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大石哲之:【フィスコ・暗号資産コラム】

暗号資産コラム
以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2020年10 月19日に執筆

一時のブームが去ったDefiであるが、先週からBinanceの提供するBinance Smart Chainで、再度のブームが起きている。数日の間にたけのこのようにDefiサービスが立ち上がった。得られるトークンの利率の良さと、トランザクションのスピード(3秒)、手数料の安さ(約1/10〜1/20)に惹かれて、コインを投入している人も増えている。

Binace Smart Chain(通称BSC)は、Binance社が提供するプライベートチェーンであり、イーサリアムのフォークである。フォークなので、イーサリアムで開発されたコードがまったくそのまま動作する。開発者はイーサリアムでのコードベースをそのまま活用できる形だ。開発者にとってはイーサリアムで行われていることが最新であるが、ユーザーにとっては単に「早い・安い・利率が良い」チェーンのほうがメリットがある。

今後、このようなイーサリアムクローンというべきチェーンがいくつか立ち上がる予定である。CosmosベースのEtheremint、10月にメインネットがスタートしたAvalance、PolkadotベースのEdgewareなどである。これらのチェーンでも同じようにDefiが構築されていき、ユーザーが一時の利率の良さをもとめて、イナゴの大群のように移動していくかもしれない。

こうしたDefiのブームは持続性はあまりないと筆者は考えるが、それでもイーサリアムの代替プラットフォームの存在は面白い。イーサリアムが価値の保存ではなく、スマートコントラクトのトランザクション処理のチェーンであるとすれば、究極には早い・安いほうが好まれるからだ。イーサリアムではなく、共通コードベースのEVM(Ethereum Virtual Machine)だけが生き残るかもしれない。こうしたマルチチェーン・マルチプラットフォーム・クロスチェーンの扉を真っ先に開いたBinance Smart Chainは、インパクトとイノベーションだろう。




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