21日の香港市場概況:ハンセン0.5%安で4日ぶり反落、申洲国際3.8%下落
[20/05/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 外国株
21日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比119.92ポイント(0.49%)安の24280.03ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が47.93ポイント(0.48%)安の9850.07ポイントとそろって4日ぶりに反落した。売買代金は1242億6100万香港ドルに拡大している(20日は1016億9200万香港ドル)。
米中対立の警戒感が重しとなる流れ。トランプ米大統領は20日、新型コロナウイルス感染で死者多数が生じていることに関し、「世界中で大量殺りくを起こしたのは中国の無能さだ」と自身のツイッターに投稿した。た、ポンペオ米国務長官は20日、香港の高度な自治権が「一国二制度」の下で機能しているかどうかを検証する(米国の)報告書について、最近の動向により、評価が一段と困難になったとの認識を示した。これを受けて中国外交部は21日、「米国務長官は香港政府を脅迫している」と応じ、中国への内政干渉だと強く非難している。
ただ、中国の政策期待などを支えに指数は小高く推移する場面もみられた。あす22日には、今年の政策運営や経済成長率などの目標を示す中国の最重要会議、全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)が開幕する。
ハンセン指数の構成銘柄では、米向け輸出比率の大きい中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が3.8%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が2.6%安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が2.5%安と下げが目立った。
セクター別では、医薬関連が安い。上記した中国生物製薬のほか、康希諾生物(6185/HK)が13.0%、三生製薬(1530/HK)が5.2%、微創医療科学(853/HK)が3.9%ずつ値を下げている。バイオ医薬品ベンチャーの康希諾生物が取引時間中に上場来高値を更新するなど、同セクターは足元で上昇ピッチの速さが目立っていた。また同様に、前場に買われたオンライン健康相談サービスや医薬品Eコマースなどの阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が1.7%安で取引を終えている。
他の個別株動向では、米国にADRで重複上場する中国電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.3%安。米当局の規制強化が不安視されている。米上院は20日、米上場の外国企業に対し、米当局の会計監査を義務付ける法案を全会一致で可決。法案によれば、企業が外国政府の管理下にないことを証明することも求められ、検査を拒否した場合は上場廃止の可能性もある。
半面、通信キャリア最大手の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)は3.2%高と反発。同社は20日引け後、親会社の中国移動通信集団が中国広播電視網絡有限公司と第5世代(5G)移動通信サービスのインフラを共同建設・共有することで合意したと発表した。ネットワークの敷設などにかかるコストの削減効果などが意識されている。
そのほか、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が2.0%高と続伸し、年初来高値に接近した。市場活性化の思惑が広がっている。オンラインゲーム大手の網易(ネットイーズ:NTES/NASDAQ)が早ければ6月にも、香港での新規株式公開(IPO)を始動するもよう??と報じられるなど、足もとでは米株市場に上場する有力な中国企業の香港IPO計画が相次ぐ状況だ。
一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.55%安の2867.92ポイントで取引を終えた。ITハイテク関連株が安い。海運株、自動車株、エネルギー株、発電株、金融株なども売られた。半面、食品飲料株は高い。医薬品株、上海拠点の不動産株も買われた。
亜州リサーチ(株)
<FA>
米中対立の警戒感が重しとなる流れ。トランプ米大統領は20日、新型コロナウイルス感染で死者多数が生じていることに関し、「世界中で大量殺りくを起こしたのは中国の無能さだ」と自身のツイッターに投稿した。た、ポンペオ米国務長官は20日、香港の高度な自治権が「一国二制度」の下で機能しているかどうかを検証する(米国の)報告書について、最近の動向により、評価が一段と困難になったとの認識を示した。これを受けて中国外交部は21日、「米国務長官は香港政府を脅迫している」と応じ、中国への内政干渉だと強く非難している。
ただ、中国の政策期待などを支えに指数は小高く推移する場面もみられた。あす22日には、今年の政策運営や経済成長率などの目標を示す中国の最重要会議、全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)が開幕する。
ハンセン指数の構成銘柄では、米向け輸出比率の大きい中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が3.8%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が2.6%安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が2.5%安と下げが目立った。
セクター別では、医薬関連が安い。上記した中国生物製薬のほか、康希諾生物(6185/HK)が13.0%、三生製薬(1530/HK)が5.2%、微創医療科学(853/HK)が3.9%ずつ値を下げている。バイオ医薬品ベンチャーの康希諾生物が取引時間中に上場来高値を更新するなど、同セクターは足元で上昇ピッチの速さが目立っていた。また同様に、前場に買われたオンライン健康相談サービスや医薬品Eコマースなどの阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が1.7%安で取引を終えている。
他の個別株動向では、米国にADRで重複上場する中国電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.3%安。米当局の規制強化が不安視されている。米上院は20日、米上場の外国企業に対し、米当局の会計監査を義務付ける法案を全会一致で可決。法案によれば、企業が外国政府の管理下にないことを証明することも求められ、検査を拒否した場合は上場廃止の可能性もある。
半面、通信キャリア最大手の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)は3.2%高と反発。同社は20日引け後、親会社の中国移動通信集団が中国広播電視網絡有限公司と第5世代(5G)移動通信サービスのインフラを共同建設・共有することで合意したと発表した。ネットワークの敷設などにかかるコストの削減効果などが意識されている。
そのほか、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が2.0%高と続伸し、年初来高値に接近した。市場活性化の思惑が広がっている。オンラインゲーム大手の網易(ネットイーズ:NTES/NASDAQ)が早ければ6月にも、香港での新規株式公開(IPO)を始動するもよう??と報じられるなど、足もとでは米株市場に上場する有力な中国企業の香港IPO計画が相次ぐ状況だ。
一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.55%安の2867.92ポイントで取引を終えた。ITハイテク関連株が安い。海運株、自動車株、エネルギー株、発電株、金融株なども売られた。半面、食品飲料株は高い。医薬品株、上海拠点の不動産株も買われた。
亜州リサーチ(株)
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