ホリイフード Research Memo(3):多業態展開で安定基盤を構築し、インバウンドやM&Aで成長を目指す
[26/08/25]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
*11:03JST ホリイフード Research Memo(3):多業態展開で安定基盤を構築し、インバウンドやM&Aで成長を目指す
■事業概要
1. 事業概要
ホリイフードサービス<3077>の事業セグメントは、北関東・首都圏・東北及び関西※の地域別に区分されているが、本質的な強みは地域特性への対応に加え、多数の業態を組み合わせたポートフォリオ経営を推進している点にある。和風居酒屋を中心としながらも、牛タン、鍋、焼肉、ラーメン、イタリアン、ステーキなど幅広いカテゴリーを展開しており、特定業態への依存を抑え、市場ニーズや消費者の嗜好変化に柔軟に対応できる事業基盤を構築している。
※ 関西は、2026年11月期中間期より報告セグメントとして新設。
主力ブランドは、全席個室の和風ダイニング「忍家」であり、同社において最大の店舗網を持つ。このほか、「もんどころ」「うま囲」「赤から」など収益力の高い既存ブランドに加え、「エンペラーステーキ」や「ハラル和牛ラーメン 大阪武勇伝」といったインバウンド需要を取り込む新業態も展開している。また、各業態について既存店の業態転換や新規開発を継続的に実施し、収益性や市場環境に応じて最適な店舗ポートフォリオへ見直しを進めている。CCHグループ入り後は、マーケティング力を活用したブランド再構築や新業態開発が加速しており、業態ポートフォリオを活用した成長戦略を推進している。
2. 業態別ポートフォリオ
同社の最大の特徴は、多数の業態を組み合わせたポートフォリオ経営にある。2026年5月末現在の店舗数は79店舗であり、主力業態である「忍家」が36店舗と全体の約46%を占めているが、「もんどころ」「うま囲」「四〇屋」「焼肉とスンドゥブ チェゴ!!」(以下、「チェゴ!!」)「ボンジョルノ食堂」など、それぞれ異なるコンセプトを持つ業態を展開している。また、「赤から」や「らぁ麺ふじ田」といった有力FC業態も取り入れることで、幅広い顧客ニーズに対応できる店舗構成としている。
業態構成を見ると、和風居酒屋を基盤としながらも、牛タン、海鮮、韓国料理、イタリアン、ラーメン、ステーキなど多様なカテゴリーへ事業領域を拡張している。立地も駅前、市街地、ロードサイド、観光地など幅広く、ファミリー層、サラリーマン、女性客、観光客、さらには訪日外国人と、ターゲットを分散させている。たとえば、「エンペラーステーキ」は訪日外国人を主要顧客とし、平均客単価4万円という高付加価値業態である。一方、「四〇屋」「チェゴ!!」「うま囲」「ボンジョルノ食堂」などは、既存事業の強化業態として育成が進められており、「忍家」に続く新たな収益の柱として期待される。こうした業態ポートフォリオを機動的に見直しながら、市場環境や消費者ニーズの変化に対応していくことが、同社の成長戦略の中核となっている。
エリア別では、北関東エリアが35店舗(店舗構成比44.3%)と最大の出店エリアとなっている。創業の地である茨城県だけで26店舗を展開しており、同県を中心とした強固なドミナント戦略が同社の事業基盤となっている。一方、首都圏エリアは30店舗(同38.0%)を展開し、売上構成比は40.8%と店舗構成比を上回ることから、都市部立地を生かした収益性の高いエリアである。
東北エリアは12店舗(同15.2%)を展開し、売上構成比も15.3%と店舗構成比とほぼ一致していることから、安定した収益基盤を形成していることがわかる。関西エリアは大阪府及び京都府の2店舗(同2.5%)とまだ小規模であり、売上構成比も0.8%にとどまっているが、新規開拓エリアとして成長余地がある。実際、同社はインバウンド向け業態である「エンペラーステーキ」や「ハラル和牛ラーメン 大阪武勇伝」を関西エリアへ出店しており、西日本への事業基盤拡大を進めている。今後は、北関東を安定収益基盤としつつ、首都圏及び関西エリアへの出店拡大により、エリアポートフォリオの最適化を図る方針である。
