エージェント・インシュアランス・グループ Research Memo(5):安定的な収益構造を確立(3)
[24/09/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:05JST エージェント・インシュアランス・グループ Research Memo(5):安定的な収益構造を確立(3)
■事業概要
3. エージェント・インシュアランス・グループ<5836>の手数料ポイント制度
手数料ポイント制度とは、損害保険代理店の主な収益源である損害保険会社からの手数料率が、損害保険会社が定める基準によって変動する制度のことである。全国商工新聞によると、同制度導入前は一定の基準を満たせば一律20%前後の手数料が相場であったが、ポイント制度の導入によって20〜111のポイント格差が生じるようになった。一例を挙げると、保険料10万円の自動車保険を販売した場合、同制度導入前は20%の20,000円が代理店に手数料として支払われた。一方、同制度導入後は、ポイントが20であれば手数料は4,000円、100であれば20,000円、111であれば22,200円と大きく変動する。
手数料ポイントが収益に直結するため、いかにポイントを高めるかが重要であり、従来は、代理店の規模(年間の収入保険料)と前年対比の増収率がポイント決定の大きな要因であり、これに代理店のグレードに応じた認定ランクや業務品質、専属性(自社損害保険のシェア)、損害率、各損害保険会社が推進する施策の達成率など、様々な要素が上乗せされ手数料ポイントが決まっていた。しかし、中古車大手ビッグモーターによる保険金の水増し請求など相次ぐ不祥事を受け、金融庁が開催した「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」において2024年6月25日に発表された報告書によれば、損害保険会社においては、今後保険代理店の不適切な保険募集のインセンティブを与えぬよう、ポイント制度について「規模・増収」に偏ることなく、「業務品質」を重視する評価体系とすることを検討していくことが求められるとされている。同社は、引き続き業務品質レベルを高めていくことで、手数料ポイントの獲得が難しい中小規模代理店を中心に、M&A及び事業承継を通じて全体の収益を最大化していく。
また同社は、同社グループの営業収益の約半分を占める東京海上日動火災保険をはじめとした各損害保険会社に対して事業承継のための営業活動を積極的に行い、事業承継を必要とする中小規模代理店の紹介を受けている。株式上場により知名度が向上し、代理店が同社に直接問い合わせるケースも増えているようだ。この度の金融庁有識者会議の報告書を受けて、今後、金融審議会において代理店手数料ポイント制度を含めた課題の検討が行われることが予定されており、仮に法令改正や監督指針改正等が行われた場合は、代理店の大規模化や効率化がどのように進むかが注目される。
なお、従来は同社がM&A及び事業承継した保険代理店の1件当たり取扱保険料は平均2,000〜3,000万円だったが、最近では1億円規模の代理店からの相談も増えているようだ。同社への事業承継元はこれまで保険代理店業を専業とする専業代理店が大半を占めていたが、今後はより規模が大きく、数も多い兼業代理店(自動車ディーラーや不動産業者など他の事業と合わせて保険販売を行う)のM&A及び事業承継も推進する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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■事業概要
3. エージェント・インシュアランス・グループ<5836>の手数料ポイント制度
手数料ポイント制度とは、損害保険代理店の主な収益源である損害保険会社からの手数料率が、損害保険会社が定める基準によって変動する制度のことである。全国商工新聞によると、同制度導入前は一定の基準を満たせば一律20%前後の手数料が相場であったが、ポイント制度の導入によって20〜111のポイント格差が生じるようになった。一例を挙げると、保険料10万円の自動車保険を販売した場合、同制度導入前は20%の20,000円が代理店に手数料として支払われた。一方、同制度導入後は、ポイントが20であれば手数料は4,000円、100であれば20,000円、111であれば22,200円と大きく変動する。
手数料ポイントが収益に直結するため、いかにポイントを高めるかが重要であり、従来は、代理店の規模(年間の収入保険料)と前年対比の増収率がポイント決定の大きな要因であり、これに代理店のグレードに応じた認定ランクや業務品質、専属性(自社損害保険のシェア)、損害率、各損害保険会社が推進する施策の達成率など、様々な要素が上乗せされ手数料ポイントが決まっていた。しかし、中古車大手ビッグモーターによる保険金の水増し請求など相次ぐ不祥事を受け、金融庁が開催した「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」において2024年6月25日に発表された報告書によれば、損害保険会社においては、今後保険代理店の不適切な保険募集のインセンティブを与えぬよう、ポイント制度について「規模・増収」に偏ることなく、「業務品質」を重視する評価体系とすることを検討していくことが求められるとされている。同社は、引き続き業務品質レベルを高めていくことで、手数料ポイントの獲得が難しい中小規模代理店を中心に、M&A及び事業承継を通じて全体の収益を最大化していく。
また同社は、同社グループの営業収益の約半分を占める東京海上日動火災保険をはじめとした各損害保険会社に対して事業承継のための営業活動を積極的に行い、事業承継を必要とする中小規模代理店の紹介を受けている。株式上場により知名度が向上し、代理店が同社に直接問い合わせるケースも増えているようだ。この度の金融庁有識者会議の報告書を受けて、今後、金融審議会において代理店手数料ポイント制度を含めた課題の検討が行われることが予定されており、仮に法令改正や監督指針改正等が行われた場合は、代理店の大規模化や効率化がどのように進むかが注目される。
なお、従来は同社がM&A及び事業承継した保険代理店の1件当たり取扱保険料は平均2,000〜3,000万円だったが、最近では1億円規模の代理店からの相談も増えているようだ。同社への事業承継元はこれまで保険代理店業を専業とする専業代理店が大半を占めていたが、今後はより規模が大きく、数も多い兼業代理店(自動車ディーラーや不動産業者など他の事業と合わせて保険販売を行う)のM&A及び事業承継も推進する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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