アクシスC Research Memo(7):人員増など先行投資で一時的に減益へ
[24/10/10]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*14:07JST アクシスC Research Memo(7):人員増など先行投資で一時的に減益へ
■アクシスコンサルティング<9344>の業績動向
3. 2025年6月期の業績見通し
2025年6月期の業績は、売上高5,200百万円(前期比11.4%増)、営業利益700百万円(同16.0%減)、経常利益700百万円(同15.8%減)、当期純利益636百万円(同26.5%増)と見込んでいる。なお、2024年7月1日にケンブリッジ・リサーチ研究所を吸収合併したことに伴い、2025年6月期は非連結決算となることから決算短信では業績見通しを開示していないが、便宜上、決算説明資料で開示された数値を使用して連結決算の2024年6月期と比較した増減率を表示した。また、吸収合併に伴って抱合せ株式消滅差益172百万円が特別利益に発生することが予想されるため、当期純利益のみ人員増など先行投資を吸収して2ケタ増益となる見込みである。
同社は、引き続きコンサルティングファームを中心としたハイエンド人材の需要を確実に捉えるとともに、事業会社向け人材紹介を大きく伸ばす方針だ。また、体制強化などにより2024年6月期下期から成長軌道に戻ってきたスキルシェアをさらに拡大することで、人材紹介とスキルシェア全体で売上を増加させる計画である。利益面では、中期成長へ向けて事業会社向け人材紹介とスキルシェアを大きく育てるため、中期経営計画の期間、特に初年度の2025年6月期には先行的に人員を増加する計画だ。このため、2025年6月期の営業利益及び経常利益は、持続的な成長に向けて一時的に踊り場となる見込みである。
サービス別では、人材紹介の売上高(=平均年収×平均手数料率×入社決定人数)について、大手コンサルティングファームの採用需要の過熱感が一段落することを視野に、平均年収は前期とほぼ同水準を見込み、平均手数料率はコンサルティングファームの前期実績を下回って推移すると予想する。一方、事業会社向けサービスを強化していることから、入社決定人数を前期比13.6%増と想定し、人材紹介の売上高は3,259百万円(前期比3.1%増)を見込む。フリーコンサルBizの売上高(1人当たり月額平均受注単価×フリーコンサルタントの月次稼働人数合計)について、1人当たり平均受注単価は前期とほぼ同水準を維持すると見込む一方、稼働人数は体制を整えた前期下期からの成長軌道を維持することを前提に前期比31.7%増を予想している。これにより、スキルシェア全体で売上高1,941百万円(前期比29.1%増)を見込んでいる。
額を重視した成長の一方、率の改善も進める
4. 中期成長イメージ
同社の強みと中期経営計画を考慮すると、コンサルティングファーム向け人材紹介は、10%+αといわれる市場成長率を上回って推移することが予想される。事業会社向け人材紹介は、ケンブリッジ・リサーチ研究所を統合した効果に加え、コンサルティングファーム向け人材の活用やスキルシェアとのクロスセルにより大幅な成長が見込まれる。スキルシェアについては、同社が自社採用したコンサルタントとフリーランスによる大規模案件への対応強化に加え、事業会社へ展開も進めることで高成長が期待できる。このため、中期的に同社が想定する売上成長は達成が可能と弊社では考える。また、案件次第だが、これにM&Aやアライアンスを加えることで、売上成長を加速することも考えられる。
利益面では、大きな伸びを見込む事業会社向け人材紹介とスキルシェアは好採算とはいえ、コンサルティングファーム向け人材紹介ほど採算は高くないので、売上総利益率は低下傾向が続くと思われる。加えて中期経営計画初年度に人員など先行投資をするため、今回の中期経営計画では、2024年6月期起点の営業利益成長率は12.9%(3年加重平均)と、売上高成長率17.1%(3年加重平均)を下回る予想であり、妥当な計画と言える。ただし2025年6月期を起点にすると、売上総利益率の低下が鈍化するとともに先行投資が一巡するため、営業利益成長率が30.9%(2年加重平均)と、売上高成長率20.1%(2年加重平均)を上回る見込みである。このため、結果的に額を重視した成長を指向しているように見えるが、一方で率の改善も視野に入れた数値目標になっていることがわかる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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■アクシスコンサルティング<9344>の業績動向
