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万科の王董事長、筆頭株主浮上の宝能グループ「歓迎しない」

注目トピックス 外国株
不動産デベロッパー中国大手、万科企業(チャイナ・ヴァンカ:2202/HK)の筆頭株主の座をめぐり、争いの種がまかれようとしている。市場での株式取得を通じて筆頭株主に浮上した民営コングロマリットの宝能グループに対し、創業者で董事長の王石氏が「歓迎しない」との姿勢を示しているのだ。王氏は宝能グループについて、投資手法が大きなリスクを抱えることなどに言及。その上で、同グループを「信用できない」と評した。現地メディアが18日伝えた。

今月に入り、宝能グループ傘下の深セン市鉅盛華公司が複数回にわたって、万科のA株やH株を買い付けている。万科の発表(6日付)によると、深セン市鉅盛華公司とその系列会社の前海人寿保険公司の出資比率は20.008%に上昇。政府系の華潤グループを上回り、筆頭株主に浮上した。

王氏はそうした宝能グループの動きについて、万科株を購入した資金の大部分が投資型の保険商品「万能保険」の販売による点を指摘。この資金は実際には“短期負債”と呼ぶべきもので、長期的な株式投資には向かないとの見解を示した。こうした投資の方法には、大きなリスクがあると警戒。「上場しているからには、誰が万科の株主になるかを選べないが、誰が筆頭株主になるかに無関心ではいられない」と語った。

宝能グループは不動産を中心に、金融や物流、小売、観光など幅広く事業展開する。近年は傘下企業を通じて上場企業株を買い付け、傘下に収める手法を多用。中でも不動産デベロッパーがターゲットになることが多く、万科株の買い付けもそうした動きの一環だ。

万科企業は広東省・深センを拠点に、珠江デルタ(広東省一帯)や長江デルタ(上海、江蘇省、浙江省)、環渤海湾(北京、天津、河北省、山東省)などで不動産物件を開発する。瀋陽や長春、大連、成都、武漢など、東北や内陸部でも事業を展開。15年6月末時点で建設中の物件面積は計3678万平米(持分ベース)に上る。

【亜州IR】




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