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G−BBDI Research Memo(4):DX事業とBPO事業の2つの事業セグメントを展開(1)

注目トピックス 日本株
*12:04JST G−BBDI Research Memo(4):DX事業とBPO事業の2つの事業セグメントを展開(1)
■BBDイニシアティブ<5259>の会社概要

3. 事業内容
同社グループは、「ありがとうをX-Tech(クロステック)する」を経営理念に、「Digital Inclusion〜テクノロジーを通じて、世界中の人々が参加し、平等に利益を受ける機会を提供することで社会に希望を与える〜」をビジョンに掲げ、中堅・中小企業の人手不足をDXで補うべく、営業活動の自動化を中心とした業務の事業化・自律化をSaaS・AIで支援している。

事業セグメントとしては、セールステック、マーテック、タレントテック領域で構成されるDX事業と、ディープテック領域となるBPO事業の2つの事業セグメントで開示している。

(1) DX事業
DX事業では、「Knowledge Suite」を中心に各種SaaSをサブスクリプション型の月額課金モデルで提供しているほか、SaaSの導入・運用コンサルティングやインサイドセールス支援、サポート・研修などカスタマーサクセスに導く役務提供型サービスを展開している。売上高の8割強はストックビジネスとなるSaaSの月額課金収入で占められ、残り1割強がフロービジネスとなるカスタマーサクセス、インサイドセールス支援等のSaaS関連売上となる。事業会社としては、ブルーテック、ネットビジネスサポート、ブーストマーケティング、RocketStarterの4社で構成される。

a) SaaS
主力サービスである「Knowledge Suite」は、営業プロセスの可視化によって営業課題を解決し、生産性向上を実現するSFA/CRMをメイン機能として、グループウェアや名刺管理サービス、メール配信エンジン機能など複数機能をオールインワンで提供する統合ビジネスアプリケーションとなる。オールインワンとすることで、顧客は各サービスを個別で契約するよりも安価な月額料金で利用できる。また、ユーザー数が無制限でマルチデバイスに対応、社内外のどこからでも利用できることが特徴となっており、API連携やメールシステム、セキュリティ強化機能などのオプションサービスも用意している。サービス提供開始以降、累積導入社数は7,500社を超えており、中小企業向けクラウド型SFA/CRMサービスとしては業界トップクラスの実績を有する。料金体系は月額基本料をベースに蓄積データ容量やレコード数※1で一定水準を超えるごとに追加料金が発生する従量課金制となっている。オプション機能の追加利用も含めて導入期間が長くなるほどARPA※2も増加する傾向にある。また、解約率※3については毎月1〜2%の水準で推移している。

※1 対象となるレコード数は顧客、顧客担当者、商談、商品の合計で、8万レコードを超えると追加料金が1万レコードごとに発生する。
※2 ARPA(Average Revenue Per Account)とは、1契約企業当たりの平均年次経常収益(SaaSの各四半期末時点のARR÷契約企業数で算出)。なお、ARR(Annual Recurring Revenue)とは年次経常収益のことで、グループSaaSにおける各四半期末時点のMRRの12倍で算出。
※3 解約率(Churn Rate)はMRR基準(当該月の解約MRR÷前月末のMRR)で算出。

その他のセールステック領域におけるSaaSとしては、ブルーテックが提供するビジネスチャットアプリ「DiSCUS(ディスカス)」、複数のビジネスソフトウェアで利用されるID/パスワードを1つに統合できるシングルサインオンサービス「ROBOT ID」、単純な入力作業を自動化するRPAツール「おじどうさん」などがある。このうち、「DiSCUS」は高いセキュリティ技術に加え、生成AIを活用したAIチャットボット機能を実装して利便性を向上、オンプレミスにも対応できるほか、低価格で提供していることが特徴である。ターゲット顧客は従業員数で1千人以上の大企業が中心となる。

マーテック領域のSaaSとしては、ネットビジネスサポートが提供する営業リスト作成サービス「Papattoクラウド」がある。新規顧客開拓のための見込み顧客リストをWeb上に掲載される企業の公式サイトや各種ポータルサイトをクローリングして収集・作成するサービスで、BtoB企業向けのサービスとなる。約76万社の最新データをAI技術も活用しながら地域や業種、規模などに分類して効率的に見込み顧客リストを作成できるほか、部署名検索などによるピンポイントアプローチなども可能な点が強みであり、導入社数も着実に増加している。「Knowledge Suite」でも連携ソリューション(GRIDY AIリード)として提供している。

タレントテック領域では、2022年10月より有名タレントを活用した広告体験サービス「BUSINESS BOOST(ビジネスブースト)」を開始している。タレントの写真素材を自社の広告宣材として利用できるサービスとなる。利用料金は月額30万円からの契約となっており、契約料はタレントによって異なる。利用申込は多いものの同社で与信審査を行うほか、所属事務所でもタレントのイメージに合致するものかどうかチェックするため、実際に申込みがあっても契約締結まで進むケースは一部にとどまる。

SaaSの顧客開拓については、Webマーケティングや会社ホームページから入ってくる問い合わせ、並びに展示会出展やセミナー開催により獲得したリード(見込み顧客)に対して、インサイドセールスやフィールドセールス、提携代理店を通じて契約に結び付けている。また、同社グループのSaaSは顧客企業において潜在顧客の発掘からリードの獲得、育成、商談、受注に至るまですべての営業プロセスにおいて利用が可能なほか、社内の業務効率向上を支援するサービスも揃っているため、クロスセルによりARPAを引き上げやすいラインナップとなっている。同社では、顧客件数の拡大とARPA上昇による2軸でARRを積み上げ、SaaS収入を拡大していく戦略を推進している。

b) SaaS関連
SaaS関連のうち、カスタマーサクセスは同社のSaaS導入企業に対して、カスタマーサクセスを目的とした初期設定や操作方法の教育などのサービスを提供しているほか、導入時の運用定着支援や顧客企業のSaaS連携課題を解決する目的として、システム間連携開発支援サービスなどを提供している。カスタマーサクセスは役務提供時に売上高が発生するフロー型ビジネスであり、単体では安定的な収益が生まれにくいものの、SaaS契約時に合わせて同サービスを契約した企業と、そうでない企業とでは1年後の解約率が変わってくるほか、ARPAやLTV(顧客生涯価値)の向上にもつながることから、中長期的な成長を実現していくために必要なサービスと位置付けている。

また、RocketStarterで展開しているインサイドセールス支援では、大企業のアポイントを取りたい企業向けのサービスとして戦略立案から実務まで一気通貫で支援する「Rocket Starter」、中堅・中小企業のアポイントメントを取りたい企業向けのサービスとして、「Papattoクラウド」による約76万社の企業リストをベースにAIで有望顧客を絞り込みSFAのノウハウを活用してアポイントメントにつなげるサービス「Piece」、手紙を活用したキーマンへのアプローチによるBDR伴走型支援サービス「Toppa」の3つのサービスを提供している。インサイドセールス支援に関しては、「Knowledge Suite」等のグループサービスの顧客獲得にも活用している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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