マネックスグループ松本社長インタビューvol.2 コインチェックのグループ入りの狙いとは【フィスコ 株・企業報】
[18/05/22]
提供元:株式会社フィスコ
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仮想通貨コラム
◇以下は、FISCO監修の投資情報誌『FISCO 株・企業報 2018年春号 −仮想通貨とサイバーセキュリティ 』(4月28日発売)の巻頭特集「マネックスグループ株式会社 代表執行役社長CEO 松本 大氏インタビュー」の一部である。全4回に分けて配信する。
昨年秋に仮想通貨ビジネスへの参入を表明したマネックスグループ。今年1月には信
頼性の高い調査・分析結果を顧客に提供するためにシンクタンク「マネックス仮想通貨研究所」をグループ内に設立、4月にはコインチェックのグループ入りを発表した。これまで慎重に参入機会をうかがっていた松本大CEOに、参入の背景や戦略について語ってもらった。市場草創期にありがちな混乱や事件が発生するなかで、個人投資家に安心して仮想通貨市場に参加してもらうためのセキュリティ向上策など、市場の健全な発展に向けての率直な提言をいただいた。
■仮想通貨がビジネスになると決断されたのは、いつ頃でしょうか?
昨年10月に発表した「第二の創業」において、仮想通貨関連事業を大きな柱と位置付けています。仮想通貨関連事業は、リスクをしっかりとコントロールして取り組むことが肝要と考えています。証券ビジネスに比べれば収益性が高いことは魅力であり、仮想通貨交換業の開始に向けて様々な準備を進めてまいりました。
私個人は3年半ほど前からビットコインを持っていたので、ビジネスとして本格的に動き出すのはちょっと遅かったかなという思いはあります。
マネックス証券としても3年ほど前にビットコインへの投資を試験的にスタートしました。自社のハードディスクに入れて、どういうふうに会計処理するかといった研究です。キャンペーンでお客さまにビットコインをプレゼントしたこともあって、実はずいぶん前からビットコインには注目していたのに、本業のビジネスとして捉えなかったんですね。
ところが2017年の夏ぐらいに時価総額が増えてから、ビジネスとして本格的に取り組もうと動き出したのは、ちょっと遅かったですね。
当社が仮想通貨売買を1年前から提供していたら、お客さまのなかで「マネックスが始めたなら」とビットコインを買われた方がいたと思います。おそらく、そのお客さまは儲けることができたでしょう。「他社のサービスは馴染みがないからやめておこう」と控えた方たちはいるはずで、売買の機会を提供できなかったことは反省しています。
■4月6日にコインチェックのグループ入りの発表がありました。その狙いや、買収を決断された理由をお聞かせ下さい。
仮想通貨とブロックチェーンは、個人とお金の付き合い方を大きく変える可能性のある、次世代の技術やプラットフォームとなるでしょう。この次世代の技術を大きく成長させることが、マネックスグループを飛躍的に成長させる「第二の創業」のカギになると考えています。
その中でも、仮想通貨交換業は「第二の創業」において大きな役割を担う事業となります。この分野において先駆的存在であるコインチェックが持つブロックチェーン技術や仮想通貨に関する知見と、マネックスグループが持つ金融業に関する知見を融合することは、仮想通貨業界全体の健全な発展にもつながるのではないでしょうか。
マネックスグループはコインチェックの経営戦略や内部管理体制の見直しを図り、顧客の資産の保護を第一にし、仮想通貨交換業としての登録などを目指します。コインチェックのお客さまに安心して利用していただける環境を整えること、ひいてはコインチェックがこれからも持続的に成長できるようサポートしていきたいと考えています。
(つづく〜「マネックスグループ松本社長インタビューvol.3 仮想通貨市場への提言と投資初心者へメッセージ【フィスコ 株・企業報】」〜)
【松本大Profile】
1963年12月19日生まれ。埼玉県出身。東京大学法学部卒業後、ソロモン・ブラザーズ証券、ゴールドマン・サックスに勤務。1999年にソニーと共同でマネックス(現マネックス証券)を設立し、翌年に東証マザーズ上場を果たす。その後、2004年に持ち株会社(現マネックスグループ)のCEOに就任。現在に至る。
<HH>
昨年秋に仮想通貨ビジネスへの参入を表明したマネックスグループ。今年1月には信
頼性の高い調査・分析結果を顧客に提供するためにシンクタンク「マネックス仮想通貨研究所」をグループ内に設立、4月にはコインチェックのグループ入りを発表した。これまで慎重に参入機会をうかがっていた松本大CEOに、参入の背景や戦略について語ってもらった。市場草創期にありがちな混乱や事件が発生するなかで、個人投資家に安心して仮想通貨市場に参加してもらうためのセキュリティ向上策など、市場の健全な発展に向けての率直な提言をいただいた。
■仮想通貨がビジネスになると決断されたのは、いつ頃でしょうか?
