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「債権の株式化」で中国銀に損失リスク、華栄能源の株価下落で

注目トピックス 外国株
中国当局が近く、一部銀行を対象に「債権の株式化」を解禁する??と報じられるなか、銀行の損失リスクの高まりが警戒されている。銀行にとっては、融資先企業の株価が株式化した際の価格を下回った場合、含み損が膨らむ形となるためだ。例えば、国有4大銀行の一角である中国銀行(3988/HK)が今後、造船大手の中国華栄能源(1101/HK)に対する債権を株式化する予定だが、華栄能源の現在株価は0.77香港ドルと、予定されている株式取得価格の1.20香港ドルを36%下回る水準にある。中国銀がすでに華栄能源の株主になっていたと仮定した場合、現時点で9億7200万香港ドル(約136億円)の損失を抱える計算だ。香港メディアが7日伝えた。
中国メディアは先ごろ、一部銀行を対象に中国当局が「債権の株式化」を試行するもよう??と報じた。「債権の株式化」とは、銀行が保有する企業などの債権を株式に振り替えるというもの。企業側から見て「債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ:DES)」と呼ばれるこの方法は、中国のバッドバンクにあたる国有資産管理会社(AMC)が実施しているが、商業銀行には認められていない。
これに先立つ形で3月8日、香港上場の華栄能源がDESによる債務再編計画を発表していた。債権行などを割当先とし、最大171億800万株の新株を1株当たり1.20香港ドルで発行する計画。これにより、最大の債権行である中国銀が同社株14%を引き受け、筆頭株主になる可能性があるという。
「債権の株式化」は企業側にとって、債務負担の軽減につながるプラス材料。ただ銀行にとっては、短期的には不良債権リスクの軽減につながるものの、長期的にはマイナス影響が大きいとみられている。債務負担を軽減しても企業側の経営が改善されなかった場合、銀行の財務へのマイナスインパクトが大きいためだ。
実際、前述の華栄能源について、不振の造船事業を縮小し、石油・天然ガスに主力事業を転換する戦略を進めているが、業績は2015年度まで3期連続の赤字だった。経営の先行き不透明感が強いなかで、株主になる中国銀へのマイナス影響が懸念されている。

【亜州IR】



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