ケアネット Research Memo(6):2024年12月期は増収減益を計画。新たなサービスの開発に注力
[24/09/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*11:06JST ケアネット Research Memo(6):2024年12月期は増収減益を計画。新たなサービスの開発に注力
■ケアネット<2150>の今後の見通し
1. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比13.3%増の11,600百万円、営業利益で同9.4%減の2,200百万円、経常利益で同10.8%減の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.7%減の1,500百万円を見込んでいる。主要顧客である製薬企業のMR人員の大幅な削減、為替相場の円安ドル高の影響等により業績の見通しが立ちにくいため、前期末時点で確度の高い数値を開示している。主力事業である医薬DX事業の第3四半期以降の受注状況は堅調であり、通期計画の達成に対する蓋然性は高いと弊社では見ている。
主力事業である医薬DX事業については、既存の製薬企業向け適正普及支援サービスの販売体制強化などにより売上高増加を図る一方で、今後の成長のためには、コンプライアンス規制の厳格化など厳しい営業環境が続く製薬企業のニーズに対応する品質の高いスペシャリティ医薬品に適したサービスを開発し続けることが必須であると捉えている。既存サービスの販売拡充のほか、各製薬企業に合わせたより付加価値の高いサービス提供、製薬企業向けオウンドサイト支援の新規参画に注力することで増収を見込む。同セグメントの売上高は、製薬企業の予算消化の動きに合わせ、第4四半期にピークを迎えるという季節性が見られることから、2024年12月期においても第4四半期に大きく売上高が伸びるものと弊社では見ている。
メディカルプラットフォーム事業では、「ケアネットキャリア」及び「CareNeTV」ともに医療コンテンツの質の向上、生涯学習コンテンツの拡充により、新規会員を獲得し増収につなげる。「ケアネットキャリア」はキャリア支援サービスに加えて、医療機関と新規開業を希望する医師をマッチングさせるサービスもあり、今後の成長が期待される。ここ数年はクリニックを中心に医療機関で後継者不在の問題が顕在化しはじめており、医業承継支援サービスの需要増加が背景にある。「CareNeTV」では、専門医試験対策シリーズの拡張や人気講師によるライブセミナー等、魅力的なコンテンツを揃えることで有料会員数のさらなる積み上げを図る。医療機関経営支援事業については、アイデア出しを進めており、トライアルで動いている案件もある。サービスとして早期ローンチができるよう引き続き注力するとしている。
売上原価項目を含む費用面は、前期に引き続きスペシャリティ医薬品に適したサービス・新規事業の開発投資及び人員強化を積極的に行う。既存事業の営業利益率、プロジェクト単価・クロスマージンに関しては引き続き一定水準を確保している。新規事業の開発コストがかかる一方で、余計なコストを圧縮し筋肉質な体質となるよう構造改革を実施する。新規事業開発に向けたコストがアロケーションされることで全体の営業利益率は前期比では下がるものの、新規事業開発に関連する売上が実現することで改善されるものと弊社では考える。
足元では、九州エリア最大手の医薬品卸として地域医療機関の情報収集力や施設へのアクセス力を有するフォレストホールディングスと合弁でクラックスを2024年2月に設立した。グループ企業のケアネットパートナーズがCSO事業を日本全国に展開するなか、クラックスは派遣MRの域を超えた医師との厳密なエンゲージメントを創出するサービスの提供を目指している。まずは、九州エリアを中心とした事業展開について決定しており、既存事業改善のヒントにつながる多くの情報が得られるものと弊社では見ている。
またCRO企業のSatt(株)の全株式取得に関する合意を、2024年5月に発表した。Satt・同社・クレイスの連携により、治験業務を行う医療機関や製薬企業に向けた高度な治験支援事業の開発などのシナジーが期待できる。また、治験支援業務を一貫して製薬企業から受託できる体制の構築を目指す。これを「ビジョン2026」の重点開発項目であるシードインキュベーション事業の推進にもつなげる方針である。シードインキュベーターであるLinDoが海外から見つけてきた新薬を導入する際、同社のCRO・SMOにより治験プロセスの効率化を提供する体制が一層整備されてきたと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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■ケアネット<2150>の今後の見通し
1. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比13.3%増の11,600百万円、営業利益で同9.4%減の2,200百万円、経常利益で同10.8%減の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.7%減の1,500百万円を見込んでいる。主要顧客である製薬企業のMR人員の大幅な削減、為替相場の円安ドル高の影響等により業績の見通しが立ちにくいため、前期末時点で確度の高い数値を開示している。主力事業である医薬DX事業の第3四半期以降の受注状況は堅調であり、通期計画の達成に対する蓋然性は高いと弊社では見ている。
主力事業である医薬DX事業については、既存の製薬企業向け適正普及支援サービスの販売体制強化などにより売上高増加を図る一方で、今後の成長のためには、コンプライアンス規制の厳格化など厳しい営業環境が続く製薬企業のニーズに対応する品質の高いスペシャリティ医薬品に適したサービスを開発し続けることが必須であると捉えている。既存サービスの販売拡充のほか、各製薬企業に合わせたより付加価値の高いサービス提供、製薬企業向けオウンドサイト支援の新規参画に注力することで増収を見込む。同セグメントの売上高は、製薬企業の予算消化の動きに合わせ、第4四半期にピークを迎えるという季節性が見られることから、2024年12月期においても第4四半期に大きく売上高が伸びるものと弊社では見ている。
メディカルプラットフォーム事業では、「ケアネットキャリア」及び「CareNeTV」ともに医療コンテンツの質の向上、生涯学習コンテンツの拡充により、新規会員を獲得し増収につなげる。「ケアネットキャリア」はキャリア支援サービスに加えて、医療機関と新規開業を希望する医師をマッチングさせるサービスもあり、今後の成長が期待される。ここ数年はクリニックを中心に医療機関で後継者不在の問題が顕在化しはじめており、医業承継支援サービスの需要増加が背景にある。「CareNeTV」では、専門医試験対策シリーズの拡張や人気講師によるライブセミナー等、魅力的なコンテンツを揃えることで有料会員数のさらなる積み上げを図る。医療機関経営支援事業については、アイデア出しを進めており、トライアルで動いている案件もある。サービスとして早期ローンチができるよう引き続き注力するとしている。
売上原価項目を含む費用面は、前期に引き続きスペシャリティ医薬品に適したサービス・新規事業の開発投資及び人員強化を積極的に行う。既存事業の営業利益率、プロジェクト単価・クロスマージンに関しては引き続き一定水準を確保している。新規事業の開発コストがかかる一方で、余計なコストを圧縮し筋肉質な体質となるよう構造改革を実施する。新規事業開発に向けたコストがアロケーションされることで全体の営業利益率は前期比では下がるものの、新規事業開発に関連する売上が実現することで改善されるものと弊社では考える。
足元では、九州エリア最大手の医薬品卸として地域医療機関の情報収集力や施設へのアクセス力を有するフォレストホールディングスと合弁でクラックスを2024年2月に設立した。グループ企業のケアネットパートナーズがCSO事業を日本全国に展開するなか、クラックスは派遣MRの域を超えた医師との厳密なエンゲージメントを創出するサービスの提供を目指している。まずは、九州エリアを中心とした事業展開について決定しており、既存事業改善のヒントにつながる多くの情報が得られるものと弊社では見ている。
またCRO企業のSatt(株)の全株式取得に関する合意を、2024年5月に発表した。Satt・同社・クレイスの連携により、治験業務を行う医療機関や製薬企業に向けた高度な治験支援事業の開発などのシナジーが期待できる。また、治験支援業務を一貫して製薬企業から受託できる体制の構築を目指す。これを「ビジョン2026」の重点開発項目であるシードインキュベーション事業の推進にもつなげる方針である。シードインキュベーターであるLinDoが海外から見つけてきた新薬を導入する際、同社のCRO・SMOにより治験プロセスの効率化を提供する体制が一層整備されてきたと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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