輪に成長を図ろうとした。しかし、クッキー規制※により競争の激しいネット広告市場が不安定化すると予測されたため、2023年にネット広告サービスを事業売却し、高収益・高成長のCX改善サービスに経営資源を集中させるなど構造改革を実行し、現在、仕上げ局面を迎えている。なお、株式上場については、2022年4月の東証市場再編によりグロース市場に移行している。

※ クッキー規制:3PC(3rd Party Cookie)は他社サイトを含むWebサイト閲覧者の行動をトラッキングできる技術で、リターゲティング広告などに広く普及している。しかし、ユーザーのプライバシー保護の観点から3PCの利用に制限が求められており、利用が制限された場合、多くのWebマーケティング企業やリターゲティング広告などのサービスに影響が及ぶことが予想されている。なお、影響は小さいが、自社サイトでの行動履歴である1st Party Cookieも規制に含まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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