ストレージ王 Research Memo(4):ストックとフローの収益ミックス最適化を実現(2)
[26/04/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:04JST ストレージ王 Research Memo(4):ストックとフローの収益ミックス最適化を実現(2)
■ストレージ王<2997>の事業概要
2. トランクルーム開発分譲事業
トランクルーム開発分譲事業は、トランクルームを企画・開発し、完成後に投資家へ売却することで利益を得ている。事業は、用地購入・ビルイン型建築の場合と、土地賃借・コンテナ型建築の場合に大別される。具体的には、用地を購入しビルイン型建物を建設後、土地建物として売却する場合と、借地上にコンテナ型建物を建設後、建物部分を売却する場合がある。また、場合によっては、トランクルームの内装部分のみを売却するケースも存在する。特に、2019年以降は在来建築によるビルイン型トランクルームの開発に注力しており、トランクルームの企画・開発機能はデベロップから同社に引き継がれ、用地取得から建築業務まで同社が施主として取り組むことで、独立性を高めている。加えて、首都圏エリアを中心に旺盛な需要に応えるべく、借地上でのコンテナ型開発にも注力している。実際、2019年12月に神奈川県川崎市高津区で初のビルイン型店舗である梶が谷TRを開店し、その後も各地域で上石神井、中板橋、中野沼袋、ときわ台、東浅草、江戸川橋、尾山台、新大塚、本八幡、那覇泉崎、下目黒、西大井、東長崎、天王町、杉並宮前、幡ヶ谷、亀戸、南砂と、店舗を順次開店している。ビルイン型トランクルームは、借地ではなく所有権のある土地上に建設する必要があるため、初期投資が土地と建物を合わせおおむね3〜6億円以上となるが、開発段階で大口投資家(法人)と情報共有し、価格目線をすり合わせており、銀行借入もスムーズに進む投資パイプラインが構築されている。
3. その他不動産取引事業
その他不動産取引事業は、トランクルーム開発以外の不動産に関して、コンサルティングフィーの受領、売買、賃料収入等を通じた利益獲得を目的としている。同社は不動産事業者やテナント候補との接点を多く有することから、トランクルーム以外の不動産に関する売買やコンサルティングの依頼を受ける可能性がある。なお、トランクルーム用地として購入した土地に対して引き合いがあった場合や、まれに開発スケジュールの遅延が生じた場合には、不動産事業者として土地のまま売買を行うケースも想定している。
4. 同社の強み
同社は、運営力、仕入開発力、物件売却力という3つの強みにより、事業全体の競争優位性を確固たるものとしている。各要素は、同社がトランクルーム市場において持続的な収益拡大と安定的な資産運用を実現するための基盤となっており、これらの強みは顧客ニーズへの的確な対応と高い設備品質、さらに優れた不動産開発と売却能力に裏打ちされている。
(1) 運営力
同社は、適正な運営によってトランクルームの稼働率を上昇させることで収益の拡大を実現している。安心・安全な設備の確保に注力しており、建築基準法に基づく構造強度、断熱性能、雨水浸入対策といった基本性能を充実させるとともに、すべての建物が建築確認を取得しているため、顧客は安心して荷物を保管できる。システムキーや監視カメラといったセキュリティ対策の面においても高い品質が維持されている点は、同社の大きな強みである。加えて、定期的な巡回と清掃、ビルイン型廊下のカーペット仕様やエアコン、除湿器といった充実した空調設備を整えることで、店舗全体の清潔感と快適性が保たれている。運営・リーシングの実績に裏付けられたノウハウにより、利用実績に基づいたレイアウト計画や価格設定を可能にするとともに、既存店舗においても柔軟なレイアウト変更が可能となっている。顧客への家財保管のアドバイスや、クローゼット感覚の内装設計、室内大型案件では窓からの自然光を取り入れる工夫、さらにはコンテナ案件において庫内照明を設けるなど、機能とデザイン性を両立させる点においても高い評価を得ている。これらの施策は、同社が顧客の多様なニーズに迅速かつ的確に応えるための運営力の高さを如実に示している。運営面での継続的な改善と実績の蓄積は、収益基盤の安定性を裏付ける要素であり、今後の市場拡大の面でも期待できると弊社では考えている。