3. 経営戦略の評価
同社の経営戦略は、「安定収益基盤の構築」と「成長ドライバーの育成」を明確に切り分けた二層構造を採用している。
まず「安定収益基盤の構築」として、北関東を中心とした地方ドミナント戦略を展開している。地方立地は都心部と比較して賃料負担が低く、固定費を抑えた店舗運営が可能である。また、CCHグループが持つマーケティング機能やデータ分析を活用することで、地域特性や需要に応じた業態開発・業態変更を進め、不採算店舗の削減や既存店収益力の向上を実現している。低コストの事業基盤とマーケティング力を組み合わせることで、安定したキャッシュ・フローを創出できる点は同社の大きな強みである。
一方、「成長ドライバーの育成」では、インバウンド需要の取り込みとM&A戦略を両輪としている。インバウンド向け業態「エンペラーステーキ」は、高単価かつ競争の少ない市場を開拓し、新宿歌舞伎町店で成功モデルを確立したほか、京都三条店では空中階という従来不利とされてきた立地でも黒字化を実現した。これは予約起点型の集客モデルとデジタルマーケティングによって立地制約を克服した事例であり、今後の多店舗展開に向けた再現性の検証が進んでいる。
また、M&A戦略では、セイコーポレーションにおけるPMIを通じて、オペレーション改善、人材交流、デジタル集客、物流・顧客基盤の共有などの統合ノウハウを蓄積している。同社はこのPMIを標準化し、今後のM&Aへ横展開する「ロールアップモデル」の構築を明確に打ち出している。さらに、鮨桝食品の子会社化により、西日本エリアへの進出と中食事業への参入を実現し、事業ポートフォリオの拡充を進めている。
以上を踏まえると、同社は地方ドミナント戦略による安定した収益基盤を確保しながら、インバウンド市場とM&Aを成長エンジンとして企業価値の向上を目指す戦略を採用している。収益の安定性と成長性を両立したバランスの取れた経営戦略であり、CCHグループの経営管理・マーケティング機能を活用できる点も含め、中長期的な成長余地があると考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
<HN>
■事業概要
1. 事業概要
ホリイフードサービス<3077>の事業セグメントは、北関東・首都圏・東北及び関西※の地域別に区分されているが、本質的な強みは地域特性への対応に加え、多数の業態を組み合わせたポートフォリオ経営を推進している点にある。和風居酒屋を中心としながらも、牛タン、鍋、焼肉、ラーメン、イタリアン、ステーキなど幅広いカテゴリーを展開しており、特定業態への依存を抑え、市場ニーズや消費者の嗜好変化に柔軟に対応できる事業基盤を構築している。
※ 関西は、2026年11月期中間期より報告セグメントとして新設。
主力ブランドは、全席個室の和風ダイニング「忍家」であり、同社において最大の店舗網を持つ。このほか、「もんどころ」「うま囲」「赤から」など収益力の高い既存ブランドに加え、「エンペラーステーキ」や「ハラル和牛ラーメン 大阪武勇伝」といったインバウンド需要を取り込む新業態も展開している。また、各業態について既存店の業態転換や新規開発を継続的に実施し、収益性や市場環境に応じて最適な店舗ポートフォリオへ見直しを進めている。CCHグループ入り後は、マーケティング力を活用したブランド再構築や新業態開発が加速しており、業態ポートフォリオを活用した成長戦略を推進している。
2. 業態別ポートフォリオ
同社の最大の特徴は、多数の業態を組み合わせたポートフォリオ経営にある。2026年5月末現在の店舗数は79店舗であり、主力業態である「忍家」が36店舗と全体の約46%を占めているが、「もんどころ」「うま囲」「四〇屋」「焼肉とスンドゥブ チェゴ!!」(以下、「チェゴ!!」)「ボンジョルノ食堂」など、それぞれ異なるコンセプトを持つ業態を展開している。また、「赤から」や「らぁ麺ふじ田」といった有力FC業態も取り入れることで、幅広い顧客ニーズに対応できる店舗構成としている。
