10日の香港市場概況:ハンセン指数は小幅反落、香港系不動産株がさえない
[15/08/10]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 外国株
10日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比31.35ポイント(0.13%)安の24521.12ポイントと反落したものの、本土企業株で構成されるH株指数は63.72ポイント(0.57%)高の11291.66ポイントと続伸した。売買代金は802億7900万香港ドルにやや増加している(7日は713億5700万香港ドル)。
徐々に下げ渋る流れ。米9月利上げ観測が強まったことや、週末に発表された7月の中国貿易統計や物価統計が本土景気の鈍化傾向を示す内容だったことを嫌気して安く始まったものの、本土株高をにらみながら下げ幅を縮小した(ハンセンは一時プラス、H株は前場途中からプラス)。本土市場では、「中国国務院(内閣に相当)が国有企業改革の実施案を承認した」と報じられたことなどが材料視されている。
ハンセン指数の構成銘柄では、香港系不動産株がさえない。九龍倉集団(4/HK)が2.1%安、恒隆地産(101/HK)が1.7%安、新世界発展(17/HK)が1.1%安で引けた。米早期利上げ観測が香港域内の不動産株にとって逆風となっている。香港の金融政策は米金利動向に左右されるためだ。
一方、国有企業の再編観測に絡み、中央企業傘下の銘柄群は急伸。なかでも中糧集団公司(コフコ)傘下企業の上げが目立つ。中国糧油HD(606/HK)が14.7%高、中国食品(506/HK)が12.4%高、中糧包装HD(906/HK)が7.0%高と買い進まれた。 そのほかにも同じ再編期待で、電力設備メーカーのハルビン電気(1133/HK)が15.6%高、冶金系エンジニアリング大手の中国冶金科工(1618/HK)が13.1%高、アルミニウム中国最大手の中国アルミ(2600/HK)が11.6%高、航空機メーカーの中国航空科技工業(2357/HK)が8.0%高などと急伸している。
なお、本日の香港マーケットでは、中国遠洋HD(1919/HK)など海運系5銘柄が株式売買を停止した。中国の海運業界をめぐっては先週末、国有2大グループの合併観測が浮上。国遠洋運輸(集団)公司と中国海運(集団)総公司が経営統合に向け、専門チームを立ち上げたと報じられている。売買を停止したのは、いずれも両グループの傘下企業だ。
【亜州IR】
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