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31日の香港市場概況:ハンセン1.0%安で反落、本土系銀行セクターに売り

注目トピックス 外国株
週明け8月31日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比245.01ポイント(0.96%)安の25177.05ポイントと反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が191.35ポイント(1.88%)安の9991.48ポイントと3日続落した。本土株指数は8月10日以来、3週ぶりに節目の10000を割り込んで引けている。半日の売買代金は1817億7000万香港ドルにやや拡大した(28日は1652億8600万香港ドル)。

本土株安に連れる展開。先週末の米株高や中国景気の持ち直しなどを受けて高く推移していたものの、本土市場で主要指標の上海総合指数が下げに転じて引けたことを受け、香港の各指数も終盤に入りマイナスに転落した。主要企業の中間決算発表がほぼ一巡するなか、主要本土行の決算で減益や不良債権比率上昇が多くみられたことを嫌気する。社債デフォルト(債務不履行)の警戒感も再燃。新型コロナウイルス禍で債務返済猶予を受けた企業に関し、この先2四半期程度で合計106億人民元以上が返済期限を迎える??などと伝えられた。

他方、寄り付き前に公表された中国経済指標では、8月の製造業PMIが51.0となり、小幅ながら前月(51.1)から低下したものの、景況判断の境目となる50は6カ月連続で上回っている。同月の非製造業PMIは54.2に上振れし、2年7カ月ぶりの高い水準を回復した。(亜州リサーチ編集部)


中国の銀行セクターが下げを主導。中国工商銀行(1398/HK)が3.6%安、交通銀行(3328/HK)が3.1%安、中国建設銀行(939/HK)が2.8%安で引けた。

中国不動産セクターも安い。中国恒大集団(3333/HK)が3.8%、中国金茂HD(817/HK)と万科企業(2202/HK)がそろって3.0%、融創中国HD(1918/HK)が2.7%、華潤置地(1109/HK)が2.4%ずつ下落した。

非鉄や建材など素材セクターもさえない。新疆新キン鉱業(3833/HK)が4.1%安、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が3.6%安、中国建材(3323/HK)と華潤水泥HD(1313/HK)がそろって2.9%安、安徽海螺セメント(安徽コンチセメント:914/HK)が2.2%安と値を下げた。

半面、材料のある個別株物色は活発化。取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が2.8%高と続伸し上場来高値を更新。売買増が意識されている。米外食大手ヤム・ブランズ中国法人の百勝中国控股(ヤム・チャイナ:YUMC/NYSE)は28日、香港市場に重複上場する計画を正式発表した。民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)も4.1%高と上げが目立つ。ハイテク・スタートアップ企業向科創板け市場「科創板」に重複上場する計画が進展。同社は28日、上場目論見書を近く提出することを明らかにした。このほか、中国EMS(電子機器製造受託サービス)業者の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が11.5%高と急伸。中間決算の利益4倍が材料視された。

一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.24%安の3395.68ポイントで取引を終えた。銀行・保険株が安い。ITハイテク株、不動産株、医薬品株、エネルギー関連株の一角なども売られた。半面、食品飲料株は高い。証券株、防衛関連株、産金株、紙パルプ株も買われた。

亜州リサーチ(株)



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