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30日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で続落、中国自動車セクターに売り

注目トピックス 外国株
30日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比119.05ポイント(0.44%)安の26667.71ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が67.91ポイント(0.64%)安の10479.09ポイントとそろって続落した。売買代金は752億8400万香港ドルとなっている(29日は788億1300万香港ドル)。

内外環境の不透明感が重し。主力ハイテク株の決算下振れで、昨夜の米株が売られた流れを継いだ。香港経済の先行き不安も持続。あす発表される7〜9月期の域内GDP速報値について、香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はマイナス成長となる可能性を指摘した。また、米中通商協議の楽観もやや後退。米メディアは29日、「チリ・サンティアゴで11月16〜17日に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)を舞台とした『第1段階』合意文書の署名は間に合わない可能性がある」と関係者の話として報じた。

ハンセン指数の構成銘柄では、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.0%安、香港不動産デベロッパー大手の信和置業(83/HK)が1.9%安、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が1.8%安と下げが目立った。時価総額上位の金融株も売られている。

業種別では、中国の自動車が安い。比亜迪(BYD:1211/HK)と広州汽車集団(2238/HK)がそろって5.6%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.0%、北京汽車(1958/HK)が2.6%、東風汽車集団(489/HK)が2.4%ずつ下落した。充電電池・自動車メーカーのBYDに関しては、1〜9月期の業績伸び悩みと通期決算の減益見通しが嫌気されている。広州汽車集団の業績は悪化。純利益は前年同月比で36%減少した。

海運関連セクターもさえない。中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が1.8%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が1.7%安、太平洋航運集団(2343/HK)が1.6%安、中遠海運HD(1919/HK)が1.0%安と値を下げた。コンテナ生産で中国最大手の中国国際海運集装箱については、28日引け後に公表した1〜9月期決算の73%減益が引き続き売り材料視さている。同社によれば、米中の貿易摩擦や世界的な景気減速を背景に、コンテナ販売数が大幅に落ち込んだ。

半面、業績が改善した銘柄群の一角は物色される。生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が1.6%高と続伸した。同社の1〜9月期業績は、利益が3倍に膨らんでいる。このほか増益決算を明らかにした銘柄群では、大連港(2880/HK)が1.0%高、中国人民保険集団(人保集団:1339/HK)が0.9%高などと上昇した。

他の個別株動向では、スポーツ用品の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が1.5%高の75.60香港ドルと続伸。取引時間中には77.00香港ドルまで上昇し、10月16日の上場来高値(75.90香港ドル)を更新した。国際オリンピック委員会(IOC)の公式サプライヤーに指定されたことが支援材料。IOCは29日、安踏体育用品とユニフォームサプライヤー契約を結んだと発表した。

一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.50%安の2939.32ポイントで取引を終えた。不動産株が安い。消費関連株、自動車株、医薬品株、メディア関連株、素材株、インフラ建設株なども売られた。半面、銀行・保険株はしっかり。半導体株、交通インフラ株、公益株などの一角も買われた。

【亜州IR】




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