Aoba-BBT Research Memo(7):2024年3月期は15期連続増収、過去最高売上を更新(2)
[24/09/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*14:07JST Aoba-BBT Research Memo(7):2024年3月期は15期連続増収、過去最高売上を更新(2)
■業績動向
a) 法人向け人材育成事業
Aoba-BBT<2464>の法人向け人材育成事業の売上高は前期比16%増の14.9億円と2期連続増収、過去最高売上を更新した。法人取引件数は微減となったが、大企業を中心に人的資本経営に対する取り組みが活発化するなかで、次世代経営人材育成(サクセションプラン)に対する需要が拡大したほか、VIP企業(年間取引額10百万円以上)の取引社数増加により1社当たり平均売上高が拡大した。新規顧客数についても約130社と順調に増加しており、今後これら顧客との取引深耕を進めていく。
b) University事業
University事業の売上高は前期比5%減の9.4億円となった。コロナ禍の収束により、オンライン教育からリアル(対面型)教育に需要が回帰した影響により、BBT大学/大学院の2023年度入学者数が減少したことが減収要因となった。本科コースの売上減をカバーすべく開始したインテンシブコース(3ヶ月の短期集中講座、税込33万円)は、デジタルスキルを習得する「デジタルファーストキャンプ」(3ヶ月間、オンデマンド受講&ライブ講義、受講料33万円(税込))が企業のデジタル人材育成ニーズの高まりもあって好調だったほか、財務をテーマにした「ファイナンスドリヴンキャンプ」も堅調に推移し、売上高で1億円弱となった。
c) 英語教育事業
英語教育事業の売上高は前期比5%増の4.6億円となった。ビジネスプロフェッショナル向けサービスは、ビジネス英語需要に加え、顧客企業のグローバル経営人材研修としての需要が増加したことにより、法人向け売上が同20%増と好調に推移し、法人売上比率も約8割まで上昇した。一方、子会社で展開している幼少中高向けサービスも増収となり、特に2023年3月期に開始したバイリンガル国際人育成プログラム「GO School」が受講生の増加により事業開始から2年目で黒字化を達成した。
d) ITマネジメント事業
ITマネジメント事業の売上高は前期比9%増の5.2億円と堅調に推移した。国内最大級のシェアを誇るITIL(R)認定研修事業が同45%増と順調に拡大した。経営のDXが重要課題となるなかで、非IT企業においてもデジタル人材の育成ニーズが高まっていることが要因だ。
また、DX人材の鍵となる「アジャイル」人材育成を推進すべく、IT用語を使わずにアジャイルを体感できるワークショップ「アジャイル・レストラン」を開講したほか、国際的なアジャイル/スクラム認定団体であるScrum.orgとの協業により「Scrum Sunrise」を開催するなど、認定研修事業のサービスを拡販すべく新たな取り組みも行った。
(2) プラットフォームサービス事業
プラットフォームサービス事業の売上高は前期比4.7%増の3,827百万円、セグメント利益は同16.2%減の252百万円となった。2023年4月にAJBを1拠点(AJB用賀キャンパス)新たに開設したこともあり、総生徒数が約1,600名と前期の1,500名強から増加し、売上高はAJISを子会社化した2014年3月期以降、10期連続の増収となった。一方、利益面では2023年3月期に一部の拠点でスクールイヤーを変更した影響により利益が嵩上げされていたこと、また人材投資による人件費の増加が減益要因となった。なお、AJB中野キャンパスと下目黒キャンパスがIB PYP認定校となり、用賀キャンパスが認定候補校となっている。
「AJIS」については、光が丘キャンパスの改装による定員数の増加や2022年1月に新設した高校生を対象とした文京キャンパスの生徒数増加により、期末生徒数は前年同期比25名増の743名と過去最高を更新した。「AJIS」ではIBDPのテスト結果においても、毎年成績が向上し世界平均点を大きく上回る成績を残しており、大学合格実績において国内外のトップレベル大学への合格者を輩出するなど好成績を収めていることも生徒数増加の一因となっている。
また、2023年4月にIBOから完全オンラインでのIBDPの試験的実施校としてアジアで初めて認定された。2024年8月からスタートする新学期に向け、日本を含む東アジア及び東南アジア・オセアニア地域でオンラインコースの生徒募集を開始している。各国ともに現地にIB認定校はあるが、距離的な問題等で現地校への通学が困難な生徒も一定数存在すると考えられ、こうした需要をオンライン校で取り込んでいく。今回のオンライン校の認定は、コロナ禍において積極的にオンライン授業に取り組み教務ノウハウを蓄積してきたことや、その結果としての学業成績の高さが評価されたものと考えられ、AJISのさらなる成長に向けた取り組みとして期待される。
一方、バイリンガルプリスクール「AJB」は2023年4月に7校目となる用賀キャンパスを開設したこともあり、期末生徒数は580名超と過去最高を更新した。総定員数869名に対して充足率は7割弱程度だが、2019年以前に開設したキャンパスについては8割以上の充足率となっており、既に収益化している。バイリンガルプリスクールは、開校からおおむね3年目で定員数を充足させ、収益化を実現するビジネスモデルとなっている。そのほか、ケンブリッジ大学国際教育機構の全プログラム(初等・中等・高等学校課程)認定校である「MIST」についても、定員数(約200名強)にほぼ達する状況が続いており、安定した利益を生み出している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■業績動向