昨年10月に発表した「第二の創業」において、仮想通貨関連事業を大きな柱と位置付けています。仮想通貨関連事業は、リスクをしっかりとコントロールして取り組むことが肝要と考えています。証券ビジネスに比べれば収益性が高いことは魅力であり、仮想通貨交換業の開始に向けて様々な準備を進めてまいりました。
私個人は3年半ほど前からビットコインを持っていたので、ビジネスとして本格的に動き出すのはちょっと遅かったかなという思いはあります。
マネックス証券としても3年ほど前にビットコインへの投資を試験的にスタートしました。自社のハードディスクに入れて、どういうふうに会計処理するかといった研究です。キャンペーンでお客さまにビットコインをプレゼントしたこともあって、実はずいぶん前からビットコインには注目していたのに、本業のビジネスとして捉えなかったんですね。
ところが2017年の夏ぐらいに時価総額が増えてから、ビジネスとして本格的に取り組もうと動き出したのは、ちょっと遅かったですね。
当社が仮想通貨売買を1年前から提供していたら、お客さまのなかで「マネックスが始めたなら」とビットコインを買われた方がいたと思います。おそらく、そのお客さまは儲けることができたでしょう。「他社のサービスは馴染みがないからやめておこう」と控えた方たちはいるはずで、売買の機会を提供できなかったことは反省しています。
■4月6日にコインチェックのグループ入りの発表がありました。その狙いや、買収を決断された理由をお聞かせ下さい。
仮想通貨とブロックチェーンは、個人とお金の付き合い方を大きく変える可能性のある、次世代の技術やプラットフォームとなるでしょう。この次世代の技術を大きく成長させることが、マネックスグループを飛躍的に成長させる「第二の創業」のカギになると考えています。
その中でも、仮想通貨交換業は「第二の創業」において大きな役割を担う事業となります。この分野において先駆的存在であるコインチェックが持つブロックチェーン技術や仮想通貨に関する知見と、マネックスグループが持つ金融業に関する知見を融合することは、仮想通貨業界全体の健全な発展にもつながるのではないでしょうか。
マネックスグループはコインチェックの経営戦略や内部管理体制の見直しを図り、顧客の資産の保護を第一にし、仮想通貨交換業としての登録などを目指します。コインチェックのお客さまに安心して利用していただける環境を整えること、ひいてはコインチェックがこれからも持続的に成長できるようサポートしていきたいと考えています。
(つづく〜「マネックスグループ松本社長インタビューvol.3 仮想通貨市場への提言と投資初心者へメッセージ【フィスコ 株・企業報】」〜)
【松本大Profile】
1963年12月19日生まれ。埼玉県出身。東京大学法学部卒業後、ソロモン・ブラザーズ証券、ゴールドマン・サックスに勤務。1999年にソニーと共同でマネックス(現マネックス証券)を設立し、翌年に東証マザーズ上場を果たす。その後、2004年に持ち株会社(現マネックスグループ)のCEOに就任。現在に至る。
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