サクサ Research Memo(4):2024年3月期は増収、大幅な増益で着地
[24/09/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:04JST サクサ Research Memo(4):2024年3月期は増収、大幅な増益で着地
■サクサ<6675>の業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績(旧 サクサホールディングス)は、売上高が前期比9.7%増の40,948百万円、営業利益が同38.4%増の3,345百万円、経常利益が同42.7%増の3,406百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が特別利益も寄与して同365.3%増の2,800百万円となった。前回予想(2024年2月9日付の2回目の修正値、各利益を上方修正、売上高41,000百万円、営業利益3,000百万円、経常利益3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,600百万円)を上回る水準の大幅増益で着地した。親会社株主に帰属する当期純利益はサクサホールディングスとして過去最高益だった。
前期までの資材・部品調達難が解消して高水準の受注残高の消化が進展し増収となり、人的資本投資による人件費増加や相模原オフィス移転費用などを吸収した。全社の売上総利益は前期比11.4%増加し、売上総利益率は同0.5ポイント上昇して33.2%となった。販管費は同4.7%増加に留まり、販管費比率は同1.2ポイント低下して25.0%となった。この結果、全社の営業利益率は同1.7ポイント上昇して8.2%となった。増収効果に加え、半導体・部品調達難に伴う二次流通業者等からの部品調達が2023年3月期に比べて減少したことや、品質コスト(引当金)が減少したことなども寄与した。特別利益では投資有価証券売却益が同65百万円増加の322百万円、特別損失では前期計上の減損損失1,664百万円が一巡した。
分野別の売上高は、ネットワークソリューション分野が前期比2.8%増の26,134百万円、セキュリティソリューション分野が同24.6%増の14,813百万円だった。ネットワークソリューション分野では、ビジネスホンにおいて自社ブランド及び特定顧客向けとも資材・部品を一定数確保して需要に対応したこと、2023年10月に発売した小規模事業者向けビジネスホンの販売が好調に推移したことに加え、ビジュアルソリューションのIP監視カメラシステムやシステムビジネスの特定顧客向け構築案件の増加なども寄与した。セキュリティソリューション分野では、アミューズメント市場においてスマートパチスロ新カードユニットへの入替需要が高まり、カードリーダライタ等の販売が大幅に増加したことに加え、EMSにおいて産業用機器向けの需要が増加した。
なお、営業利益の前期比増減(9億円増)内訳は、売上高増加で20億円増、機種構成変動(OEMの増加)で2億円減、二次流通業者等からの部品調達減少で11億円増、メーカー代理店からの部品調達価格上昇で8億円減、在庫評価益の減少で3億円減、為替影響で1億円減、品質コストの減少で4億円増、販売促進費の増加で2億円減、研究開発費で1億円減、相模原オフィス収益化費用で3億円減、人財投資で6億円減だった。
財務の健全性は高い
2. 財務の状況
財務状況は、2024年3月期末の資産合計は前期末比304百万円減少し41,473百万円となった。主に現金及び預金が1,234百万円増加、商品及び製品が368百万円増加(翌期以降に販売見込みの製品の増加など)した一方で、受取手形・売掛金及び契約資産が1,937百万円減少、投資有価証券が610百万円減少した。投資有価証券の減少については、保有資産の有効活用を図るため政策保有株式の縮減(当期は3銘柄を売却)を進めている。負債合計は同3,778百万円減少し13,105百万円となった。主に支払手形及び買掛金が1,559百万円減少、退職給付に係る負債が1,430百万円減少(退職給付信託設定した信託財産の時価評価及び運用良化に伴う年金資産の増加による)したほか、有利子負債(長短借入金合計)残高が1,710百万円減少して1,403百万円となった。純資産合計は同3,474百万円増加し28,368百万円となった。主に当期利益計上によって利益剰余金が2,596百万円増加したほか、退職給付に係る調整累計額が954百万円増加(退職給付信託資産の時価の上昇による)した。
この結果、自己資本比率は同8.8ポイント上昇し68.4%となった。キャッシュ・フローの状況を含めて懸念される点は見当たらず、財務の健全性は高いと弊社では判断している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