(2) 仕入開発力
同社は、トランクルームに適した用地を適正な価格で取得している点や、借地する能力においても競争優位性を有している。過去の土地購入や借地の実績により、土地所有者や仲介業者から有益な情報が得られると同時に、立地や形状に制約を受けない競争力のある取引が実現されている。また、建築から修繕、改修に至るまでのすべての業務を一括して受託することで、手間のかからない運営体制を提供している点も注目に値する。さらに、不動産仲介業者、金融機関、設計事務所・ゼネコン、不動産投資家と密接な関係を構築しており、これらの連携を通じて仕入、建築、売却の各プロセスにおいて効率的な取引を実現している。
(3) 物件売却力
用地購入資金の調達や、ゼネコン・設計事務所との協業により年間30億円規模の物件の供給体制を確立している。完成したトランクルーム物件を投資家に対して継続的に売却できる点も同社の競争優位性の1つである。屋内大型案件における開発実績を背景に、不動産仲介業者や信託銀行などとの関係を強化し、投資家に対して継続的かつ安定的な運用資産を供給している。さらに完成後の追加投資が少なく、運営管理の手間が少ないことから、不動産投資家がリピートする事例が多い点も売却の安定感につながっている。
5. 市場環境
同社では、首都圏におけるマンション価格の高止まりは継続し、テレワーク等の定着からトランクルーム利用については底堅い需要があると見ている。国立社会保障・人口問題研究所が2023年12月22日に発表した2050年までの「地域別将来推計人口」によると、2050年に日本の総人口は2020年比2,146万人減少の1億468万人となるが、東京都のみ2020年の人口を上回ると予測されており、同社では東京エリアのトランクルーム需要は当面の間は継続すると見込んでいる。
総じて、トランクルーム市場は堅調な成長を続けており、都市部における居住環境の変化や家賃高騰がその需要拡大を後押ししている。今後も消費者のライフスタイルの変化に伴い、さらなる市場拡大が期待されるなか、競争力のあるサービス提供や立地戦略を強化することが、持続的成長のカギとなると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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■ストレージ王<2997>の事業概要
2. トランクルーム開発分譲事業
トランクルーム開発分譲事業は、トランクルームを企画・開発し、完成後に投資家へ売却することで利益を得ている。事業は、用地購入・ビルイン型建築の場合と、土地賃借・コンテナ型建築の場合に大別される。具体的には、用地を購入しビルイン型建物を建設後、土地建物として売却する場合と、借地上にコンテナ型建物を建設後、建物部分を売却する場合がある。また、場合によっては、トランクルームの内装部分のみを売却するケースも存在する。特に、2019年以降は在来建築によるビルイン型トランクルームの開発に注力しており、トランクルームの企画・開発機能はデベロップから同社に引き継がれ、用地取得から建築業務まで同社が施主として取り組むことで、独立性を高めている。加えて、首都圏エリアを中心に旺盛な需要に応えるべく、借地上でのコンテナ型開発にも注力している。実際、2019年12月に神奈川県川崎市高津区で初のビルイン型店舗である梶が谷TRを開店し、その後も各地域で上石神井、中板橋、中野沼袋、ときわ台、東浅草、江戸川橋、尾山台、新大塚、本八幡、那覇泉崎、下目黒、西大井、東長崎、天王町、杉並宮前、幡ヶ谷、亀戸、南砂と、店舗を順次開店している。ビルイン型トランクルームは、借地ではなく所有権のある土地上に建設する必要があるため、初期投資が土地と建物を合わせおおむね3〜6億円以上となるが、開発段階で大口投資家(法人)と情報共有し、価格目線をすり合わせており、銀行借入もスムーズに進む投資パイプラインが構築されている。
3. その他不動産取引事業
その他不動産取引事業は、トランクルーム開発以外の不動産に関して、コンサルティングフィーの受領、売買、賃料収入等を通じた利益獲得を目的としている。同社は不動産事業者やテナント候補との接点を多く有することから、トランクルーム以外の不動産に関する売買やコンサルティングの依頼を受ける可能性がある。なお、トランクルーム用地として購入した土地に対して引き合いがあった場合や、まれに開発スケジュールの遅延が生じた場合には、不動産事業者として土地のまま売買を行うケースも想定している。
