10日の中国本土市場概況:大幅続落、弱い貿易収支などで上海は2000の大台割れ
[14/03/10]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 外国株
10日の中国本土市場は大幅続落。上海総合指数は前営業日比58.84ポイント安(-2.86%)の1999.07、深セン成分指数は同210.04ポイント安(-2.87%)の7118.44で取引を終えた。
売りが先行した後はしばらく狭いレンジでもみ合ったが、後半に下げ幅を一段と拡大させた。上海総合指数はこの日、終値べースで1月20日以来の安値を更新し、2000の大台を割り込んで引けた。
弱い貿易収支が成長鈍化懸念を強めた。2月の貿易収支は市場予想に反して229億9000万米ドル(約2兆3680億円)の赤字に転じた。また、中国人の乗客を多く乗せたマレーシア航空370便機が行方不明になっていることも、航空や旅行、ホテル、保険などの売り手掛かりとなった。そのほか、全国人民代表大会(全人代)などの閉幕が近いことも利益確定売りを加速させたもよう。
政策面では、住宅価格の高騰を抑制するとの政府方針が改めて強調されたことが銀行や不動産関連の売り材料。住宅当局はこのほど、今後は細分化した引き締め策を発表すると示唆した。また、期待されていた優良株に約定日と受渡日が同日になる「T+0」取引の導入時期が確定されていないとの当局発言も証券などの圧迫材料となった。
一方、食品や公共事業、環境関連の一角が前半に買われた。「一人っ子政策」の緩和に伴い、粉ミルクなど乳製品関連の需要が大幅に増加するとの期待が高まった。また、政府が予想以上の資金を環境改善に投入するとの見通しも関連銘柄の物色手がかりとなった。
なお、行方不明になっているマレーシア航空370便には、計154人の中国人と台湾人が搭乗したと報告されている。現時点では、有力な手掛かりはなく、11カ国が捜索活動に参加している。
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