ベンチャーキャピタルによるブロックチェーン新興企業への投資が急増【フィスコ・ビットコインニュース】
[18/03/28]
提供元:株式会社フィスコ
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ビットコインニュース
ICO(仮想通貨技術を利用した資金調達)への当局からの厳しい規制や監視が行われる可能性が高まる中、ベンチャーキャピタリスト(VC)によるブロックチェーンへの関心が高まっている。
これまでICOは新たな資金調達手段として、VCのビジネスを崩壊するものとされていた。しかし米情報サイト、コインデスクのデータによると、2017年12月からの3カ月で、ブロックチェーン技術をベースにしたスタートアップ企業の資金調達額は4.34億ドルにのぼったという。
スタートアップ企業の支援を行うスパークラボグループのフランク・ミーハン氏によると、2017年末に発足した同社の1億ドルのブロックチェーンファンドは、既に6社に投資しており、それらが企業のICOに投資すれば、割引が受けられるかもしれないほか、株式より早く売却できる投資となる。
また、コインデスクのデータによると、2018年に入っての2か月間でスタートアップ企業がICOを通して集めた資金は30億ドルとなり、2017年の調達額の総額の半分を超えたという。スタートアップ企業のトークンセールは依然として好調さを見せている。
一方、ICOの統計データを収集しているトークンデータの調査によると、2017年に実施されたICOの約46%が失敗したか、資金調達を完了できなかったとされている。また、今年実施された340件のうち50件のICOが失敗したという結果も出ている。
この高い失敗率は、スタートアップ企業が実はホワイトペーパー以外の武器がないという現状に照らせば驚くべきことではない。多くのICO投資家がより成熟した企業に投資したいという思いがあるため、新興企業は製品開発とマーケティングのための資金を調達しなければならない状況にある。
現在、米国では有価証券に対する法規制は確立されているが、ICOにはまだ確たるものがない。 米国財務省は、3月6日にロン・ワイデン上院議員宛に書簡を送り、トークンの販売に携わる開発者と取引所の双方が資金送金業とみなされ、資金洗浄対策や顧客確認のルールに関連する法令を遵守する必要があると伝えている。
米証券取引委員会(SEC)の会長ジェイ・クレイトン氏は、2月に「ほとんどのトークンの新興企業はそうではないと主張しているが、私が見たすべてのICOは資産だ」と語った。
以上のような状況で、多くの投資家が向かうのではないかと言われているのが、株式やその他の資産に関連するトークン(いわゆるセキュリティトークン)に対する投資である。
セキュリティトークンは、従来のスタートアップ企業の株式よりも簡単に取引することができる。トークンは通常1年ほどのロックアップが終了すれば、オンラインなどで容易に販売できるため、直接投資も可能である。
セキュリティトークンを発行するためのプラットフォームであり、株や債券などの様々な有価証券をトークン化するポリマス社(Polymath)によると、2017年の4兆を超える仮想通貨市場の中におけるセキュリティトークンのシェアは100億円程度だったとのこと。それでも、市場に機関投資家が増えて規制が厳しくなる可能性が高い現状のままいけば、セキュリティトークンが市場を支配するようになると、同社の最高経営責任者トレバー・コベルコ氏は述べている。
カウサムエクスチェンジ(Causam eXchange)のジョー・フォーブス最高経営責任者(CEO)は、「ICOが壊れていると考えているだけだ。SECが資金調達について多くの意見を述べるだろう」と語り、続けて「これまでに数多くの企業を設立し、実際の製品を保有していたのに、なぜ資金調達のリスクを取り除かないのか? なぜ先行きも見えない規制の中で会社の将来を危険にさらすのか?」とセキュリティトークンへの支持を表明している。
カウサムエクスチェンジは、ICOではなく、3月8日に米国内の1,000人の認定投資家に25%のトークンを販売し始めた。バイヤーは1年間のロックアップ終了後にトークンを売ることができ、 同社は15億円の資金調達を希望している。
すでにカウサムの株式を保有しているジェイソン・ウィリアムズ氏は、この売却に参加する予定だと述べた。2月には、このようなセキュリティトークンに投資するベンチャー企業であるフルティルトキャピタル(Full Tilt Capital)の25億円の資金調達の手助けを行ったという。ウィリアムズ氏はこう語る。「これらは歴史的に非流動的だったものを流動資産にするものなのです」
様々な問題を内包しながらも好調に推移しているICOだが、規制強化の波やなくならないリスクが、投資家を不動産、株、ベンチャー投資をトークン化して市場で取引を行う「セキュリティトークン」へと向かわせているようだ。
誰もが自由にネットワーク上で証券を売買できれば、その市場規模も莫大になるに違いない。
