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網屋 Research Memo(6):ARR構築による収益構造改革により、2024年12月期予想達成の蓋然性高まる

注目トピックス 日本株
*15:06JST 網屋 Research Memo(6):ARR構築による収益構造改革により、2024年12月期予想達成の蓋然性高まる
■網屋<4258>の今後の見通し

2024年12月期業績見通しは、売上高4,500百万円(前期比26.4%増)、営業利益419百万円(同15.2%増)、経常利益399百万円(同6.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益279百万円(同14.3%減)である。主力製品「ALogシリーズ」のクラウド版・オンプレ版の双方がサブスク制に完全移行したことで、収益構造の抜本的な改革や中長期的な売上成長率の加速が見込まれる。既存顧客についても順次サブスクモデルへの切替を計画しており、今後の業績拡大の大きなけん引役となることが期待される。2024年12月期第2四半期は、親会社株主に帰属する中間純利益195百万円と、通期予想に対して70.2%という好調な進捗である。足元の需要も旺盛なことから第3四半期以降も増収増益基調を継続し、通期予想達成の蓋然性は高いと弊社では見ている。

データセキュリティ事業では、第2四半期より主力製品「ALogシリーズ」の料金体系をサブスク制に完全移行し、本格的なARRの構築が始動した。これにより従来はフロー収益としてライセンス料・ストック収益として保守料が発生していたが、全てストック収益であるサブスク料金に内包される。解約率を示すチャーンレートは売切り型で15%程度であったが、サブスク型への移行により2.3%と大きく改善した。従来の売切り型ではパッケージ製品のライセンスを購入するため、保守契約を解約した場合にバージョンアップや新機能は使えなくなるがシステム自体は使い続けることができた。一方、サブスク型の場合は解約した段階でシステム自体も使えなくなる。ただ、サブスク制への移行に伴いフロー収益が減少することから初年度は一定の売上減を見込む。しかし足元の引き合いは旺盛であり、2024年6月の商談数は前期比200%の202件となった。既存顧客のサブスク制への切替えも順次実施する予定である。

ネットワークセキュリティ事業では、「ネットワークのクラウド化」が世界的な兆候として同社サービスを後押ししている。フロー収益として機器販売や導入等にかかる代金が発生するほか、機器代の25%がSaaSサービスによるストック収益として毎年継続的に発生する。チャーンレートは実績値で4.0%であり、2024年以降の解約に限定すれば1.9%と継続率は高い。足元の実績値による平均顧客単価は200万円、年平均新規契約数は165社である。

なお、従来は3月決算企業の予算消化として駆け込みの季節性需要があったが、データセキュリティ事業でオールサブスク化により今後は平準化の傾向となる。ただし、ネットワークセキュリティ事業で導入時の機器販売やシステムインテグレーションによるスポット役務が今後も発生するため、完全に平準化されるわけではない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)



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