3. 2025年6月期の業績見通し
2025年6月期の業績は、売上高5,200百万円(前期比11.4%増)、営業利益700百万円(同16.0%減)、経常利益700百万円(同15.8%減)、当期純利益636百万円(同26.5%増)と見込んでいる。なお、2024年7月1日にケンブリッジ・リサーチ研究所を吸収合併したことに伴い、2025年6月期は非連結決算となることから決算短信では業績見通しを開示していないが、便宜上、決算説明資料で開示された数値を使用して連結決算の2024年6月期と比較した増減率を表示した。また、吸収合併に伴って抱合せ株式消滅差益172百万円が特別利益に発生することが予想されるため、当期純利益のみ人員増など先行投資を吸収して2ケタ増益となる見込みである。
同社は、引き続きコンサルティングファームを中心としたハイエンド人材の需要を確実に捉えるとともに、事業会社向け人材紹介を大きく伸ばす方針だ。また、体制強化などにより2024年6月期下期から成長軌道に戻ってきたスキルシェアをさらに拡大することで、人材紹介とスキルシェア全体で売上を増加させる計画である。利益面では、中期成長へ向けて事業会社向け人材紹介とスキルシェアを大きく育てるため、中期経営計画の期間、特に初年度の2025年6月期には先行的に人員を増加する計画だ。このため、2025年6月期の営業利益及び経常利益は、持続的な成長に向けて一時的に踊り場となる見込みである。
サービス別では、人材紹介の売上高(=平均年収×平均手数料率×入社決定人数)について、大手コンサルティングファームの採用需要の過熱感が一段落することを視野に、平均年収は前期とほぼ同水準を見込み、平均手数料率はコンサルティングファームの前期実績を下回って推移すると予想する。一方、事業会社向けサービスを強化していることから、入社決定人数を前期比13.6%増と想定し、人材紹介の売上高は3,259百万円(前期比3.1%増)を見込む。フリーコンサルBizの売上高(1人当たり月額平均受注単価×フリーコンサルタントの月次稼働人数合計)について、1人当たり平均受注単価は前期とほぼ同水準を維持すると見込む一方、稼働人数は体制を整えた前期下期からの成長軌道を維持することを前提に前期比31.7%増を予想している。これにより、スキルシェア全体で売上高1,941百万円(前期比29.1%増)を見込んでいる。
額を重視した成長の一方、率の改善も進める
4. 中期成長イメージ
同社の強みと中期経営計画を考慮すると、コンサルティングファーム向け人材紹介は、10%+αといわれる市場成長率を上回って推移することが予想される。事業会社向け人材紹介は、ケンブリッジ・リサーチ研究所を統合した効果に加え、コンサルティングファーム向け人材の活用やスキルシェアとのクロスセルにより大幅な成長が見込まれる。スキルシェアについては、同社が自社採用したコンサルタントとフリーランスによる大規模案件への対応強化に加え、事業会社へ展開も進めることで高成長が期待できる。このため、中期的に同社が想定する売上成長は達成が可能と弊社では考える。また、案件次第だが、これにM&Aやアライアンスを加えることで、売上成長を加速することも考えられる。
利益面では、大きな伸びを見込む事業会社向け人材紹介とスキルシェアは好採算とはいえ、コンサルティングファーム向け人材紹介ほど採算は高くないので、売上総利益率は低下傾向が続くと思われる。加えて中期経営計画初年度に人員など先行投資をするため、今回の中期経営計画では、2024年6月期起点の営業利益成長率は12.9%(3年加重平均)と、売上高成長率17.1%(3年加重平均)を下回る予想であり、妥当な計画と言える。ただし2025年6月期を起点にすると、売上総利益率の低下が鈍化するとともに先行投資が一巡するため、営業利益成長率が30.9%(2年加重平均)と、売上高成長率20.1%(2年加重平均)を上回る見込みである。このため、結果的に額を重視した成長を指向しているように見えるが、一方で率の改善も視野に入れた数値目標になっていることがわかる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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