メイホーHD Research Memo(4):公共事業関連が主力で収益に安定性
[24/10/07]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
*11:04JST メイホーHD Research Memo(4):公共事業関連が主力で収益に安定性
■メイホーホールディングス<7369>の事業概要
3. セグメント別の推移
セグメント別売上高、営業利益、営業利益率の過去4期(2021年6月期〜2024年6月期)の主な状況は以下のとおりである。なお公共事業関連を扱う建設関連サービス事業及び建設事業は、収益が年度末に当たる第3四半期に偏重する季節特性があり、建設事業は大型工事完工によって収益が変動する可能性がある。
売上高は、各セグメントとも、新規にグループインした企業の連結も寄与して増収基調である。2022年6月期は建設関連サービス事業で(株)ノース技研、建設事業で(株)有坂建設がグループインし、介護事業では(株)アルトが(株)サンライフより通所介護事業所を譲り受けた。2023年6月期は建設関連サービス事業で(株)安芸建設コンサルタント、建設事業で(株)三川土建がグループインし、人材関連サービス事業で(株)スタッフアドバンスが(株)エムアンドエムより人材派遣事業を譲り受けた。2024年6月期は建設関連サービス事業でフジ土木設計、建設事業で今田建設及びハーミット、人材関連サービス事業でレゾナゲートがグループインした。
営業利益については、2023年6月期までは新規連結に伴う人件費や営業経費の増加、のれん償却額の増加などを増収効果で吸収して増益基調だったが、2024年6月期は大型M&Aに伴う関連費用の増加に加え、建設関連サービス事業における工期延期、建設事業の今田建設における受注期ズレなどの一過性要因により減益となった。
構成比については新規M&Aによって変動する可能性がある。2024年6月期の売上高構成比は、人材関連サービス事業がレゾナゲートの新規連結等により前期比5.6ポイント上昇の23.5%、建設事業が今田建設の新規連結等により同9.2ポイント上昇の30.8%となった一方で、建設関連サービス事業が工期延期も影響して同12.9ポイント低下の38.0%、介護事業が同1.9ポイント低下の7.7%となった。
営業利益率は個別案件の採算性や新規連結の影響などで変動する可能性がある。2024年6月期の営業利益率は、建設関連サービス事業が工期延期という一過性要因により前期比4.0ポイント低下の11.6%、人材関連サービス事業が同2.6ポイント低下の5.1%、建設事業が受注時期遅れという一過性要因により損失計上、介護事業が同1.5ポイント上昇の16.1%となった。一時的要因を除けば、基本的には建設関連サービス事業と建設事業は公共事業関連、介護事業は介護保険制度関連を主力としているため収益に比較的安定性があり、人材関連サービス事業も大手ゼネコン向け建設技術者派遣を継続的に受注しているため、安定収益源となっている。
事業環境の変化に迅速に対応
4. リスク要因・収益特性及び課題・対策
同社の事業展開におけるリスク要因としては、景気変動によるグループ企業の業績への影響、M&A市場の影響、資金調達における金利変動の影響、人材関連サービス事業や介護事業における法規制改正の影響などが挙げられる。
このうち景気変動によるグループ企業の業績への影響については、主力の建設関連サービス事業及び建設事業は公共事業が中心のため安定的に推移することが予想される。したがって全体としても景気変動による影響は比較的小さいと考えられる。資金調達における金利変動の影響については、現在はM&A資金を変動金利による銀行借入で調達しているが、今後は金利上昇により負担増加が予想される場合には固定金利への変更を行うなど、事業環境の変化に迅速に対応するとともに、資金調達の多様化なども検討する。なお、2023年11月に実施した今田建設ホールディングスの株式取得にあたっては、(株)みずほ銀行をアレンジャーとするシンジケートローンによって2,700百万円を借り入れた。同社として初のメガバンクからの借入であり、資金調達先の多様化進展を示す事例である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<HN>
■メイホーホールディングス<7369>の事業概要
3. セグメント別の推移
セグメント別売上高、営業利益、営業利益率の過去4期(2021年6月期〜2024年6月期)の主な状況は以下のとおりである。なお公共事業関連を扱う建設関連サービス事業及び建設事業は、収益が年度末に当たる第3四半期に偏重する季節特性があり、建設事業は大型工事完工によって収益が変動する可能性がある。
売上高は、各セグメントとも、新規にグループインした企業の連結も寄与して増収基調である。2022年6月期は建設関連サービス事業で(株)ノース技研、建設事業で(株)有坂建設がグループインし、介護事業では(株)アルトが(株)サンライフより通所介護事業所を譲り受けた。2023年6月期は建設関連サービス事業で(株)安芸建設コンサルタント、建設事業で(株)三川土建がグループインし、人材関連サービス事業で(株)スタッフアドバンスが(株)エムアンドエムより人材派遣事業を譲り受けた。2024年6月期は建設関連サービス事業でフジ土木設計、建設事業で今田建設及びハーミット、人材関連サービス事業でレゾナゲートがグループインした。
営業利益については、2023年6月期までは新規連結に伴う人件費や営業経費の増加、のれん償却額の増加などを増収効果で吸収して増益基調だったが、2024年6月期は大型M&Aに伴う関連費用の増加に加え、建設関連サービス事業における工期延期、建設事業の今田建設における受注期ズレなどの一過性要因により減益となった。
構成比については新規M&Aによって変動する可能性がある。2024年6月期の売上高構成比は、人材関連サービス事業がレゾナゲートの新規連結等により前期比5.6ポイント上昇の23.5%、建設事業が今田建設の新規連結等により同9.2ポイント上昇の30.8%となった一方で、建設関連サービス事業が工期延期も影響して同12.9ポイント低下の38.0%、介護事業が同1.9ポイント低下の7.7%となった。
営業利益率は個別案件の採算性や新規連結の影響などで変動する可能性がある。2024年6月期の営業利益率は、建設関連サービス事業が工期延期という一過性要因により前期比4.0ポイント低下の11.6%、人材関連サービス事業が同2.6ポイント低下の5.1%、建設事業が受注時期遅れという一過性要因により損失計上、介護事業が同1.5ポイント上昇の16.1%となった。一時的要因を除けば、基本的には建設関連サービス事業と建設事業は公共事業関連、介護事業は介護保険制度関連を主力としているため収益に比較的安定性があり、人材関連サービス事業も大手ゼネコン向け建設技術者派遣を継続的に受注しているため、安定収益源となっている。
事業環境の変化に迅速に対応
4. リスク要因・収益特性及び課題・対策
同社の事業展開におけるリスク要因としては、景気変動によるグループ企業の業績への影響、M&A市場の影響、資金調達における金利変動の影響、人材関連サービス事業や介護事業における法規制改正の影響などが挙げられる。
このうち景気変動によるグループ企業の業績への影響については、主力の建設関連サービス事業及び建設事業は公共事業が中心のため安定的に推移することが予想される。したがって全体としても景気変動による影響は比較的小さいと考えられる。資金調達における金利変動の影響については、現在はM&A資金を変動金利による銀行借入で調達しているが、今後は金利上昇により負担増加が予想される場合には固定金利への変更を行うなど、事業環境の変化に迅速に対応するとともに、資金調達の多様化なども検討する。なお、2023年11月に実施した今田建設ホールディングスの株式取得にあたっては、(株)みずほ銀行をアレンジャーとするシンジケートローンによって2,700百万円を借り入れた。同社として初のメガバンクからの借入であり、資金調達先の多様化進展を示す事例である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<HN>