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アップガレージグループ:中古カー用品の買取・販売専門店を運営、業績好調ななか海外含めて店舗拡大に期待

注目トピックス 日本株
*13:16JST アップガレージグループ:中古カー用品の買取・販売専門店を運営、業績好調ななか海外含めて店舗拡大に期待
アップガレージグループ<7134>は、カー&バイク用品リユース業態(直営店舗運営、フランチャイズシステムの運営、EC(電子商取引)サイト運営)及び流通卸売業態を展開している。前期売上高に対してリユース業態が約60%、流通卸売業態が約40%。また、それらをシステム開発とあわせて事業展開することで、それまでの店舗展開中心の事業からITを駆使した事業へと飛躍を図っている。

リユース業態では店舗売上が主力で、アップガレージが直営店舗、FC店舗、ECサイトでリユース商品の買取・販売を行っており、直営・FC店舗ともに粗利60%を目途に運営する。顧客層は、車の愛好家層とライトユーザー層の割合で4:6、30〜50代の男性が9割を占める。店舗はFC店を含め全国45都道府県に出店し、直営店61店舗、FC店184店舗、海外1店舗の計246店舗。FC関連収益としては、ロイヤリティ収入(店舗売上高×3.0%)・FC店新規出店諸経費・EC手数料などが挙げられている。店舗のライフサイクルは、初期投資で3,000万〜5,000万円が必要となるが、半年以内で単月黒字化が可能で、2〜3年で年商1.2億円〜2.4億円、営業利益10%と回収が見込めるため収益性の確保も安定的のようだ。

流通卸売業態は、タイヤ流通センター(前期売上高に対して13%)と受発注プラットフォーム「ネクスリンク」(同26.3%)で構成されている。タイヤ流通センターは、安さや質を重視した3つの価格帯でタイヤ取付・交換サービスをオンライン提供するほか、自動車整備工場やガソリンスタンド等へもFC展開およびタイヤ卸販売を行っている。2024年6月時点で全国190店舗を展開し、収益はFC加盟店からのロイヤリティ収入(FC加盟店数×ロイヤリティ5万円/月)とタイヤの販売が計上される。一方、受発注プラットフォーム「ネクスリンク」では、中古車販売店・自動車整備工場・ガソリンスタンドなどへ受発注プラットフォームを提供し、各メーカーとの取引を一元管理することで作業の簡略化やペーパーレス化を通して業務改善を実現した。導入企業数や購入頻度、購入単価がKPIとなっている。

2025年3月期第1四半期の売上高は3,280百万円(前年同期比17.6%増)、営業利益は190百万円(同32.9%増)で着地した。リユース業態で継続的な新規出店及び来客数の増加によって直営店・FC店ともに売上高が同10%増と好調に推移、冬のスタッドレスタイヤから夏タイヤへの履き替えシーズンで直営店の中古タイヤホイールの売上高が大きく増加したようだ。また、流通卸売業態は同32.5%増で順調に推移し、特に導入企業数や商品ラインナップの増加によりネクスリンクの卸売が同46.4%増の大幅拡大となった。そのほか、アップガレージUSA1号店を4月末にオープンした。通期の売上高は前期比7.5%増の13,500百万円、営業利益は同14.0%増の1,100百万円を見込んでいる。

同社は競合となる企業が少ないが、一部メルカリやヤフオクなどの個人間で取引を行うプラットフォームが競合と認識されることもある。ただ、同社では価格重視のライトユーザーから嗜好性を求めるマニアまで幅広くカバーし、オン・オフライン両チャネルを備えることで顧客へ安心感を提供している。また、売買履歴・回転日数などの独自データを基に、適正な買取・販売価格設定ができる部分に強みを持っている。

今後、リユース業態では、店舗展開が重要になってくるが、まずは年間で直営3-5店、FC7-10店の新規出店を着実に進めて国内300店舗を目指すようだ。商圏人口30万人のエリアをターゲットとして店舗開発を進めるうえで、国内の出店可能エリアは400店舗程の見通しで、まだまだ出店余地は残っている。出店時の在庫集めが新規出店の課題だったが、店舗での個人買取強化に加えて法人からの買取ルートを拡大するなか、人材採用も順調で今後は新規出店の加速に期待ができそうだ。さらに、USA1号店に関しては、「日本の同規模の店舗のオープン直後と比較」して、売上高は約2倍、買取金額は約6倍となったようで、同社の想定を大きく上回る好スタートをきっている。海外子会社との決算期ずれにより連結業績への影響は第2四半期からとなるが、海外店舗の状況や海外での店舗数の増加には注目しておきたい。

流通卸売業態では、タイヤ流通センターで自動車整備工場やガソリンスタンド向けに年間30店舗(3億円増収/年)を目標として、FC加盟店を開発していくようだ。新規開拓チームを組成することで、大規模チェーン店を中心に新規開拓を行っていく。ネクスリンクは、自動車業界はDX化やIT化が進んでおらず、顧客獲得が随時進んでいくだろう。将来的には、同社の取引先以外にもシステムを使ってもらい、システム利用料を獲得する収益モデルを構築できる可能性もあるため、ネクスリンクの成長にも期待ができよう。

中古カー用品の市場規模は、2022年時点で約655億円(シェア33.6%)、その後毎年約3%拡大している。フリマアプリの影響により、リユース市場への参加者が年々増加しており、中でも同社はニッチトップのポジションを確立している。2030年には同社シェアを43.8%まで伸ばす想定で、収益構造改革を通じて営業利益率10%超を実現できるか、同社の今後の動向には注目しておきたい。




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