FCE Research Memo(2):DX推進と人材育成で企業の人的資本最大化に貢献
[24/09/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:02JST FCE Research Memo(2):DX推進と人材育成で企業の人的資本最大化に貢献
■会社概要
1. 会社概要
FCE<9564>は、RPA製品を開発・提供するDX推進事業、企業向け研修・コンサルティングや学校向けプログラム等を提供する教育研修事業、その他事業の3事業を手掛けている。DX推進事業では、業務に精通した人自身がソフトウェアロボットを作成できる「RPA Robo-Pat DX」を販売しており、教育研修事業では、学校法人や学習塾向けに『7つの習慣』のライセンスを受けた授業プログラムやフォーサイト手帳など、企業向けには転職者を即戦力化する「Smart Boarding」などを提供している。いずれも、使いこなせるまでサポートする「伴走型営業」が特徴だ。サービス区分としては、人財育成コンサルティング、DX推進コンサルティング、その他の3つのサービスを提供している。同社は、人口減少というリスクが懸念される日本企業に対して、「『人』×『Tech』で人的資本の最大化に貢献する」ことをミッションとしている。
解約率の低い、高採算のストック型収益の事業を展開
2. 事業内容
同社が展開している事業は、DX推進事業、教育研修事業(研修事業・教育事業)、その他事業の3つである。祖業とも言える教育研修事業も着実に成長を続けているが、2015年にスタートしたDX推進事業の成長スピードが速く、前期には売上高で教育研修事業を上回った。また、高採算で解約の少ないストック型収益の構成比が高く、DX推進事業で100%、教育研修事業で60%、全体では80%程度である。このため、売上高が増えるほど、特にDX推進事業の構成比が高まるほど、同社全体の収益性が向上するという仕組みだ。業界環境については、DX推進事業は自動化や生産性改善に対するニーズが強いため、競争はあるものの高い成長を続けている。研修事業はeラーニング市場が引き続き拡大しており、教育事業は文部科学省の掲げる「GIGAスクール構想」の下、学校のICT環境の整備・強化が、ゆっくりだが徐々に進展している。
(1) DX推進事業
DX推進事業では、純国産RPAソフトウェア「Robo-Pat DX」を開発、コンサルティングサービスを付けて販売している。RPAとはパソコン動作を自動化する仕組みのことで、あらかじめプログラムされたソフトウェアロボットが、オフィスで日常的に行っているパソコン内の業務や事務作業を自動的に行う。今後の人口減少社会を見据えて、働き方改革や生産性向上を実現するうえで有効なツールと言われている。なお、「Robo-Pat DX」を構成する技術の一部は(株)PKSHA Associates(PKSHA Technology<3993>の子会社で(株)アシリレラから商号変更)からライセンスの供与を受けた。顧客企業へのライセンス提供は、同社が直接利用契約を締結するほか、全国の販売パートナーを通じて提供している。
(2) 教育研修事業
教育研修事業は、学校や学習塾を対象とする教育事業と、企業のHR(Human Resources)対象とする研修事業に分かれる。教育事業では、ビジネス書『7つの習慣』を日本の子どもたち向けにアレンジした「7つの習慣J(R)」という授業プログラムの提供や、累計224万部の発行を誇る中高生向けのビジネス手帳「フォーサイト手帳」の販売により、子どもの「自立力」向上を支援している。研修事業では、eラーニングで転職者の「即戦力化」などを促進する社員教育オンライントレーニングシステム「Smart Boarding」や研修・教育コンサルティング、組織にPDCAサイクルを定着させる会議型コンサルティング「xDrive」などを提供している。売上高はeラーニング市場の拡大を受け研修事業が急速にキャッチアップしており、6:4(研修事業:教育事業)程度となり、祖業である教育事業と近しい比率となっている。
「伴走型営業」で使いこなせるまでサポートすることが最大の強み
3. 同社の強み
同社の強みは、「RPA Robo-Pat DX」で業務に精通した人自身が使いこなせる「パーソナルRPA」、「Smart Boarding」が転職者一人ひとりの成長速度の違いに着目した「即戦力化プラットフォーム」であるという設計思想にある。さらに、ともに無料トライアルを入口に、きめ細かな「伴走型営業」によって使いこなせるまでワンストップでサポートしていることが何よりの強みである。また、こうした製品の販売とサポートを実践する営業人員の強化が進んできたことも強みだ。例えば、1〜2年前は新卒には難易度が高くてRPAの販売に一定期間を要していたが、商材の営業方法の改善や型化(サービスの標準化)を進めたことで、現在では新卒でもRPAを販売できるようになった。人材への投資は継続しており、グループ全体で新卒採用は、2024年4月で10名が入社し、新戦力化が進んでいる。さらに2025年4月の新卒社員の入社は20名以上の見込みとなっている。
仕組みを使いこなせることが離反の減少につながり、業界で3〜4%と言われる解約率が同社では1%台と低い。このため、「RPA Robo-Pat DX」は、SaaSプロダクト比較・分析レポートであるITreviewの「RPAツール カテゴリーレポート2024 Summer」で8期連続顧客満足度No.1を獲得しているほか、「Smart Boarding」は、アイティクラウド(株)が主催する「ITreview Grid Award 2024 Summer」のLMS/eラーニングシステム部門で最高位の「Leader」を受賞するなど、同社の製品は顧客の人気も業界の評価も高い。また、従来純粋持株会社制度を採用し子会社が事業を運営していたが、こうした強みを一層生かすため、同社は2024年8月に純粋持株会社制度を解消した。これにより、事業間の顧客紹介などグループ間シナジーの創出を積極化し、成長戦略の推進や経営資源の効率化を図り、新たなリードチャネルを果敢に開拓する方針だ。実際に、純粋持株会社制度の解消後は顧客数が急増している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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■会社概要
