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23日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で3日続落、吉利汽車6.6%下落

注目トピックス 外国株
23日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比387.96ポイント(1.34%)安の28497.38ポイントと3日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が195.53ポイント(1.73%)安の11111.18ポイントと反落した。売買代金は1665億8400万香港ドルにやや拡大している(22日は1342億3800万香港ドル)。


投資家心理が悪化する流れ。欧米と中国の対立が懸念されている。欧州連合(EU)は22日、新疆ウイグル自治区の少数民族に対する「深刻な人権侵害」に関与したとして、中国当局者や団体に制裁を科した。それに同調し、米国や英国、カナダも制裁措置を発表している。一方、中国外交部は22日、EU側に対する報復措置を公表した。また、香港で主要企業の決算報告が本格化する中、業績動向を見極めたいとするスタンスも強まっている。昨夜の米ハイテク株高を好感し小じっかりでスタートしたものの、上値は重く、指数は程なくマイナスに転じた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が後場に下げ幅を広げ6.6%安で引けた。前引け後に公表した決算内容を嫌気。同社の通期決算は32%減益となり、市場予想を大幅に下回った。また、上海「科創板」重複上場計画の難航もネガティブ材料。昨年発表した上海のハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」への重複上場計画について、白紙となる可能性が浮上しているという。「ハイテク企業」という科創板の上場要件に、吉利が該当するかどうか証券当局が疑問視していると外電が23日報じた。そのほか、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が5.2%安、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が4.1%安と下げが目立っている。


セクター別では、海運・空運が安い。中遠海運HD(1919/HK)が6.0%、東方海外(316/HK)が5.0%、太平洋航運集団(2343/HK)が3.1%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が5.0%、中国東方航空(670/HK)が4.0%、中国国際航空(753/HK)が3.4%ずつ下落した。


レアアース・非鉄セクターも急落。中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が10.3%安、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が9.9%安、新疆新キン鉱業(3833/HK)が7.7%安、金川集団国際資源(2362/HK)が6.3%安、江西銅業(358/HK)が5.0%安と売られた。


食品飲料や家電、スポーツ用品の消費関連セクターもさえない。康師傅HD(ティンイー:322/HK)が7.0%安、中国旺旺HD(151/HK)が3.3%安、TCL電子HD(1070/HK)が5.2%安、海爾智家(ハイアール・スマート・ホーム:6690/HK)が4.9%安、李寧(リーニン:2331/HK)が3.2%安、安踏体育用品(2020/HK)が2.2%安と値を下げた。即席麺・飲料大手の康師傅が報告した期末決算は2割増益。市場予想をやや上回ったものの、これを好感する買いは限定された。


このほか、インターネット検索中国最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が本日、香港メインボードに重複上場。公募価格と同値の252.00香港ドルで初日取引を終えた。


一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.93%安の3411.51ポイントで取引を終了した。素材株が安い。消費関連株、インフラ関連株、運輸株、医薬品株、不動産株、ハイテク株、銀行株なども売られた。半面、証券株は高い。保険株、メディア関連株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)



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