4. 同社の強み
同社は、運営力、仕入開発力、物件売却力という3つの強みにより、事業全体の競争優位性を確固たるものとしている。各要素は、同社がトランクルーム市場において持続的な収益拡大と安定的な資産運用を実現するための基盤となっており、これらの強みは顧客ニーズへの的確な対応と高い設備品質、さらに優れた不動産開発と売却能力に裏打ちされている。
(1) 運営力
同社は、適正な運営によってトランクルームの稼働率を上昇させることで収益の拡大を実現している。安心・安全な設備の確保に注力しており、建築基準法に基づく構造強度、断熱性能、雨水浸入対策といった基本性能を充実させるとともに、すべての建物が建築確認を取得しているため、顧客は安心して荷物を保管できる。システムキーや監視カメラといったセキュリティ対策の面においても高い品質が維持されている点は、同社の大きな強みである。加えて、定期的な巡回と清掃、ビルイン型廊下のカーペット仕様やエアコン、除湿器といった充実した空調設備を整えることで、店舗全体の清潔感と快適性が保たれている。運営・リーシングの実績に裏付けられたノウハウにより、利用実績に基づいたレイアウト計画や価格設定を可能にするとともに、既存店舗においても柔軟なレイアウト変更が可能となっている。顧客への家財保管のアドバイスや、クローゼット感覚の内装設計、室内大型案件では窓からの自然光を取り入れる工夫、さらにはコンテナ案件において庫内照明を設けるなど、機能とデザイン性を両立させる点においても高い評価を得ている。これらの施策は、同社が顧客の多様なニーズに迅速かつ的確に応えるための運営力の高さを如実に示している。運営面での継続的な改善と実績の蓄積は、収益基盤の安定性を裏付ける要素であり、今後の市場拡大の面でも期待できると弊社では考えている。
(2) 仕入開発力
同社は、トランクルームに適した用地を適正な価格で取得している点や、借地する能力においても競争優位性を有している。過去の土地購入や借地の実績により、土地所有者や仲介業者から有益な情報が得られると同時に、立地や形状に制約を受けない競争力のある取引が実現されている。また、建築から修繕、改修に至るまでのすべての業務を一括して受託することで、手間のかからない運営体制を提供している点も注目に値する。さらに、不動産仲介業者、金融機関、設計事務所・ゼネコン、不動産投資家と密接な関係を構築しており、これらの連携を通じて仕入、建築、売却の各プロセスにおいて効率的な取引を実現している。
(3) 物件売却力
用地購入資金の調達や、ゼネコン・設計事務所との協業により年間30億円規模の物件の供給体制を確立している。完成したトランクルーム物件を投資家に対して継続的に売却できる点も同社の競争優位性の1つである。屋内大型案件における開発実績を背景に、不動産仲介業者や信託銀行などとの関係を強化し、投資家に対して継続的かつ安定的な運用資産を供給している。さらに完成後の追加投資が少なく、運営管理の手間が少ないことから、不動産投資家がリピートする事例が多い点も売却の安定感につながっている。
5. 市場環境
同社では、首都圏におけるマンション価格の高止まりは継続し、テレワーク等の定着からトランクルーム利用については底堅い需要があると見ている。国立社会保障・人口問題研究所が2023年12月22日に発表した2050年までの「地域別将来推計人口」によると、2050年に日本の総人口は2020年比2,146万人減少の1億468万人となるが、東京都のみ2020年の人口を上回ると予測されており、同社では東京エリアのトランクルーム需要は当面の間は継続すると見込んでいる。
総じて、トランクルーム市場は堅調な成長を続けており、都市部における居住環境の変化や家賃高騰がその需要拡大を後押ししている。今後も消費者のライフスタイルの変化に伴い、さらなる市場拡大が期待されるなか、競争力のあるサービス提供や立地戦略を強化することが、持続的成長のカギとなると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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