a) 法人向け人材育成事業
Aoba-BBT<2464>の法人向け人材育成事業の売上高は前期比16%増の14.9億円と2期連続増収、過去最高売上を更新した。法人取引件数は微減となったが、大企業を中心に人的資本経営に対する取り組みが活発化するなかで、次世代経営人材育成(サクセションプラン)に対する需要が拡大したほか、VIP企業(年間取引額10百万円以上)の取引社数増加により1社当たり平均売上高が拡大した。新規顧客数についても約130社と順調に増加しており、今後これら顧客との取引深耕を進めていく。
b) University事業
University事業の売上高は前期比5%減の9.4億円となった。コロナ禍の収束により、オンライン教育からリアル(対面型)教育に需要が回帰した影響により、BBT大学/大学院の2023年度入学者数が減少したことが減収要因となった。本科コースの売上減をカバーすべく開始したインテンシブコース(3ヶ月の短期集中講座、税込33万円)は、デジタルスキルを習得する「デジタルファーストキャンプ」(3ヶ月間、オンデマンド受講&ライブ講義、受講料33万円(税込))が企業のデジタル人材育成ニーズの高まりもあって好調だったほか、財務をテーマにした「ファイナンスドリヴンキャンプ」も堅調に推移し、売上高で1億円弱となった。
c) 英語教育事業
英語教育事業の売上高は前期比5%増の4.6億円となった。ビジネスプロフェッショナル向けサービスは、ビジネス英語需要に加え、顧客企業のグローバル経営人材研修としての需要が増加したことにより、法人向け売上が同20%増と好調に推移し、法人売上比率も約8割まで上昇した。一方、子会社で展開している幼少中高向けサービスも増収となり、特に2023年3月期に開始したバイリンガル国際人育成プログラム「GO School」が受講生の増加により事業開始から2年目で黒字化を達成した。
d) ITマネジメント事業
ITマネジメント事業の売上高は前期比9%増の5.2億円と堅調に推移した。国内最大級のシェアを誇るITIL(R)認定研修事業が同45%増と順調に拡大した。経営のDXが重要課題となるなかで、非IT企業においてもデジタル人材の育成ニーズが高まっていることが要因だ。
また、DX人材の鍵となる「アジャイル」人材育成を推進すべく、IT用語を使わずにアジャイルを体感できるワークショップ「アジャイル・レストラン」を開講したほか、国際的なアジャイル/スクラム認定団体であるScrum.orgとの協業により「Scrum Sunrise」を開催するなど、認定研修事業のサービスを拡販すべく新たな取り組みも行った。
(2) プラットフォームサービス事業
プラットフォームサービス事業の売上高は前期比4.7%増の3,827百万円、セグメント利益は同16.2%減の252百万円となった。2023年4月にAJBを1拠点(AJB用賀キャンパス)新たに開設したこともあり、総生徒数が約1,600名と前期の1,500名強から増加し、売上高はAJISを子会社化した2014年3月期以降、10期連続の増収となった。一方、利益面では2023年3月期に一部の拠点でスクールイヤーを変更した影響により利益が嵩上げされていたこと、また人材投資による人件費の増加が減益要因となった。なお、AJB中野キャンパスと下目黒キャンパスがIB PYP認定校となり、用賀キャンパスが認定候補校となっている。
「AJIS」については、光が丘キャンパスの改装による定員数の増加や2022年1月に新設した高校生を対象とした文京キャンパスの生徒数増加により、期末生徒数は前年同期比25名増の743名と過去最高を更新した。「AJIS」ではIBDPのテスト結果においても、毎年成績が向上し世界平均点を大きく上回る成績を残しており、大学合格実績において国内外のトップレベル大学への合格者を輩出するなど好成績を収めていることも生徒数増加の一因となっている。
また、2023年4月にIBOから完全オンラインでのIBDPの試験的実施校としてアジアで初めて認定された。2024年8月からスタートする新学期に向け、日本を含む東アジア及び東南アジア・オセアニア地域でオンラインコースの生徒募集を開始している。各国ともに現地にIB認定校はあるが、距離的な問題等で現地校への通学が困難な生徒も一定数存在すると考えられ、こうした需要をオンライン校で取り込んでいく。今回のオンライン校の認定は、コロナ禍において積極的にオンライン授業に取り組み教務ノウハウを蓄積してきたことや、その結果としての学業成績の高さが評価されたものと考えられ、AJISのさらなる成長に向けた取り組みとして期待される。
一方、バイリンガルプリスクール「AJB」は2023年4月に7校目となる用賀キャンパスを開設したこともあり、期末生徒数は580名超と過去最高を更新した。総定員数869名に対して充足率は7割弱程度だが、2019年以前に開設したキャンパスについては8割以上の充足率となっており、既に収益化している。バイリンガルプリスクールは、開校からおおむね3年目で定員数を充足させ、収益化を実現するビジネスモデルとなっている。そのほか、ケンブリッジ大学国際教育機構の全プログラム(初等・中等・高等学校課程)認定校である「MIST」についても、定員数(約200名強)にほぼ達する状況が続いており、安定した利益を生み出している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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