業態構成を見ると、和風居酒屋を基盤としながらも、牛タン、海鮮、韓国料理、イタリアン、ラーメン、ステーキなど多様なカテゴリーへ事業領域を拡張している。立地も駅前、市街地、ロードサイド、観光地など幅広く、ファミリー層、サラリーマン、女性客、観光客、さらには訪日外国人と、ターゲットを分散させている。たとえば、「エンペラーステーキ」は訪日外国人を主要顧客とし、平均客単価4万円という高付加価値業態である。一方、「四〇屋」「チェゴ!!」「うま囲」「ボンジョルノ食堂」などは、既存事業の強化業態として育成が進められており、「忍家」に続く新たな収益の柱として期待される。こうした業態ポートフォリオを機動的に見直しながら、市場環境や消費者ニーズの変化に対応していくことが、同社の成長戦略の中核となっている。
エリア別では、北関東エリアが35店舗(店舗構成比44.3%)と最大の出店エリアとなっている。創業の地である茨城県だけで26店舗を展開しており、同県を中心とした強固なドミナント戦略が同社の事業基盤となっている。一方、首都圏エリアは30店舗(同38.0%)を展開し、売上構成比は40.8%と店舗構成比を上回ることから、都市部立地を生かした収益性の高いエリアである。
東北エリアは12店舗(同15.2%)を展開し、売上構成比も15.3%と店舗構成比とほぼ一致していることから、安定した収益基盤を形成していることがわかる。関西エリアは大阪府及び京都府の2店舗(同2.5%)とまだ小規模であり、売上構成比も0.8%にとどまっているが、新規開拓エリアとして成長余地がある。実際、同社はインバウンド向け業態である「エンペラーステーキ」や「ハラル和牛ラーメン 大阪武勇伝」を関西エリアへ出店しており、西日本への事業基盤拡大を進めている。今後は、北関東を安定収益基盤としつつ、首都圏及び関西エリアへの出店拡大により、エリアポートフォリオの最適化を図る方針である。
3. 経営戦略の評価
同社の経営戦略は、「安定収益基盤の構築」と「成長ドライバーの育成」を明確に切り分けた二層構造を採用している。
まず「安定収益基盤の構築」として、北関東を中心とした地方ドミナント戦略を展開している。地方立地は都心部と比較して賃料負担が低く、固定費を抑えた店舗運営が可能である。また、CCHグループが持つマーケティング機能やデータ分析を活用することで、地域特性や需要に応じた業態開発・業態変更を進め、不採算店舗の削減や既存店収益力の向上を実現している。低コストの事業基盤とマーケティング力を組み合わせることで、安定したキャッシュ・フローを創出できる点は同社の大きな強みである。
一方、「成長ドライバーの育成」では、インバウンド需要の取り込みとM&A戦略を両輪としている。インバウンド向け業態「エンペラーステーキ」は、高単価かつ競争の少ない市場を開拓し、新宿歌舞伎町店で成功モデルを確立したほか、京都三条店では空中階という従来不利とされてきた立地でも黒字化を実現した。これは予約起点型の集客モデルとデジタルマーケティングによって立地制約を克服した事例であり、今後の多店舗展開に向けた再現性の検証が進んでいる。
また、M&A戦略では、セイコーポレーションにおけるPMIを通じて、オペレーション改善、人材交流、デジタル集客、物流・顧客基盤の共有などの統合ノウハウを蓄積している。同社はこのPMIを標準化し、今後のM&Aへ横展開する「ロールアップモデル」の構築を明確に打ち出している。さらに、鮨桝食品の子会社化により、西日本エリアへの進出と中食事業への参入を実現し、事業ポートフォリオの拡充を進めている。
以上を踏まえると、同社は地方ドミナント戦略による安定した収益基盤を確保しながら、インバウンド市場とM&Aを成長エンジンとして企業価値の向上を目指す戦略を採用している。収益の安定性と成長性を両立したバランスの取れた経営戦略であり、CCHグループの経営管理・マーケティング機能を活用できる点も含め、中長期的な成長余地があると考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
<HN>










SEO関連