■サクサ<6675>の業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績(旧 サクサホールディングス)は、売上高が前期比9.7%増の40,948百万円、営業利益が同38.4%増の3,345百万円、経常利益が同42.7%増の3,406百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が特別利益も寄与して同365.3%増の2,800百万円となった。前回予想(2024年2月9日付の2回目の修正値、各利益を上方修正、売上高41,000百万円、営業利益3,000百万円、経常利益3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,600百万円)を上回る水準の大幅増益で着地した。親会社株主に帰属する当期純利益はサクサホールディングスとして過去最高益だった。
前期までの資材・部品調達難が解消して高水準の受注残高の消化が進展し増収となり、人的資本投資による人件費増加や相模原オフィス移転費用などを吸収した。全社の売上総利益は前期比11.4%増加し、売上総利益率は同0.5ポイント上昇して33.2%となった。販管費は同4.7%増加に留まり、販管費比率は同1.2ポイント低下して25.0%となった。この結果、全社の営業利益率は同1.7ポイント上昇して8.2%となった。増収効果に加え、半導体・部品調達難に伴う二次流通業者等からの部品調達が2023年3月期に比べて減少したことや、品質コスト(引当金)が減少したことなども寄与した。特別利益では投資有価証券売却益が同65百万円増加の322百万円、特別損失では前期計上の減損損失1,664百万円が一巡した。
分野別の売上高は、ネットワークソリューション分野が前期比2.8%増の26,134百万円、セキュリティソリューション分野が同24.6%増の14,813百万円だった。ネットワークソリューション分野では、ビジネスホンにおいて自社ブランド及び特定顧客向けとも資材・部品を一定数確保して需要に対応したこと、2023年10月に発売した小規模事業者向けビジネスホンの販売が好調に推移したことに加え、ビジュアルソリューションのIP監視カメラシステムやシステムビジネスの特定顧客向け構築案件の増加なども寄与した。セキュリティソリューション分野では、アミューズメント市場においてスマートパチスロ新カードユニットへの入替需要が高まり、カードリーダライタ等の販売が大幅に増加したことに加え、EMSにおいて産業用機器向けの需要が増加した。
なお、営業利益の前期比増減(9億円増)内訳は、売上高増加で20億円増、機種構成変動(OEMの増加)で2億円減、二次流通業者等からの部品調達減少で11億円増、メーカー代理店からの部品調達価格上昇で8億円減、在庫評価益の減少で3億円減、為替影響で1億円減、品質コストの減少で4億円増、販売促進費の増加で2億円減、研究開発費で1億円減、相模原オフィス収益化費用で3億円減、人財投資で6億円減だった。
財務の健全性は高い
2. 財務の状況
財務状況は、2024年3月期末の資産合計は前期末比304百万円減少し41,473百万円となった。主に現金及び預金が1,234百万円増加、商品及び製品が368百万円増加(翌期以降に販売見込みの製品の増加など)した一方で、受取手形・売掛金及び契約資産が1,937百万円減少、投資有価証券が610百万円減少した。投資有価証券の減少については、保有資産の有効活用を図るため政策保有株式の縮減(当期は3銘柄を売却)を進めている。負債合計は同3,778百万円減少し13,105百万円となった。主に支払手形及び買掛金が1,559百万円減少、退職給付に係る負債が1,430百万円減少(退職給付信託設定した信託財産の時価評価及び運用良化に伴う年金資産の増加による)したほか、有利子負債(長短借入金合計)残高が1,710百万円減少して1,403百万円となった。純資産合計は同3,474百万円増加し28,368百万円となった。主に当期利益計上によって利益剰余金が2,596百万円増加したほか、退職給付に係る調整累計額が954百万円増加(退職給付信託資産の時価の上昇による)した。
この結果、自己資本比率は同8.8ポイント上昇し68.4%となった。キャッシュ・フローの状況を含めて懸念される点は見当たらず、財務の健全性は高いと弊社では判断している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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