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12日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で続落、自動車と非鉄の下げ目立つ

注目トピックス 外国株
週明け12日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比245.52ポイント(0.86%)安の28453.28ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が102.54ポイント(0.93%)安の10874.83ポイントとそろって続落した。売買代金は1607億400万香港ドルにやや拡大している(9日は1417億1400万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが続く。米中対立の警戒感が根強いほか、中国の引き締め懸念も高まっている。劉鶴・副首相は9日、地方金融機関の一部でリスクが顕在化しているとして、監督強化の必要性に改めて言及した。また、中国で今週、各種経済統計が集中して公表されることも買い手控え要因として意識された。あす13日に3月の貿易統計、15日までに同月の金融統計、さらに16日は1〜3月のGDP成長率などが公表される。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が7.1%安、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が5.0%安、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)とスマートフォン大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)がそろって2.9%安と下げが目立った。このほか、インターネットサービス中国大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が1.1%安。美団やテンセントなどプラットフォーム(囲い込み型のビジネスモデル)を有する企業については、当局の反独占強化方針が警戒されている。ハンセン指数銘柄以外では、インターネット検索中国最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK)が3.7%安と値を下げた。


セクター別では、自動車が安い。上記した吉利汽車のほか、長城汽車(2333/HK)が6.7%、比亜迪(BYD:1211/HK)と北京汽車(1958/HK)、広州汽車集団(2238/HK)がそろって2.7%、東風汽車集団(489/HK)が2.2%ずつ下落した。


非鉄セクターもさえない。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が6.2%安、江西銅業(358/HK)が4.6%安、新疆新キン鉱業(3833/HK)が2.9%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が1.4%安で引けた。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、銅やアルミなど主要な産品の先物価格が大幅下落している。


半面、鉄鋼セクターは続伸。重慶鋼鉄(1053/HK)が18.3%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が4.8%高、鞍鋼(347/HK)が1.7%高で取引を終えた。「カーボンニュートラル」達成に向け、生産調整の強化が見込まれる中、市況の引き締まりが期待されている。中堅鉄鋼メーカーの重慶鋼鉄に関しては、第1四半期(1〜3月)の純利益が前年同期比で約260倍に拡大するとの見通しを発表したことも引き続き材料視されている。


そのほか、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が6.5%高と急反発(一時9.0%上昇)。同社は巨額罰金を科されたが、事前に観測が流れていたこともあり、「悪材料出尽くし」との見方が広がっている。国家市場監督管理総局は10日、アリババのプラットフォームが独占禁止法に違反したとして182億2800万人民元(約3000億円)の罰金を科した(独占禁止法違反の罰金で過去最高額)。


一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.09%安の3412.95ポイントで取引を終了した。素材株が安い。消費関連株、医薬品株、ハイテク株、証券株、海運株、防衛関連株なども売られた。半面、発電株は高い。銀行株、不動産株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)




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