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ドラフト Research Memo(10):第2四半期時点の売上高は通期目標の55.7%を達成(1)

注目トピックス 日本株
*14:10JST ドラフト Research Memo(10):第2四半期時点の売上高は通期目標の55.7%を達成(1)
■ドラフト<5070>の中期経営計画

1. 中期経営計画
中期経営計画(2024年12月期〜2026年12月期)においては、最終年度となる2026年12月期に売上高145億円、営業利益率9%を目標としている。目標達成による当期純利益の増加のほか、持続的な成長、利益の拡大、及びブランド価値の向上により、株価収益率(PER)を上げ、企業の市場評価を高める。時価総額は、2023年12月期末時点の71億円から2026年12月末に150億円を目指す。つまり、3年間で市場価値を倍増させる計画である。なお、時価総額目標の設定はグロース市場では希少である。

(1) 基本方針
同社グループは、中期経営計画(2021年12月期〜2023年12月期)に引き続き、基本方針に「収益化と価値創造を循環させるプロジェクトタイプ戦略」を掲げ、デザイン力を中心とした価値創造を通じて継続的な成長を目指す。この基本方針のもと、リーディングプロジェクトをエンジンとするプロジェクトタイプ戦略を継続し、新たなデザインの実現と事業拡大を図ることで、ブランド価値の向上に努める。特に、山下泰樹建築デザイン研究所の積極的な活動により、業界をリードするデザインを生み出し、それを事業拡大の起点とする計画である。加えて、同社は、「人材は成長の原動力であり、その確保と育成による組織力の強化が重要な経営課題」と考えている。このため、人材戦略に関する基本方針を定め、実践している。

a) 収益化と価値創造を循環させるプロジェクトタイプ戦略
同社は、コア事業であるインテリア・建築プロジェクトを3つのタイプに分類し、それぞれの特性を活かした戦略を実行している。業績基盤となる「レギュラープロジェクト」は、安定した収益を確保し、事業の持続可能性を支える役割を、「プロポーザルプロジェクト」では新たなビジネスチャンスを探求し、企業の成長機会を広げる。そして最も注目すべきは、「リーディングプロジェクト」。企業のブランド価値を大幅に向上させることを目的として、社会的に意義のある大型案件に取り組んでいる。

b) 人的資本
同社グループは、「ALL HAPPY BY DESIGN」という経営理念を掲げている。この理念は、デザインの力を通じて世界にHAPPYの循環をもたらし、社会に貢献することを目指している。ヒューマン・エクスペリエンスを向上させる空間の創造を通して、この理念を実現する考えだ。デザイン事業を核とする同社グループにとって、事業を牽引するのは「人」そのものである。

持続的な成長と「ALL HAPPY BY DESIGN」の実現には、3つの要素が不可欠である。まず、「社員自身が幸福であること」、次に、「多様性が確保されていること」、そして、「経営理念に共感し、企業文化を継承できる人材の育成」である。

c) 社員自身が幸福であること
幸福の基準は個人によって異なるものの、働く環境は社員すべてにとって重要な要素である。この認識のもと、社員が心地良く、効率的に働けるオフィス環境の整備に力を入れている。2022年12月には、社員のコミュニケーション促進と企業としての一体感醸成を目的として、代表の山下氏が自らデザインし視覚的にも優れた新しい本社オフィスへの移転を実施した。新オフィスは、物理的な空間に余裕を持たせ、より良い執務環境を提供している。

また、同社はハード面だけでなく、ソフト面でも社員の幸福を支援する施策を講じている。選択型週休3日制度を導入し、希望者は四半期ごとに週休3日勤務を選べるほか、給与の減少がないように制度を構築した。一方で、週休2日を選択してより高い成果をあげた社員にはより高い報酬を付与するといった、緊張感のある制度運営を行っている。社員の住居に関しても、一定水準以上の住居を利用する社員に対して費用の一部を補助する制度を設けている。これは、空間デザインを事業の核とする同社にとって、社員の住居も重要な空間であるという考えに基づいている。ほかにも、子育て支援策として、男女問わず社員が安心して子供を預けられる会社専属のベビーシッターサービスや、外部の専門コンシェルジュが常駐して社員の生活全般をサポートする社内コンシェルジュサービスも新たに展開し、仕事と私生活のバランスの向上を図っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)



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