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DeFiプロジェクト「Instadapp」【フィスコ・暗号資産コラム】

暗号資産コラム
Instadappとは、一つのインターフェイスから、MakerDAOやCompound、Curveなどの複数のDeFiサービスをウェブ・アプリケーション上で利用することを可能にしたサービスである。ユーザーは、Instadappが提供するウェブ・ウォレット(通称スマート・アカウント)を利用することで、一つのインターフェイスから複数のDeFiサービスに一元的にアクセスすることができる。

全ユーザーの合計ウォレット残高を表す合計ロック資産価値(TVL: Total Locked Value)は約220億円である。CompoundのCOMPマイニング用ツールをローンチしたこともあり、2020年6月後半から8月半ばにかけて、TVLが増加した。なお、Instadappはあくまでインターフェイスであり、提供するレンディングやトレーディング仲介機能においてユーザーの資産を預かっているわけではない。

DeFiサービスの統合だけでなく、運用の効率化をサポートする補完的なスマートコントラクト機能が備わっているというのがInstadappの強みである。ユーザーは、レンディングやイールドファーミングを行う際の複雑な取引を全て1クリック(トランザクション)で実行できる。また、ユーザーのイールドファーミング効率を最大化・補助する機能も豊富に提供している。独自ウォレットのスマートコントラクトを操作することができるJavascript SDKを作成・提供することで、外部の開発者がスマート・アカウントを使って自由にプロダクト開発を行える環境を整えており、今後デベロッパー・プラットフォーム化していく可能性もある。

未だサービスの利用手数料を一切課しておらず、トークンをローンチするという発表もない。今後のマネタイズ手法としては、スマート・アカウントの作成、維持にサブスクリプション的に手数料を課したり、利用度に応じて機能別で手数料を課すといったものが、可能性としては考えられよう。

DeFiサービスの統合に特化しているDeFi SaverやZapperなどのサービスは、Instadappにと強い競合関係にある。モバイルアプリも含めれば、ArgentやMetamaskもDeFi統合アプリケーションとしては競合に含まれるが、Instadappの方がより多機能で玄人向けである。ウェブ・アプリの新しいインターフェイスを開発中で、機能面においてはあまり目立った開発やアップデートの発表は行われていないが、地道に開発は継続していると見られる。



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