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日本リビング保証 Research Memo(5):2024年6月期は前回予想を上回る大幅増収増益、過去最高業績で着地

注目トピックス 日本株
*12:05JST 日本リビング保証 Research Memo(5):2024年6月期は前回予想を上回る大幅増収増益、過去最高業績で着地
■日本リビング保証<7320>の業績動向

1. 2024年6月期連結業績の概要
2024年6月期の連結業績は、売上高が前期比36.7%増の5,359百万円、営業利益が同67.2%増の1,240百万円、経常利益が同48.1%増の1,512百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同29.6%増の973百万円となった。前回予想(2024年2月9日付で売上高を110百万円上方修正、営業利益を160百万円上方修正、経常利益を160百万円上方修正、親会社株主に帰属する当期純利益を117百万円上方修正し、売上高4,930百万円、営業利益1,000百万円、経常利益1,220百万円、親会社株主に帰属する当期純利益896百万円)を上回る大幅増収増益、過去最高業績で着地した。HomeworthTech事業、ExtendTech事業とも売上高が大幅伸長し、利益率の高いサービスの伸長や業務効率化効果なども寄与した。

売上総利益は前期比43.5%と増加し、売上総利益率は同3.6ポイント上昇して74.7%となった。販管費は賞与引当金を含む人件費の増加などで同35.0%増加したが、販管費比率は同0.7ポイント低下して51.5%となった。この結果、営業利益率は同4.2ポイント上昇して23.1%となり、高収益化が一段と進展した。

営業利益を増減分析すると、それぞれ前期比で、売上高増加により1,439百万円増、売上原価額の増加により224百万円減、人件費(採用費・研修費を含む)の増加により549百万円減、その他販管費の増加により167百万円減となった。

経常利益率は前期比2.1ポイント上昇して28.2%となった。営業利益の増加に加え、営業外収益で投資不動産賃貸料が44百万円増加したことも寄与した。特別損失では投資有価証券評価損206百万円を計上した。


HomeworthTech事業、ExtendTech事業とも大幅伸長

2. セグメント別の動向
セグメント別では、HomeworthTech事業は売上高が前期比32.0%増の2,978百万円、営業利益が同21.4%増の146百万円となった。売上高の内訳は保証サービスが同32.0%増の2,335百万円、検査補修サービスが同39.6%増の429百万円、その他が同18.4%増の213百万円となった。保証サービスを中心に大幅増収となり、利益面では「建物20年保証バックアップサービス」など利益率の高いサービスの伸長も寄与した。新規契約獲得金額は同36.0%増の4,508百万円で、前受収益・長期前受収益残高は同23.9%増の11,746百万円となった。電子マネーの導入社数は累計120社となり、未使用残高は2,362百万円となった。

ExtendTech事業は売上高が前期比42.6%増の2,316百万円、営業利益が同74.9%増の1,153百万円となった。分野別売上高は再生可能エネルギー分野が同56.7%増の1,794百万円、家電・その他分野が同9.0%増の522百万円となった。社会的ニーズの高い蓄電池をはじめとする再生可能エネルギー分野が急拡大し、計画以上の利益となった。

また四半期別の売上高推移を見るとHomeworthTech事業、ExtendTech事業とも拡大基調であり、特に2024年6月期第4四半期はHomeworthTech事業、ExtendTech事業とも過去最高の売上高となった。


実質的な財務の健全性は高い

3. 財務の状況
財務状況は、2024年6月期末の資産合計は前期末比4,490百万円増加の24,593百万円となった。主に流動資産で現金及び預金が同1,548百万円減、固定資産で差入保証金が同658百万円減となった一方で、流動資産で売掛金が同922百万円増、立替金が同1,585百万円増、固定資産では投資有価証券が同1,924百万円増、長期前払費用が同772百万円増、投資不動産(純額)が同810百万円増となった。負債合計は同3,430百万円増加して21,588百万円となった。主に長期前受収益が同1,990百万円増、長期預り金が同445百万円増となった。純資産合計は同1,059百万円増加して3,005百万円となった。主に当期純利益の計上により利益剰余金が同923百万円増となった。この結果、自己資本比率は前期比2.5ポイント上昇して12.2%となった。

なお同社の自己資本比率は12.2%と低水準の形だが、これはサービス提供前に保証料を受け取る同社のビジネスモデルに起因するものである。HomeworthTech事業において期間按分される売上と原価については、売上未計上分は負債の前受収益(1年以内に収益化される予定の保証料)または長期前受収益(1年を超える予定の保証料)、取扱店・代理店に支払う販売手数料は資産の前払費用または長期前払費用、損害保険会社に支払う損害保険料や電子マネーの未使用残高は負債の預り金または長期預り金として計上されるため、貸借対照表が膨らむ形となっている。しかし有利子負債残高は2,498百万円にとどまっており、負債の内訳は将来の利益の源泉となる前受収益または長期前受収益が58.6%、預り金または長期預り金が24.1%、有利子負債が11.6%となっている。キャッシュ・フローの状況にも特に懸念材料は見当たらず、実質的な財務の健全性は高いと弊社では判断している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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