現在市場の関心が仮想通貨そのものからブロックチェーンに移り始めているように、ICOの中でも今後はセキュリティトークンに注目が集まっていくようになるかもしれない。
<MT>
これまでICOは新たな資金調達手段として、VCのビジネスを崩壊するものとされていた。しかし米情報サイト、コインデスクのデータによると、2017年12月からの3カ月で、ブロックチェーン技術をベースにしたスタートアップ企業の資金調達額は4.34億ドルにのぼったという。
スタートアップ企業の支援を行うスパークラボグループのフランク・ミーハン氏によると、2017年末に発足した同社の1億ドルのブロックチェーンファンドは、既に6社に投資しており、それらが企業のICOに投資すれば、割引が受けられるかもしれないほか、株式より早く売却できる投資となる。
また、コインデスクのデータによると、2018年に入っての2か月間でスタートアップ企業がICOを通して集めた資金は30億ドルとなり、2017年の調達額の総額の半分を超えたという。スタートアップ企業のトークンセールは依然として好調さを見せている。
一方、ICOの統計データを収集しているトークンデータの調査によると、2017年に実施されたICOの約46%が失敗したか、資金調達を完了できなかったとされている。また、今年実施された340件のうち50件のICOが失敗したという結果も出ている。
この高い失敗率は、スタートアップ企業が実はホワイトペーパー以外の武器がないという現状に照らせば驚くべきことではない。多くのICO投資家がより成熟した企業に投資したいという思いがあるため、新興企業は製品開発とマーケティングのための資金を調達しなければならない状況にある。
現在、米国では有価証券に対する法規制は確立されているが、ICOにはまだ確たるものがない。 米国財務省は、3月6日にロン・ワイデン上院議員宛に書簡を送り、トークンの販売に携わる開発者と取引所の双方が資金送金業とみなされ、資金洗浄対策や顧客確認のルールに関連する法令を遵守する必要があると伝えている。
米証券取引委員会(SEC)の会長ジェイ・クレイトン氏は、2月に「ほとんどのトークンの新興企業はそうではないと主張しているが、私が見たすべてのICOは資産だ」と語った。
以上のような状況で、多くの投資家が向かうのではないかと言われているのが、株式やその他の資産に関連するトークン(いわゆるセキュリティトークン)に対する投資である。
セキュリティトークンは、従来のスタートアップ企業の株式よりも簡単に取引することができる。トークンは通常1年ほどのロックアップが終了すれば、オンラインなどで容易に販売できるため、直接投資も可能である。
セキュリティトークンを発行するためのプラットフォームであり、株や債券などの様々な有価証券をトークン化するポリマス社(Polymath)によると、2017年の4兆を超える仮想通貨市場の中におけるセキュリティトークンのシェアは100億円程度だったとのこと。それでも、市場に機関投資家が増えて規制が厳しくなる可能性が高い現状のままいけば、セキュリティトークンが市場を支配するようになると、同社の最高経営責任者トレバー・コベルコ氏は述べている。
カウサムエクスチェンジ(Causam eXchange)のジョー・フォーブス最高経営責任者(CEO)は、「ICOが壊れていると考えているだけだ。SECが資金調達について多くの意見を述べるだろう」と語り、続けて「これまでに数多くの企業を設立し、実際の製品を保有していたのに、なぜ資金調達のリスクを取り除かないのか? なぜ先行きも見えない規制の中で会社の将来を危険にさらすのか?」とセキュリティトークンへの支持を表明している。
カウサムエクスチェンジは、ICOではなく、3月8日に米国内の1,000人の認定投資家に25%のトークンを販売し始めた。バイヤーは1年間のロックアップ終了後にトークンを売ることができ、 同社は15億円の資金調達を希望している。
すでにカウサムの株式を保有しているジェイソン・ウィリアムズ氏は、この売却に参加する予定だと述べた。2月には、このようなセキュリティトークンに投資するベンチャー企業であるフルティルトキャピタル(Full Tilt Capital)の25億円の資金調達の手助けを行ったという。ウィリアムズ氏はこう語る。「これらは歴史的に非流動的だったものを流動資産にするものなのです」
様々な問題を内包しながらも好調に推移しているICOだが、規制強化の波やなくならないリスクが、投資家を不動産、株、ベンチャー投資をトークン化して市場で取引を行う「セキュリティトークン」へと向かわせているようだ。
誰もが自由にネットワーク上で証券を売買できれば、その市場規模も莫大になるに違いない。
現在市場の関心が仮想通貨そのものからブロックチェーンに移り始めているように、ICOの中でも今後はセキュリティトークンに注目が集まっていくようになるかもしれない。
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