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欧米為替見通し:ドル・円は弱含みか、トランプ税制の後ズレに懸念

注目トピックス 外国株
今日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開を予想する。トランプ政策の柱である税制改革が後ズレするとの観測が広がり、ドル売りに振れやすい地合いが見込まれる。また、サウジアラビアの汚職摘発問題への警戒も続きそうだ。

米国メディアによると、トランプ政権の税制改革案で現行35%の法人税率引き下げについて、大半は実施を2019年と1年延期する可能性が浮上。減税対策の遅れは企業業績の悪化につながるため株安を誘発し、長期金利が低下してドル売り基調が強まろう。報道を受け、アジア市場でドル・円は113円64銭まで値を下げた。その後は本邦機関投資家などの押し目買いに下支えされたが、海外市場ではそうした支えが薄くなるため、ドル・円は下げやすい地合いとなりそうだ。

一方、サウジの王族や閣僚が拘束された問題も、地政学リスクとして不安材料視される。サルマン国王が実子ムハンマド皇太子への権限移譲に関連し、反対勢力の一掃を進めているようだ。同国のタダウル全株指数は、投資やビジネス環境悪化につながるとの懸念から、足元は値が大きく振れやすい状況。国内の内紛をきっかけに中東地域の対立に発展する可能性もあり、原油相場への影響も含めた地政学リスクを意識した円買いが続く見通し。
これらのほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の主要メンバーであるダドリーNY連銀総裁が2019年1月までの任期を残し来年半ばに退任する問題で、連邦準備制度理事会(FRB)の金融正常化への影響が注視される。また、トランプ政権の対日貿易不均衡の是正に向けた姿勢が鮮明となり、円先高観も意識されやすい。FRBの12月追加利上げ観測がドルの目先的な下支えになるものの、その後の展開に不透明感が広がり始めたようだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-2.6%)
・03:00 米財務省10年債入札(230億ドル)
・05:00 NZ準備銀行が政策金利発表(1.75%に据え置き予想)





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