1. 会社概要
FCE<9564>は、RPA製品を開発・提供するDX推進事業、企業向け研修・コンサルティングや学校向けプログラム等を提供する教育研修事業、その他事業の3事業を手掛けている。DX推進事業では、業務に精通した人自身がソフトウェアロボットを作成できる「RPA Robo-Pat DX」を販売しており、教育研修事業では、学校法人や学習塾向けに『7つの習慣』のライセンスを受けた授業プログラムやフォーサイト手帳など、企業向けには転職者を即戦力化する「Smart Boarding」などを提供している。いずれも、使いこなせるまでサポートする「伴走型営業」が特徴だ。サービス区分としては、人財育成コンサルティング、DX推進コンサルティング、その他の3つのサービスを提供している。同社は、人口減少というリスクが懸念される日本企業に対して、「『人』×『Tech』で人的資本の最大化に貢献する」ことをミッションとしている。
解約率の低い、高採算のストック型収益の事業を展開
2. 事業内容
同社が展開している事業は、DX推進事業、教育研修事業(研修事業・教育事業)、その他事業の3つである。祖業とも言える教育研修事業も着実に成長を続けているが、2015年にスタートしたDX推進事業の成長スピードが速く、前期には売上高で教育研修事業を上回った。また、高採算で解約の少ないストック型収益の構成比が高く、DX推進事業で100%、教育研修事業で60%、全体では80%程度である。このため、売上高が増えるほど、特にDX推進事業の構成比が高まるほど、同社全体の収益性が向上するという仕組みだ。業界環境については、DX推進事業は自動化や生産性改善に対するニーズが強いため、競争はあるものの高い成長を続けている。研修事業はeラーニング市場が引き続き拡大しており、教育事業は文部科学省の掲げる「GIGAスクール構想」の下、学校のICT環境の整備・強化が、ゆっくりだが徐々に進展している。
(1) DX推進事業
DX推進事業では、純国産RPAソフトウェア「Robo-Pat DX」を開発、コンサルティングサービスを付けて販売している。RPAとはパソコン動作を自動化する仕組みのことで、あらかじめプログラムされたソフトウェアロボットが、オフィスで日常的に行っているパソコン内の業務や事務作業を自動的に行う。今後の人口減少社会を見据えて、働き方改革や生産性向上を実現するうえで有効なツールと言われている。なお、「Robo-Pat DX」を構成する技術の一部は(株)PKSHA Associates(PKSHA Technology<3993>の子会社で(株)アシリレラから商号変更)からライセンスの供与を受けた。顧客企業へのライセンス提供は、同社が直接利用契約を締結するほか、全国の販売パートナーを通じて提供している。
(2) 教育研修事業
教育研修事業は、学校や学習塾を対象とする教育事業と、企業のHR(Human Resources)対象とする研修事業に分かれる。教育事業では、ビジネス書『7つの習慣』を日本の子どもたち向けにアレンジした「7つの習慣J(R)」という授業プログラムの提供や、累計224万部の発行を誇る中高生向けのビジネス手帳「フォーサイト手帳」の販売により、子どもの「自立力」向上を支援している。研修事業では、eラーニングで転職者の「即戦力化」などを促進する社員教育オンライントレーニングシステム「Smart Boarding」や研修・教育コンサルティング、組織にPDCAサイクルを定着させる会議型コンサルティング「xDrive」などを提供している。売上高はeラーニング市場の拡大を受け研修事業が急速にキャッチアップしており、6:4(研修事業:教育事業)程度となり、祖業である教育事業と近しい比率となっている。
「伴走型営業」で使いこなせるまでサポートすることが最大の強み
3. 同社の強み
同社の強みは、「RPA Robo-Pat DX」で業務に精通した人自身が使いこなせる「パーソナルRPA」、「Smart Boarding」が転職者一人ひとりの成長速度の違いに着目した「即戦力化プラットフォーム」であるという設計思想にある。さらに、ともに無料トライアルを入口に、きめ細かな「伴走型営業」によって使いこなせるまでワンストップでサポートしていることが何よりの強みである。また、こうした製品の販売とサポートを実践する営業人員の強化が進んできたことも強みだ。例えば、1〜2年前は新卒には難易度が高くてRPAの販売に一定期間を要していたが、商材の営業方法の改善や型化(サービスの標準化)を進めたことで、現在では新卒でもRPAを販売できるようになった。人材への投資は継続しており、グループ全体で新卒採用は、2024年4月で10名が入社し、新戦力化が進んでいる。さらに2025年4月の新卒社員の入社は20名以上の見込みとなっている。
仕組みを使いこなせることが離反の減少につながり、業界で3〜4%と言われる解約率が同社では1%台と低い。このため、「RPA Robo-Pat DX」は、SaaSプロダクト比較・分析レポートであるITreviewの「RPAツール カテゴリーレポート2024 Summer」で8期連続顧客満足度No.1を獲得しているほか、「Smart Boarding」は、アイティクラウド(株)が主催する「ITreview Grid Award 2024 Summer」のLMS/eラーニングシステム部門で最高位の「Leader」を受賞するなど、同社の製品は顧客の人気も業界の評価も高い。また、従来純粋持株会社制度を採用し子会社が事業を運営していたが、こうした強みを一層生かすため、同社は2024年8月に純粋持株会社制度を解消した。これにより、事業間の顧客紹介などグループ間シナジーの創出を積極化し、成長戦略の推進や経営資源の効率化を図り、新たなリードチャネルを果敢に開拓する方針だ。実際に、純粋持株会社制度の解消後は顧客数が急増している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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